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お高めの値段にナルホド! メルセデス・ベンツVクラス V 250dへ試乗 洗練の4気筒ディーゼル

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お高めの値段にナルホド! メルセデス・ベンツVクラス V 250dへ試乗 洗練の4気筒ディーゼル

先代ビアノがベースの3代目Vクラス

現行メルセデス・ベンツVクラスは、少々古い同社の先代ビアノ(2代目Vクラス)をベースにしている。とはいえ徹底的な改良が加えられ、ダッシュボードには大型モニター付きのインフォテインメント・システムも備わる。

【画像】お高めの値段にナルホド! メルセデス・ベンツVクラス レクサスLMとVWマルチバンも 全107枚

フロントグリルの中央には、大きなスリーポインテッド・スター。その両脇に2本のブレードが伸び、凛々しい表情を作っている。

英国仕様に載るエンジンは、2.1L 4気筒ターボディーゼル1択。先代譲りのユニットだが、パワーアップされており、V 220dの最高出力は162ps、最大トルクは38.6kg-mがうたわれる。試乗したV 250dでは、189psと44.7kg-mへ引き上げられる。

CO2の排出量と平均燃費は、V 220dで163g/kmと17.6km/L。V 250dでは、動力性能と引き換えに、166g/kmと15.9km/Lへ悪化する。

3代目Vクラスには通常ボディのほか、全長が245mm長くなるロングと、475mm長くなるエクストラロングという、3タイプが用意されている。シートレイアウトは、試乗車は2:2:3の7シーターだったが、後者は8シーターへ増える。

また2017年には、キャンピングカー仕様のマルコポーロも投入された。フォルクスワーゲン・カリフォルニアの上級なライバルとして、多様なライフスタイルへ応えている。

充実装備でラグジュアリーなインテリア

英国仕様のトリムグレードは、スポーツとAMGラインの2段階。前者にはカーナビやパーキングセンサーの他、バックカメラとパワーテールゲート、LEDヘッドライト、17インチ・ホイールなどが組まれる。

AMGラインがフラッグシップで、アルミホイールは19インチへ拡大。内装トリムにカーボンファイバーが用いられ、スポーティなボディキットで見た目が飾られる。

マルコポーロにも、同様のトリムグレードが設定される。スポーツでは、ソファーベッドに3ゾーンエアコン、ポップアップルーフ、ヨットウッド・フローリング、回転式フロントシートなどが与えられる。冷蔵庫やガスコンロが付く、簡易キッチンも装備する。

AMGラインになると、クロームメッキ・トリムが増え、スポーツサスペンションで足元が引き締まる。キャンピングカーでも。

インテリアの質感は、明らかにラグジュアリー。スイッチ類はソリッドで、高級感のあるインフォテインメント用スクローラーは、Sクラス譲りとのこと。だが、内装パネルの一部は指で強めに押すときしみ、走行時にはカタカタと振動音を伴う部分もあった。

ドライビングポジションは高めで、フロントピラーが若干太い印象だが、前方の視認性は優秀。後方視界は、ずらりと並ぶシートの影響で良くはないものの、センサーとカメラがバックを助けてくれる。

スポーツ・グレードの場合、インフォテインメント用タッチモニターは7.0インチ。グラフィックは見やすく、3層構造のメニューはわかりやすい。

驚くほど洗練された4気筒ディーゼル

2列目シートの空間は広々。個別にスライドできるだけでなく、大きく前方へ倒し、3列目への乗降性を高めることもできる。その3列目も広く、大人7名で移動するのに不満ない空間は備わるが、シート形状はフラットで、横方向のサポート性は良くない。

荷室は、7名での移動へシートの位置を最適化すると狭いものの、前方へずらせば広くできる。最前列以外、2列目と3列目のシート5脚は、取り外して降ろすことも可能だ。かなり重たく、かさばるけれど。

4気筒ディーゼル・ターボエンジンは、冷間時にややウルサイが、走行時は驚くほど洗練されている。静かに回り、振動も殆ど生じない。トルクが太く、高回転域へ引っ張る必要性も高くない。

7速デュアルクラッチATとのマッチングも良好。滑らかに次のギアを選び、適切なキックダウンで不満ない加速を引き出せる。

ステアリングホイールの重み付けは一貫しており、反応は正確。ただし、大きなワンボックスらしく、手のひらへ路面の感触は殆ど伝わってこない。

乗り心地は、メルセデス・ベンツの期待値に届いていない。控えめな17インチ・ホイールを履いていても、速度抑止用のスピードバンプや古い舗装では若干の不安定感が表出してしまう。

価格を納得させるこのクラスでの訴求力

7名での移動が必要条件なら、ひと回り小柄なモデルと比較してみてはいかがだろう。より経済的だし、操縦性にも優れていると感じるだろう。

実用性を重視するなら、英国にはフォード・トルネオ・カスタムも存在する。見た目に特別感は薄く、標準装備では劣るけれど。

とはいえ、このクラスの上級モデルをお考えなら、Vクラスは訴求力が高い。インテリアは高水準で、装備は充実し、ディーゼルターボの燃費も褒められる。価格はフォルクスワーゲン・マルチバンよりお高めでも、なるほどと、それを納得させる内容を持つ。

ただし、キャンピングカーをお考えなら、フォルクスワーゲン・カリフォルニアと比較する価値はある。高級感ではVクラスが確かに優れるものの、同等に車中泊は楽しめるし、英国価格は約1万3000ポンド(246万円)も異なるためだ。

執筆:ロリー・ホワイト

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みんなのコメント

3件
  • mak********
    ゴージャスで至福感があるのは認めるけど、確かFRだよね。冬のレジャーには使えない。セダン系なら後ろが重いからソコソコ進めるけど。バンでFRは荷室に200kg積まないと走れなさ過ぎて泣くよ。FFだとこれまた荷物積むとトラクションかからないし、バンの二輪駆動は予想以上に冬は使えないシーンが多いです。
  • ori********
    日本のミニバンを基準に購入すると痛い目に遭う取り繕い商用車。スリーポインテッドスターを付けたハイエースみたいなもの。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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