BTCCイギリス・ツーリングカー選手権でかつてはホンダ系ファクトリーチームとして活躍し、シリーズを牽引する強豪チームとして知られるチーム・ダイナミクスが、2022年体制をアナウンス。2021年にBTCC復帰を果たした“フラッシュ”ことゴードン・シェドンと、在籍2年目となるダニエル・ロウボトムの残留を発表し、共通ハイブリッド機構導入の新時代に体制維持で臨むことを発表した。
また、こちらもシリーズ復帰組となった2021年はパワー・マックス・レーシングに所属し、ファクトリー車両のヴォクスホール・アストラBTCCをドライブしたダン・ロイドは、新シーズンに向け心機一転。新興チームのエクセラー8に移籍し、トム・イングラムの僚友としてヒュンダイi30ファストバックN パフォーマンスのステアリングを握ることが決まった。
王者を迎え“NAPAレーシングUK”として参戦のモーターベースが2022年仕様フォード・フォーカスSTを披露/BTCC
WTCR世界ツーリングカー・カップでのアウディスポーツとの挑戦を経て、昨季3年ぶりに地元シリーズ復帰を果たしたシェドンは、シーズン前半戦こそアクシデントやトラブルに見舞われ感覚を取り戻すのに苦心したものの、後半のドニントンパークで週末“ダブルウイン”を飾ると、ふたたび表彰台のトップを争う主要コンテンダーに返り咲いた。
その2021年開幕を前に、ホンダUKの決断により2004年シーズン以来続いてきたアライアンスが解消され、ファクトリーチームの待遇を失ったチーム・ダイナミクスだが、その黄金時代をともに築き上げてきた絶対的エースとともに、新生ハイブリッド時代初年度にタイトルの栄誉を勝ち獲ることを狙っている。
「この決定は僕にとって本当に大きい。昨年の復帰初年度も当然チャンピオンシップ獲得を狙って走ったが、幸運は僕を味方してはくれなかった。素晴らしいクルマを手にしていたけど、それを充分に活かし切れなかったんだ」と語った42歳のシェドン。
「クルーたちはこのオフシーズンも精力的な仕事で競争力あるクルマを仕上げてくれている。僕らはその努力を背に、トラック上で彼らの思いに応え、返済する必要があるんだ。途方もない記録に匹敵する4度目のタイトルを獲得するため、僕の内なる精神とすべての命を燃やすつもりだ! 最後のレースがずっと昔のように感じるし、ふたたびシートに戻るのが待ち切れない気分だね」
一方、移籍初年度にBTCCキャリア初勝利を挙げた複数年契約のロウボトムも、インディペンデント系タイトルであるジャック・シアーズ・トロフィーを獲得した昨季を上回る活躍を誓った。
■3台目のシビック・タイプR投入についても検討
「僕は最初から『速いクルマが欲しい。ドライブできることを証明してみせるから』と言い続けてきた。2021年は間違いなくすべての懐疑論者が間違っていることを証明し、本当にレースができることをみんなに示せたと思う」とロウボトム。
「2022年は正規のドライバーズチャンピオンシップに勝つため、最大の焦点を当てる必要があるし、それこそが僕の唯一の目標だよ」
昨季のロウボトム加入により、新たにチームのタイトルパートナーに加わった油脂類ブランドの名も残り、引き続きハルフォズ・ユアサ・ウィズ・カタクリーンとして参戦するチーム・ダイナミクスは、新たに入手したTOCA BTCCライセンス(参戦枠)を活用し、3台目のFK8ホンダ・シビック・タイプR投入についても検討を重ねているという。
「彼らはグリッド上でも最高のドライバー・ペアリングであり、2022年に向けて確実に保持したかったんだ」と語るのは、かつてシェドンと組んで黄金時代を支えた現チームプリンシパルのマット・ニール。
「3台目の参戦枠は現在僕らの手中にあり、今もそのポジションは空いている状態だから、今後どうなるか見てみよう。エンジニアたちは昨シーズン終了と同時に、この新しいハイブリッド時代に向けて2台の新車を作るべく精力的に取り組んできた。2022年はすべてのタイトルを獲得するため、本気の攻勢を掛けるつもりだ!」
一方、TCRインターナショナル・シリーズ創設から同規定車両の“BoPテスター”も務め、初代TCR UKチャンピオンにも輝いたロイドは、3年目のフルシーズンを迎えるヒュンダイ陣営に加入することをアナウンスした。
「2022年に向け、エクセラー8移籍を発表できてとてもうれしく思う。僕は何年もBTCCに関わってきたが、意外なことに昨季がフルシーズンを通して自分の可能性を最大限に発揮する最初の機会だったんだ。おそらく、トラックの内外でもっとも成功したシーズンのひとつになった」と、終盤3戦で4度の表彰台を記録した29歳のロイド。
「新シーズンの主な目標は、より一貫性のあるフロントランナーになることで、エクセラー8にはそれを達成するための完全なパッケージがあると感じている。チームから多くを学び、できるだけ早くトラックの結果に反映させたいと思っている。新しいクルマに慣れながら、トム(・イングラム)の経験に頼ることができるのは素晴らしいことだね」
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