パフォーマンスを高めたCVT仕様もラインアップ!
トヨタカスタマイジング&ディベロップメントは、コンパクトカー「ヤリス」がベースの競技モデル「ヤリス・カップカー」を12月11日に発表・発売した。架装メーカー希望小売価格(税込み)は、6速MTが217万1100円(220万800円)、CVTが238万100円(240万9800円)。※( )内は北海道地区価格
【今さら聞けない】レースをやってみたい……どうやれば出られるの?
ヤリス・カップカーは、2021年に開催予定となっている「TOYOTA GAZOO Racing Yaris Cup」に参戦するための車両として開発されたコンプリートカー。同じくワンメイクレースベース車としてラインアップされているトヨタ・ヴィッツならびに86の“Racing”シリーズのコンセプトはそのままに、レース参戦に必要なロールケージといった高額な必要装備をパッケージ化しているモデルだ。なお、ユーザーの好みがさまざまなシートやホイールは交換前提の廉価仕様としたことで、価格を抑えている点も嬉しい限り。
ロールケージは、6点式+サイドバー仕様。専用設計でインパネは非貫通タイプとなる。乗車定員は5名と変更がないのも実用的だ。JAF 国内競技車両規則「スピードB」および「スピードSA」に適合。この規則の求める最小パイプ径(Φ35mm)を上まわるΦ40mmとしており、安全性確保に貢献する。
先代モデルとなるヴィッツGR SPORT “Racing”Packageから設定されているCVT車両は、ヤリス・カップカーではさらなるパフォーマンスアップを実現している。開発時は2ペダルドライブによる強みによって、6速MT仕様に迫る実力を発揮した。
ベースモデルがパフォーマンスアップしたことに伴い、CVTとMTの両方に、それぞれに最適化したエンジンオイルクーラーを採用している。CVT車にはフロントバンパー内に15段コアの空冷式を搭載し、油温に厳しい2ペダル車でも安定した冷却性能を確保する。対して6速MT車には、コンパクトな水冷式が与えられている。
サスペンションは、歴代のRacingシリーズ初のリヤ側減衰調整機構を備えた専用チューニングサスペンションをセット。全14段から好みのセッティングを導き出すことが可能だ。なお、TRDの推奨段数は8となる。ショックアブソーバーは純正形状としながら、内部構造やオイルなどを見直した専用セッティング。スプリングは走行状態で約15mmローダウンとなる仕様だ。
そのほか、サベルト社製シートベルトは従来の4点式から点式に変更したことで、より高いホールド性を確保。車両には運転席にのみ、納車時点で取付用アンカーが装着される。また、サーキット走行時に必要な前後の牽引ブラケットも装備。フロントは万が一の衝突時でもダメージが少ないストラップタイプ、リヤは専用設計で頑強なフックタイプとなっている。専用フロアマットはロールバーを避けるようにデザインされた専用品。サーキットへの移動時に重宝すること間違いなしだ。
また、オプションとしてドライバーの操作情報のほか、車速やエンジン回転数、加速度などの各種センサー値、GPSセンサーからの位置情報などをSDカードに記録するTOYOTA GAZOO Racing Recorderをオプション設定している。さらなるドライビングスキル向上に役立てることが可能である。
なお、この車両は専用ベース車両をトヨタカスタマイジング&ディベロップメントがレース専用装備を架装する、完成車両(持込登録)となる。保証は、車両がユーザーに引き渡された日から1年間。ただし、期間内でも走行距離2万kが上限となる。なお、レースやラリーなどの過酷な走行やエンジンの過回転、過積載などに起因する不具合は保証されない(レース、ラリーなどへの使用以降は保証が消滅)。
GRヤリスが注目されているが、このカップカーは1.5リッター直3NAエンジンがベース。手軽にモータースポーツを楽しみたいひと、ドラテクを安全にマスターして走りを満喫したいひとにオススメの1台と言えるだろう。
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