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スプリントで転倒したふたりのライダー。バニャイアのミスとM.マルケスがフロントに選んだハード/第10戦イギリスGP

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スプリントで転倒したふたりのライダー。バニャイアのミスとM.マルケスがフロントに選んだハード/第10戦イギリスGP

 2024年MotoGP第10戦イギリスGPのスプリントレースでは、チャンピオンシップのランキングトップ3のうち、ふたりが転倒を喫してノーポイントで終える結果となった。ひとりはフランセスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)、もうひとりはマルク・マルケス(グレシーニ・レーシングMotoGP)である。

■バニャイア「僕のミス」
 バニャイアは4番手で走行中の5周目、4コーナーで転倒し、リタイアとなった。囲み取材で転倒の理由について問われたバニャイアは「僕のミスだった」と認めている。

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「4コーナーでは週末を通してずっと速く走れていたし、進入でも速かった。ただ、転倒したラップでは、それまでよりもエイペックスに接近したラインになって、フロントが切れ込んだんだ」

「スタートはとてもよかったんだけど、リヤのハイトデバイス(ホールショットデバイス)が作動しなくて、1、2コーナーで4番手に後退してしまった。最初の1周半くらいはリヤのグリップに少し苦戦をしたんだけど、その後はまた完璧な状態になった。ギャップを詰めて速く走れるようになったんだけど、転倒してしまった。僕のミス。チームには謝ったよ。彼らはいつも完璧な仕事をしてくれるからね」

 自分のミスだと認めるバニャイアではあったが、その背景にタイヤという要因があったことにも言及した。なお、イギリスGPのスプリントレースで、バニャイアはフロントにミディアムタイヤを選んだ。このレースでは多くのライダーがフロントにミディアムを選んだが、一部のライダーはハード、あるいはソフトをチョイスしている。例えば、ポールポジションスタートだったアレイシ・エスパルガロ(アプリリア・レーシング)はハードタイヤだった。

「クラッシュしたときについては、フロントタイヤは正しくなかった、と言わざるを得ない。あの気温ではハードタイヤで走ることができなかったんだけど、ミディアムはいまいちだし、ソフトは2周も走れば終わってしまう。ミディアムは正しい選択だったとは思うけど、あのときは3コーナーの立ち上がりスピードが速すぎた。4コーナーに入ったとき、3km/hくらい速かったんだ。エイペックスに接近したときにフロントが切れ込んでしまった」

 バニャイアは「(今季、ミシュランが供給する)新しいリヤタイヤは素晴らしいけど、リヤがかなりフロントを押すので、クラッシュが多くなっている」とも言う。これは、今季これまでにもしばしば言及されてきたことでもある。

■マルク・マルケス「いろいろなことが重なった」
 4番手で走行中の残り3周、16コーナーで転倒したマルケスは「いろいろなことが重なった」と、レース後の囲み取材で述べた。ただ、要因のひとつにはやはり、フロントタイヤがあった。マルケスはフロントにハードタイヤを選択していた。

「(フロントタイヤの)左側がかなり限界だったよ。特に最後のラップではフロント集団からかなり離されて、フロントタイヤの温度が下がってきて、左コーナーではさらに厳しかった」

「ハードを履いているときは、グリップは問題ないかもしれないけど、動いていないから温まりにくい。そこで白線に少しだけ触れてしまい、戻ろうとしたけど、予兆もなしにいきなりフロントが切れ込んだんだ。でも、こういうものだ。いつも誰かがミスをするものだよ」

 ただ、バニャイアが述べていた「リヤタイヤがフロントをプッシュする転倒が増えている」件については、マルケスは同意せず、「僕は逆だ。2024年型はわからないけど、2023年型は反対で、進入でグリップが欠けているんだ」と、説明している。

 さて、それぞれの理由で転倒したバニャイアとマルケスだが、今回の結果を受け、チャンピオンシップについて変動があった。マルケスはチャンピオンシップについて現実的な見解を示している。

「チャンスはある。でも、アッセンでも言ったけど、僕たちはチャンピオン争いをする立場にはいないんだ」

「ル・マンから僕たちは日曜日の最後のところで持ちこたえている。1回、2回、3回はなんとかなるかもしれないけど、できないこともあるだろうし、ミスをすることもあるだろう。3人のライダーが、僕たちよりも安定して速い。特に今は(エネア・)バスティアニーニがとても強いね。だから僕たちはなんとか生き残って、ポイントを失わないようにして、チャンピオンシップの最後にトップのポジションでいられるように頑張るだけだ」

 チャンピオンシップで、バニャイアは1ポイントという差ではあるが、ランキングトップを維持している。一方、マルケスはスプリントレースで優勝したエネア・バスティアニーニ(ドゥカティ・レノボ・チーム)にかわされ、トップから56ポイント差、バスティアニーニと1ポイント差のランキング4番手に後退した。

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