内外装はよりタフで機能的に!
東京モーターショー2019で「ハスラーコンセプト」として、一般来場者も車内に乗り込める形で出品され大きな注目を集めていた、スズキの新型2代目「ハスラー」が、クリスマスイブの2019年12月24日、ついに正式発表された!
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発表会で鈴木敏宏社長は、「6年前の今日、初代ハスラーを発表しました。東京モーターショーではタフさ、扱いやすさ、力強さを進化させたハスラーコンセプトを出品。たくさんの期待の声をいただきました。そして、期待に応えられる新型ハスラーを今日発表しました。当社は来年創立100周年を迎えます。織機の製造、二輪・四輪・セニアカー・船外機など日々の生活に必要なものを提供。この100年で生活は大きく変わりスズキも大きく変わりました。キラリと光るものづくりの企業として、誠心誠意ワクワクをご提供できるスズキであり続けたいです」とコメントした。
同じように東京モーターショー2013でプロトタイプが参考出品され、ちょうど6年前の2013年12月24日に市販モデルが正式発表された初代ハスラーは、先代五代目ワゴンRをベースとしたボクシーな背高ワゴンのパッケージに、丸みを帯びたレトロモダンなデザイン、SUVの使い勝手と悪路走破性と兼ね備えた、軽クロスオーバーカーとして大ヒット。今ではスペーシアとワゴンRに次ぐ、スズキの軽自動車における屋台骨に成長している。
新型ハスラーは、その初代のキャラクターを色濃く受け継きながら、よりタフで機能的なものへと進化。
エクステリアではサイドビューの変化が大きく、全てのピラーがボディ色になるとともに、サイドウィンドウ自体の形状もよりスクエアなものに。そしてルーフ後端およびバックドアの傾斜が抑えられ、リヤクォーターウィンドウが新設された。とくに2トーンボディカラーでは、この新設されたリヤクォーターウィンドウを強調する逆L字型に塗り分けられるため、その違いがハッキリと見て取れるだろう。
そしてインテリア、なかでもインパネは、初代ハスラーとの共通点を見出すのが難しいほど大きく生まれ変わっている。メーターパネルとオーディオスペース、助手席側のインパネアッパーボックスの外周には着色樹脂の三連フレームを装着し、新型ハスラーのタフさと機能性を強調。なお、この三連フレームはバーミリオンオレンジ、デニムブルー、グレイッシュホワイトの3色が用意されており、ボディカラーに応じてある程度自由に選べるようになっているため、遊び心を表現するアイテムとしても有効だ。
機能面も進化している。メーターは4.2インチカラー液晶となり、ナビは9インチモニターサイズまで装着可能に。センターコンソールには500mlの紙パックやハンドバッグが置けるようになった。また、後席背もたれにスライド用ストラップが備わり、ラゲッジアンダーフロアには着脱可能で丸洗いしやすいボックスが設けられたことで、とくにアウトドア(スポーツ)に出掛ける際の荷室の使い勝手が大幅にアップしている。
そして、前述のボディ形状変更に加え、全高が15mmアップしたことで、前後席ともヘッドクリアランスが拡大。ホイールベースの35mm延長はそのままタンデムディスタンスの拡大に充てられている。同時に前後オーバーハングが縮小されたため、アプローチアングルは初代比+1°の29°、デパーチャーアングルは同+4°の50°となった。
プラットフォームは「ハーテクト」に一新
こうしたデザインや機能面以上に進化しているのは、走りのメカニズムだろう。初代ハスラーは、スズキのFF車系軽自動車では最後の旧世代プラットフォーム採用車だったのだが、これがようやく新世代の「ハーテクト」に一新された。だがそれだけには留まらず、各ピラーとクロスメンバーをつなぎ合わせる環状骨格構造としたほか、構造用接着剤をスズキで初めて、高減衰マスチックシーラーを軽自動車で初めて採用。ボディ剛性を高め操縦安定性や乗り心地を向上させるとともに、不快な音や振動の発生を抑えているという。
パワートレインも、ターボエンジン以外は「ほぼ別物」とスズキ開発陣が豪語するほど、大幅に改良の手が加えられている。自然吸気エンジンは、スズキの軽自動車では初めてデュアルインジェクションシステムとクールドEGRを採用したR06D型に変更。ボア×ストローク比と圧縮比も変更されており、より広い範囲で熱効率を高めているとのこと。
またCVTは全車とも、新型スペーシアのものをベースとしながら、ベルトとトルクコンバーターを変更し、2ポートオイルポンプを新たに採用。全車に搭載されることとなったマイルドハイブリッドも、モーターの出力向上やバッテリーの充放電効率改善により、モーターアシストの領域が拡大されているようだ。そのほか4WD車には、発進時のエンジン出力を抑えるとともにブレーキ制御も併用する「スノーモード」が追加された。
予防安全システム「スズキセーフティサポート」も、「デュアルカメラブレーキサポート」が標識や夜間の歩行者も検知可能になるとともに、後退時衝突被害軽減ブレーキ機能が追加。ターボ車にはさらに、スズキの軽自動車では初めて、全車速追従アダプティブクルーズコントロール(ACC)と車線逸脱抑制機能を設定している。
あらゆる面で正常進化を果たした新型ハスラーは、2020年1月20日より販売が開始され、グレード構成および価格は別表の通り。車両本体価格が200万円を超える軽自動車が珍しくなくなっている昨今にあって、極めて安価な設定にされていると言えるだろう。初代に続く大ヒット作となる可能性は高い。
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