PCを直接繋いでアップデート
(翻訳者注:この記事は英国で行われたセキュリティ・アップデートの様子をお伝えするものです。地域や車種、仕様によってメーカーの対応が異なる場合があります)
【画像】トランク広っ…! 実用的な大型高級SUV【ランドローバー・ディフェンダー130を写真で見る】 全24枚
ある朝、英国編集部で長期レンタル中のランドローバー・ディフェンダー130で「アップデート」や「リコール」などと表現されるものを実施することになった。数本の電話と「あと30分で到着します」というメールの後、親切な男性がやってきた。
ほとんどのアップデートは無線(OTA)で行われるが、今回は違う。セキュリティ強化のため、運転席の足元にある16ピンのソケットに診断用PCを接続しなければならない。このアップデートは、盗難被害を防ぐため、車両がロックされているときは「CANバス(車載通信プロトコル)」を無効にするものだ。
作業担当者のゲイリー氏によれば、盗難はランドローバーに限った問題ではなく、すべての高級車メーカーの問題であり、このようなアップデート/リコール/その他の対応は、ますます巧妙化する犯罪者とのいたちごっこの一部に過ぎないとのことだ。
制裁措置によりロシアでは正式に販売できないため、盗難車の多くはロシアに行き着くのかと思ったが(一部の不謹慎な近隣諸国では、不思議なことに予想外の販売台数増を記録している)、UAEが典型的な行き先だと聞いている。
トラブルなく10分で完了
このディフェンダーの補強作業は午前8時25分に始まり、窓がちゃんと動くことを2、3回確認した後、午前8時35分までにすべて完了した。アップデートでは時折、いくつかの補助システムが混乱し、何度か再起動が必要になるが、今回はすべて順調だ。
作業中、ランドローバーのリモート・アプリ(保険加入条件としてダウンロードしなければならなかった)を使って、うっかりキーを車内に忘れてしまった場合(例えば給油中)にロックしないようにとのアドバイスも受けた。アプリではロックを解除できないし、キーは車内にある。その通りだ。
とにかく、到着してから10分後にゲイリー氏は帰っていき、ディフェンダーは筆者にとっては以前と変わらない感じがするが、より安全になった。めでたし、めでたし。
実は、もっと待たされるかもしれないと思ったので、アップデートが行われている間に車内を片付けたりしていた。
編集部の同僚が急に使うことになるかもしれないし、大事な人を不潔なクルマに乗せるのは賢明なことではない。とはいえ、今回借りているディフェンダー130アウトバウンドはかなりラフな使い方を想定した冒険仕様なので、できるだけそのように使おうとして、あえて干し草や馬の餌でトランクを汚すことにしたのだ。
高価だが実用的な1台
筆者は、ブラシとホースで洗えるゴム製マットを手前に引き寄せ、清掃作業に取り掛かった。このマットには小さなフラップも付いていて、傷のつきそうなものをトランクに積み込むときにバンパーを保護したり、あるいは長靴を履き替えるためにトランクの縁に座るときにバンパーの汚れから身を守ったりと、いろいろな役割がある。運転席と助手席、後部座席の足元にも同様に実用的なマットが敷かれている。
ちなみに、トランクの縁には、停車中に車高を下げたり上げたりできるボタンがある。これは大変便利な代物だ。ドアには小さな収納スペースもあり、安全ベストや掃除用具、手袋、犬のリードなどを入れておくのに使える。
JLR(ジャガー・ランドローバー)は最近、自分たちのことをラグジュアリーなデザイン会社だと思っているかもしれないが、このようなクルマでまだ実用性を考えているデザイナーやエンジニアには敬意を表したい。確かに高価なSUVだが、それでも非常に便利なクルマだ。
筆者はまだこのディフェンダー130でトレーラーなどを牽引したことがない。電動で展開する牽引フックがあり、収納時はまったく目立たない。だが、以前にも同様の牽引フックで荷物を引っ張ったことがあるから、その凄さは知っている。あとで試してみる理由を考えておこう。
掃除を終え、きれいに整理整頓され、安全性が高まったという、実用的で快適なクルマの運転席に戻る。そして、これまでと同じように簡単に生活に溶け込んでいく。
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