アイサイトXを公道で初めて試してみた
GWなど大型連休の風物詩といえる高速道路で役立つのが、渋滞での運転をラクにしてくれる先進運転支援システム。たとえばスバル レヴォーグの「アイサイトX」は、50km/h以下の渋滞時に簡単な条件を満たすとハンズオフ(手放し)で車線をトレース、停止からの再発進でもドライバーは操作不要で、ただクルマがきちんと動いているかを監視しておけばいいというものです。
……という話は何度も見聞きしてきましたし、実際アイサイトXの渋滞時ハンズオフや料金所前で自動的に速度を落とす速度制御などはテストコースで体感したこともありましたが、そのすべての機能を公道で味わう機会に恵まれたので、リアルワールドでどう使えるのか、活用する上で見落としがちな注目点についてもレポートしてみましょう。
試乗したのは首都高で東京と横浜を結ぶ1号羽田線と湾岸線。お台場から首都高に乗り1号羽田線で大黒パーキングへ向かい、そこでUターンでして湾岸線で戻るというルートでした。
アクティブレーンチェンジの挙動がお見事
アイサイトXがセンサーとして使っているのはステレオカメラと4つのミリ波レーダー。ステレオカメラがフロントの状況を把握するというのはアイサイトの伝統です。
ミリ波レーダーは24GHzと77GHzに2種類が搭載され、斜め後方に向けたセンサーとして24GHZを、フロント側のカメラの死角をカバーするセンサーとして77GHzのミリ波レーダーがバンパーコーナーあたりに設置されています。また3D高精度地図も搭載しています。これによりかなり正確に自車位置を特定することができ、そのデータに基づいてコーナーにあわせた速度調整や、料金所での自動的な減速を実現しています。
走行中に自車位置が特定でき、3D高精度マップが有効になると、メーター内にあるアイサイトXのアイコンが点灯、そこでステアリングスポーク右側にあるアイサイトXボタンを押すとアイサイトXが起動します。この段階ではハンズオン状態ですからメーター内の表示はグリーンです。
70km/h以上で走行中にカメラで区画線を認識するとメーター内に隣接車線が表示されます。そして、前述したミリ波レーダーなどで隣接車線がクリアと判断するとレーンチェンジ可能という表示になり、ここでウインカーレバーを車線変更したい方向に操作すると、車両が自動的に車線変更を始めます。これがアクティブレーンチェンジです。
何回か異なるシチュエーションで試してみましたが、とにかく車線変更とそれに伴う加速が見事。ステアリング操作が適切で車体が振られることもありませんから、クルマに酔いやすい乗員にもやさしい運転です。とくに感心したのは大きな右コーナーを曲がりながら左に車線変更させたときで、ラインの乱れもなく、車体はピシッと落ち着いたまま。
アイサイトの開発エンジニア氏にうかがったところ、こうした挙動はいわゆる上手い人の運転を分析、定量化して制御に落とし込むことで実現しているとのこと。理想のレーンチェンジとして若葉マークの人に体験してもらいたいと思うほど上手な運転でした。また、複数のセンサーで前後の様子を見ているので、無理な状況でウインカーレバーを操作してもキャンセルされますから、人間がうっかりミスで接触事故を起こしてしまうのを防いでくれるというわけです。
手放しはOKだけど、よそ見は禁止
さて、このようにアイサイトXが起動している状態で、渋滞(約50km/h以下)にハマるとメーター表示がブルーになり、渋滞時ハンズオフアシストが起動します。この際、とくにスイッチ操作をする必要はなく、シームレスにハンズオフ(手放し)運転が可能になる印象。その意味では、意識していないとステアリングに手を置いたままになってしまいますが、あえてハンズオフを推奨はしないというスタンスなのでしょう。
ここでの注意点は、しっかりと前を見ることです。はじめてのハンズオフ体験だったりすると、システムが機能しているのか気になり、ついついメーターがブルー表示になっているか(ハンズオフ条件が外れるとグリーン表示に戻る)確認したくなりますが、メーターを凝視していると、赤外線カメラによってドライバーが周辺監視をしていないと判断されてしまいます。
そうなるとステアリングを握るよう促され、それでもハンズオフを続けているとドライバー異常時対応システムが起動して強制停車してしまうことに…では、どうすればいいのでしょうか。ドライバーはクルマをただ信じて乗るしかないのでしょうか。
レヴォーグのダッシュボードにはアイサイトアシストモニターというLEDの色や光り方によってシステムの状態を示すインジゲーターがあり、前を見た状態で確認できるようフロントウインドウに映り込むようになっています。このインジゲーターでシステムの状態を把握すれば、よそ見をしているとは判断されず、ハンズオフ運転が持続できるのです。
というわけで、目線が前を向いていないだけでキャンセルされてしまうほどですから、アイサイトXのハンズオフ機能はかなり限定されたもので、日常的にはあまり役に立たないと感じるユーザーも多いかもしれません。それでも大渋滞に対応する運転アシストとしては有効なのは間違いない、そんなことが感じられた初試乗となりました。
文:山本晋也(自動車コミュニケータ・コラムニスト)
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青空駐車場の人は地味に、しかし確実に餌食になる。