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【試乗】時代の要求が8代目アコードを「欧州Dセグセダン/ツアラー」に変えた【10年ひと昔の新車】

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【試乗】時代の要求が8代目アコードを「欧州Dセグセダン/ツアラー」に変えた【10年ひと昔の新車】

2008年、ホンダ アコードが8代目となる新型へとフルモデルチェンジを果たした。北米市場で好調なセールスを続ける一方で、日本ではミニバンブームの到来もあって人気が下降する中での登場だった。この時アコードはどのように進化したのか。ここでは登場後まもなく行われた国内試乗会の模様を振り返ってみよう。(以下の試乗記は、Motor Magazine 2009年2月号より)

欧州Dセグメントセダン/ワゴンに真っ向勝負を挑む
アコードがデビューして2009年で33年目。歴代では1976年の初代、1985年の3代目、1993年の5代目、2002年の7代目と、4回も日本カー・オブ・ザ・イヤーに輝いたホンダの誇り高きモデルだ。また1982年には日本メーカーとしてはじめて米国(オハイオ州)に工場を建設して現地生産を開始し、成功を収めたことでも知られる。

●【くるま問答】ガソリンの給油口は、なぜクルマによって右だったり左だったりするのか

1980年代から1990年代、北米市場では絶好調なセールスを持続したが、一方で日本市場での販売は下降線をたどりはじめた。なぜならばアコードのポジションがユーザーニーズとマッチしなくなってきたからである。

当時の国内市場のアッパーミドルクラスではトヨタのマークII 3兄弟が圧倒的に強く、日産にはスカイライン、ローレルがあった。これらのライバルたちに比べるとアコードは販売戦略上いささか弱い(小さい、豪華でない)立場にあった。

そして1994年にオデッセイがデビューするとさらにアコード離れが加速してしまった。これはホンダのみならず他メーカーも同様で、ミニバンブームの到来によって「セダン離れ」に拍車がかかってしまったのだ。

そんな流れの中でアコードは地道に進化を続けてきた。5代目に導入されたVTECエンジン、6代目のフレキシブルプラットフォーム、7代目の切れ味鋭いユーロRなど、評論家筋には高い評価を得たものの、肝心の売れ行きはパッとせぬまま現在に至ったというわけだ。

欧州ライバル勢を見据えたモデルチェンジ
そして今回の8代目新型アコード。3サイズは全長×全幅×全高が4730mm×1840mm×1440mmでホイールベースは2705mm。全幅は同社のビッグミニバンのエリシオンより10mm広い。それを欧州のDセグメントセダンを比べてみると、アルファ159とアウディA4とほぼ同じサイズ。ちなみにもっとも大柄なのはシトロエンC5で、アコードより65mm長く20mm広く30mm高い。

数字の羅列で申し訳ないが、このことが新型アコードにとって重要な「生き残る道」なのである。今回日本で発売される新型アコードは、北米仕様を右ハンドル化して導入するといったイージーなものではなく、欧州ライバル勢を見据えたモデルチェンジといっていい。日本国内でのDセグメントセダン/ワゴンは輸入車の比率が高い。BMW 3シリーズ、アウディ A4、メルセデス・ベンツ Cクラスはじめ手強い相手がひしめく。そこに真っ向勝負を挑むモデルというわけだ。

そんなわけで大きくなったアコードの試乗会に赴いた。車体設計の主任研究員、山口隆さんによれば「従来の5ナンバー枠に近いサイズを守ろうという意見もありましたが、輸入車と肩を並べる、またはリードするにはどうしてもこのサイズにステップアップする必要がありました」という。

たしかに国際的にDセグメントは大型化している。アコードが「おいてけぼり」となるのは得策ではない。対面したアコードは従来型よりひと回り大きく立派な佇まいで、写真を見た印象より好ましかった。インスパイアほどエグくなく力感がある。試乗車(24TL)に乗り込んでシートポジションをあわせ、インテリアを眺める。質感は上々でライバルに対してなんら遜色なし。私にはオーソドックスな手動のサイドブレーキが嬉しい。

試乗ルートは都心を出発し、首都高湾岸線経由で横浜往復。高速入り口までの混雑した一般路でも車幅の広さはほとんど気にならなかった。短時間の試乗だったが、高速直進安定性、静粛性、乗り心地ともまさしくワンランク以上アップ(高級車化)していたことをご報告する。

エンジンはお約束のホンダサウンドで主張があるし、パドルシフトでスパスパとチェンジして楽しめる。いい仕上がりじゃないですか、と前出の山口さんに申し上げたら「新型アコードにはなにも飛び道具は使っていません」という。ホンダには「底力」があると実感した。(文:Motor Magazine編集部/写真:井上雅行)

ホンダ アコードセダン24TL 主要諸元
●全長×全幅×全高:4370×1840×1440mm
●ホイールベース:2705mm
●車両重量:1510kg
●エンジン:直4DOHC
●排気量:2354cc
●最高出力:151kW(206ps)/7000rpm
●最大トルク:232Nm/4300rpm
●トランスミッション:5速AT
●駆動方式:FF
●10・15モード燃費:11.8km/L
●車両価格(税込):290万円(2008年当時)

[ アルバム : 8代目ホンダ アコード はオリジナルサイトでご覧ください ]

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みんなのコメント

3件
  • 今見ても、ツアラーのボディラインにはうっとりする美しさがある。
    セダンは筋肉質なイメージ。
    もっともアコードらしい、最後のアコード。それが8代目。
  • この車が売れなかったのが不思議
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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