もくじ
ー 最速の8シリーズではない
ー 8シリーズにどう磨きをかけたのか?
ー スポーツカーでもGTでもある
ー 洗練技術の統合
ー M850i 初期インプレッション
ー ライバルよりも深い懐
『BMW M850i xDriveクーペ・プロトタイプ』すべての画像をみる
最速の8シリーズではない
今年末には、新型BMW 8シリーズが生産され始め、M850i xDrive クーペにはパワフルなツインターボV8エンジンが搭載される予定だ。
エンジンは4.4ℓで500ps以上を発生し、そのパワーは四輪で地面に伝えられる。乗ればこの数字が示す通りの加速が味わえ、俊敏で筋骨隆々なクルマだとわかるだろう。
今回は北ウェールズのきれいな道路で8シリーズの試作車に数時間試乗したが、最も注目すべきは、このクルマは最速バージョンの8シリーズではないということだ。最速の称号はM8に与えられるのだから。
M8がいつ発売されパワーはどれくらいなのか、われわれにはまだわからないが、600psのM5より速く、ポテンシャルが高いのは間違いない。
M8はまさにBMWラインナップの頂点に君臨するだろう。では今目の前にあるカモフラージュされたM850iの試作車はどういう存在か?
「このクルマは、今までのMパフォーマンス・モデルの中で最もMモデルに近いクルマです」8シリーズ・ラインディレクターのマーカス・フラシュは語る。これにはわたしも同意見だと思った。
BMWは8シリーズにどうやって磨きをかけたのか?
8シリーズの開発期間後半で、BMWはパワートレインとシャシーのエンジニアのチームを編成し、数台の8シリーズとともに英国に派遣した。
1週間以上かけて彼らは北ウェールズを走り回り、シャシー・チューニング、エンジンとギアボックスのキャリブレーションを煮詰めていた。
「英国は8シリーズにとって重要な市場です」ダイナミクス・エンジニアのジョス・ヴァン・アスは言う。「英国の道の中にはかなり狭いものも多く、中には車幅より多少広い程度の場所もあります。ですからかなり正確なステアリング性能が求められるのです」
「さらに、路面はバンピーで、とてもうねっており、シャシーがうまく対応できるようにしておかなくてはなりません」オランダ人のヴァン・アスはM850iが走る道の選定に責任を負っている。
うれしいことに、彼のカーガイとしての資質は申し分ない。大学時代にはアウトビアンキ・アバルトでラリーをしていたし、現在はアリエル・アトムを所有している。
アトムは乗り心地とハンドリングを改善すべく、かなり手が加えられているそうだ。E30世代の325eも所有していて、テールハッピーなハンドリング特性を語る彼の笑顔は学生のようだった。
スポーツカーでもGTでもある
新型8シリーズは彼いわく、スポーツカーかつグランドツアラーだ。サイズ的にはポルシェ911とメルセデス-AMG S63クーペの間に収まる。興味深いことにここ数年メイン不在のクラスだ。
8シリーズは粋な2ドアのボディを持つが、この点で7シリーズとは少々異なる。マルチリンクのリアサスペンションは、より小さい5シリーズと共通だし、エアサスではなくコイルを用いている。それに、すでに発表された6シリーズよりも、全長、ホイールベースともに短い。幅は少し広い。
乗り込んでも着座位置はスポーツカーにより近い。だが、ヴァン・アスは6シリーズの直接の代替とは考えて欲しくないようだ。
ではM850iはスポーツカーでもGTでもあるという主張の真偽はどうだろう?
われわれは自動車会社のマーケティング部門がでたらめなことを言うのにはすでに耐性ができているが、もううんざりだ。
とはいえ、率直な物言いのエンジニアからの言葉だと思うと、そろそろ姿勢を正して聞くべきなのかもしれない。
M850iには有能なコントロール・システムと、最先端のシャシー技術が投入されており、BMWで最もインテリジェントなクルマだと言える。アダプティブダンパーはもちろんのこと、後輪操舵システムや後輪に電子LSD、四輪駆動システムも搭載している。これらはどこにパワーが必要かを瞬時に判断し、分配する。
洗練技術の統合
絶対に一般化はしない技術であろうアクティブ・アンチロールバーも搭載されている。リアルタイムに前後どちらでもロールを抑え込むことができ、クルマの俊敏性と安定性が向上する。
これはまさに長距離での快適性と、田舎道での敏捷性を両立するためのものだ。このようなさまざまなコントロールシステムを用いて初めて、BMWはある時には包み込むような繊細な、ある時にはシャープでレスポンスの良い乗り心地を実現できる。
クルマ作りにおいて、洗練された部品を単にボルトで止めていけばいいというわけではない。何よりM850iはそれらの統合を体現するクルマなのだ。すべてのシステムがお互いの性能を引き出しあい、ひとつの目的のために協調して働かなくてはいけない。
そして、ヴァン・アスのチームが最も誇りに思っているのは、その統合が淀みなく行われることだ。
実際、新型8シリーズにはBMWのエンジニア達のプライドがかかっており、ヴァン・アスはもちろん、チームの皆が、自分たちにできる限界を世界に見せつけようとしているのだ。
M850i 初期インプレッション
開発途中のクルマを壮観なB4501号線できる限り速く試乗したが、彼らの見せつけた限界は驚くべきものであった。
まだ少しチューニングやリファインが必要な部分もあるが、すでにM850iは念入りに煮詰められているようだ。ライド・クオリティはとても高く、道路の荒い継ぎ目を超えるときでも、柔軟さと落ち着きのバランスが際立っている。
実を言うと、コンフォート・サスペンションモードでもコントロール性と精密性は十分で、ハイスピードでスノードニアのワインディングロードを駆け抜けることができ、しかも楽しい体験だった。
しかしスポーツ+に切り替えると、よりタイトなコントロール性とさらにシャープなレスポンスを味わえる。それに、ダンパーが最も硬いモードでも、サーキットだけでなく一般道での使用も想定されているので、絶望的なほど硬いということはないのも良い。
ライバルよりも深い懐
ブレーキペダルは、現段階では不必要なほどシャープで、電動パワーステアリングも最も直感的とはいかないが、少なくとも道路上の思い通りのラインに乗せていくことはできる。
一方、4WDシステムは完璧だ。一般道の速度帯では、M850iが四輪駆動だと気づかないかもしれない。究極のトラクションを持った後輪駆動のクルマのように感じることだろう。530psのV8はあまりにも強力で、不愉快なほどの爆音を出すことはないが、サウンドは決然としている。
それでも、依然として911の方がシャープで魅力があり、S63クーペの方がはっきり言ってラグジュアリーである。
しかし、M850iの方がどちらのクルマよりも大きなキャパシティを持っていることがわかる。Mディビジョンが、その世代でいちばんのクオリティのクルマを作ることなく、M8について最大の努力をしていないなら、M850iがM8を打ち負かしてしまうこともあり得る、と思った。
製品版の試乗も今から楽しみだ。
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