アルピーヌのリザーブドライバーを務めるジャック・ドゥーハンは、チームからのF1昇格の知らせを、スパ・フランコルシャンでの“平凡な”ディナーの帰り道に受け取ったと明かした。そしてドゥーハンは、あまりの興奮にチームの誰から連絡があったかさえ覚えていないという。
「月曜日の夜、翌日のテストを前にスパの小さなレストランで平凡なディナーを楽しんだ帰りだった」とドゥーハンは語った。
■R34 GT-RオタクのF1候補生、ジャック・ドゥーハンが“早口で”愛を語る「いつの日か自分でビルドしたい!」
「ホテルへと戻る途中で電話がかかってきて、隣には父(ミック・ドゥーハン)、後ろには僕のパフォーマンスコーチ(セルジ・ガルシア)が乗っていた。そして、来年は僕がドライバーとしてレースに出るという知らせを受けた」
「もちろん、その時は2~3日後までサインをしていないという状況だった。すごく嬉しかったけど、紙にペンで書かないと何の意味もない。でも、その時が(F1デビューが)実現するんだと知った最初の瞬間だった」
電話をかけてきたのは誰だったのか? と訊かれたドゥーハンはこう答えた。
「電話があったことが嬉しすぎて、覚えてすらいないんだよね!」
またドゥーハンは、2023年にFIA F2に参戦しランキング3位となって以降、2024年シーズンはF1リザーブとしての役目に徹してきた。
ドゥーハンはF1シートが空くのを待つしかない状況で、キャリアの選択肢を検討する際に、二輪のロードレース世界選手権500ccクラスで5年連続チャンピオンである父ミックにアドバイスを求めたという。
父からどれほど影響を受けたか訊かれたドゥーハンは「精神的な面や、自分がどのように行動しているかという点で僕を導いてくれたと思う」と語り、次のように続けた。
「自分の将来が明らかに自分のコントロールの及ばないモノであると理解するのは難しいことだ。自分が正しい位置にいると確かめることもあった。父は、そのような経験も豊富だし、それを何度も成功させてきた」
「僕はスポンジのように、得られる限りの情報を得ようとしていた。でも、父は僕にとっても非常に重要な時期で、自分で物事を学ぶ重要な時期であることも知っていた」
「父は、僕に自分で足元を固めさせてくれつつ、自分のすべきことも投げかけてくれるという、絶妙な組み合わせをしてくれた」
今季は旧車テスト(TPC)を通じて2022年マシンであるA522をドライブしてきたドゥーハン。残りシーズンもリザーブドライバーを続ける。
チームのシミュレータで集中的なセッションを行なった後、オランダGPに帯同したドゥーハンは、FP1出走で2024年マシンに触れる機会があれば歓迎すると語った。
「TPCは僕の準備において、並外れた働きをしてくれている。2024年マシンではなくて2022年マシンだけど、レギュレーションは同じだ」とドゥーハンは言う。
「もちろん、小さなアップデートで変更はされているし、現時点で必要なFP1セッションを終えている。現時点では計画はないけど、そうなるなら大歓迎だよ」
「現時点では、僕はリザーブドライバーとしての役割を果たし、シムでの時間を最大化することに集中している。今走っているマシンをより良くするために行なっている開発は、来年僕が乗ることになる2025年マシンを改善するためのモノだからね」
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