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2019年、もっとも気になった3台はコレだ! Vol.2 大谷達也編

掲載 更新 25
2019年、もっとも気になった3台はコレだ! Vol.2 大谷達也編

HCCI (Homogeneous-Charge Compression Ignition:予混合圧縮着火)の技術を部分的にせよ量産車に用いた世界初のクルマ、マツダ3(SKYACTIV-X)を今年の日本車としてもっとも高く評価します。

HCCIを用いたガソリン・エンジンは、性能面ではガソリン・エンジンとディーゼル・エンジンのいいとこ取りをしていて、出力や排ガスのクリーン度はガソリン並みかそれ以上、燃費のよさやCO2排出量の少なさではディーゼル並みかそれ以上という夢のような代物。

2019年、もっとも気になった3台はコレだ! Vol.4 吉田由美編

ただし、それにはエンジン内の温度や圧力を超精密に制御しなければいけなくて、これが実現できないために世界中の自動車メーカーが挑戦しながら誰も商品化に漕ぎ着けることができませんでした。つまり、これまでは本当に“夢のエンジン”だったのです。

マツダはHCCIの原理を活用したSPCCI(Spark Controlled Compression Ignition:火花点火制御圧縮着火)という独自技術を開発。マツダ3の一部モデルに搭載しました。

正直、マツダ3にはまだ未完成の部分もあります。特に足まわりには改良の余地が目立ちます。でも、マツダは高い志をもって世界初の技術を作り上げました。私は、これこそ日本の自動車産業のあるべき姿だと考えます。つまり、誰にもできなかった技術を開発し、それで高付加価値な製品を作り上げてビジネスを成功させるという流れです。安物で勝負しようとしたら勝ち目はありません。

マツダの心意気をいい意味でマネする日本メーカーが登場することを願ってやみません。

ベスト・オブ・輸入車:ランボルギーニ・ウラカンEVOCharlie Magee今年もお陰様でほんとうにたくさんのクルマに試乗できました。しかも、いいクルマが多かった。国際試乗会で乗ったクルマでいえば、ポルシェ「911」はまさにポルシェらしい進化を遂げていたし、マクラーレン「720Sスパイダー」と「600LTスパイダー」はどちらもマクラーレンでなければ実現できない走りをオープンモータリングで楽しめる佳作。

ベントレー「フライングスパー」は、極上のラグジュアリーとスポーティなハンドリングを両立させていたほか、ポルシェ「タイカン」はEV時代になってもポルシェ・スピリットが生き続けられることを証明していました。

そしてフェラーリ「F8トリブート」。ああ、ウェットのサーキットを走ってこんなにも楽しいフェラーリ・ミッドシップスポーツが誕生するなんて、夢にも思っていませんでした。あと、後悔しきりなのがマクラーレン「GT」。日程がほかのお仕事とバッティングしていて試乗会に参加できませんでしたが、どうやらすこぶる仕上がりがよかった模様。あああ、悔しい!!!

というわけで今年も驚きの連続でしたが、ポルシェ、マクラーレン、ベントレー、フェラーリの実力を知る私にしてみれば、どれも「想定範囲内の驚き」といえなくもありません。でも、真の驚きだったのはランボルギーニ「ウラカンEVO」。

だって、自分には絶対にできないと思っていたパワー・ドリフト、つまりアクセルをぐいっと踏み込んだ状態のままドリフトを続ける走りがいとも簡単にできてしまったのですから、驚かずにはいられません。

しかもその制御が絶妙で、まさか機械の助けを借りてドリフトしているとは思わせないところがまた見事。サーキットを走るのが大好きな「コドモのオトナ」にはまたとないオモチャといえます。

2020年、再試乗したい1台:マクラーレンGTもう答えを先に言っちゃいましたが、乗りたくて、乗りたくて仕方なかったのに乗れなかったマクラーレンGTに是非、乗ってみたいですね。

私にとってマクラーレンとは、思いどおりに操れるスーパースポーツカーであると同時に、どこまでも走り続けたくなる快適性が大きな魅力のひとつ。だから、マクラーレンのなかでも飛びきり乗り心地がよくてエレガントなスタイリングが私好みの570GTが登場したときには、本当に自分の預金通帳とにらめっこして頭のなかで購入シミュレーションをしてしまいました。まあ、そんなことしなくても買えないことは明白なんですが……。

で、その570GTをしのぐ本気度でマクラーレンが作ったグランドツアラーが、その名も“GT”なわけです。もうそのものずばりで、グランドツーリングのために作られたマクラーレンがこのGTなわけです。

だから乗り心地に関してはとくにていねいに仕上げたようですし、ミドシップなのにゴルフバッグが積めるほどラゲッジスペースも余裕たっぷり。

それでいながら軽量でマクラーレンらしいハンドリングを実現しているというのですから、これは乗らずにはいられません。ミッドシップスポーツのアグレッシブさを少しだけ抑えめにしたスタイリングも私好みのど真ん中。

さて、そんなマクラーレンGTに乗れる日はいつやってくるのでしょうか? いまから待ち遠しくて仕方ありません!

文・大谷達也 写真・安井宏充(Weekend.)

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