もくじ
ー 人気のなかった4代目
ー 憧れを手にする大人たち
ー 4代目トヨタ・スープラの中古車 購入時の注意点
ー 専門家の意見を聞いてみる
ー 知っておくべきこと
ー いくら払うべき?
ー 掘り出し物を発見
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人気のなかった4代目
先月、グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードで5代目トヨタ・スープラが姿を見せた。メインイベントのカーテンクルーザーにおいて、1年後に販売が開始される量産モデルのプロトタイプが登場し、観衆を湧かせたのだ。
今後予想されることは、間違いなく旧モデル、4代目スープラへの注目の高まり。このモデルは既に16年も前の、2002年に生産を終了している。しかも英国の場合は、1996年に販売を終了しており、販売されたのはわずかに500台。当時の人気は決して高いものではなかった。そして1996年以降、6年間を掛けて、トヨタは4代目スープラの販売終了を各国で決定していく。
4代目スープラが搭載する3ℓの直列6気筒エンジンは、柔軟性とレスポンスを高めるために、2基のシーケンシャル・ターボを搭載している。英国仕様のスープラの場合、強化されたターボのおかげで330psと44.8kg-mを発生しており、日本仕様よりも約50psと1kg-m強力だった。しかし日本仕様の場合でも、小さく軽量なターボのおかげで、ブースト圧が高まるのが速く、速度差はあまり感じないはず。
トランスミッションは6速マニュアルか4速ATで、後輪を駆動。特徴的なデザインの17インチ・アルミホイールに、大径のブレーキ、追加されたトランスミッション・フルード・クーラーと、アクティブ・リアスポイラーが英国仕様のスタイリングを決めていた。
当時のオーナーは、決して多くはないものの、ポルシェキラーとして、スープラを楽しんでいたに違いない。
憧れを手にする大人たち
スープラは、自然吸気エンジンに5速マニュアルを搭載したモデルや、エアロトップと呼ばれる取り外しが可能なルーフを持ったモデル、アエロボディキットなど、様々なモデルバリエーションとオプションを揃えていた。
ちなみに、正規の英国仕様車と、日本からの並行輸入車を見分ける点がある。英国仕様の場合、ボンネットにはエアベント、ヘッドライトにはウォッシャーとワイパーが付いており、ブレーキディスクも大型のものとなっている。
また、日本仕様と同様だが、内装はレザー張りで、パワーウインドウやアンチロックブレーキシステム(ABS)に加えて、冴えないトラクションコントロールも標準装備となっている。
モデルライフでの目立った変更点は、1998年に行われたバリアブル・バルブタイミング&インジェクション(VVT-i)の採用と、自然吸気モデルのSZ-Rが、ターボ車と同じ6速マニュアルを搭載したことだろう。
今日、4代目スープラは、40代前後のクルマ好きから注目を受け始めている。英国で最も人気が高いのは、ターボのマニュアル車。実際、程度の良いクルマにはかなりの高値が付いている。ショールームに飾られるようなクルマにチューニングを施し、最高出力が1000psを超えるクルマもあるようだ。
来年、5代目スープラが登場する前の、今年こそ、4代目スープラを妥当な価格で手に入れることができる、絶好の機会だといえる。
4代目トヨタ・スープラの中古車 購入時の注意点
エンジン
始動時や、アイドリング時の空ぶかしで白煙が出る場合は、バルブシールの劣化が疑われる。白煙が収まらない場合は、ピストンリングに問題がある。4000rpmから聞こえる、ターボの音を確認することも大切。ブースト圧の上昇はスムーズであるべきで、タービンの音も甲高いホイッスルのようなものが正常。タイミングベルトは8万km毎で、エンジンオイルは1万kmごとに交換してあると安心。
トランスミッション
クラッチの動作を確認する。クラッチを交換する場合、フライホイールも一緒に交換を行う。不具合がある場合、ジャダー(振動)と異音を発する。6速マニュアルは非常に堅牢。5速マニュアルは、シンクロに不具合を起こす場合がある。4速ATの場合、1速と2速の変速ショックが大きい場合がある。デフギアも丈夫だが、1速からリバースに入れた場合に、振動が出る場合がある。走行中の異音にも注意。
サスペンションとブレーキ
主要な部品は丈夫だが、ブッシュ類やダンパーは消耗品。アフターマーケット製のサーキット向けサスペンションキットは、ハンドリングは引き締まるが、乗り心地が犠牲になってしまう。
100km/hくらいからブレーキを強く踏んで初期制動を、その後軽く踏んで、ブレーキディスクの状態を確認する。1994年以降の強化ピストンを搭載したブレーキは、ディスクとパッドの摩耗が激しい。大きすぎる社外ホイールは、ハブベアリングやサスペンションへ負荷が余計にかかる。タイヤの内側の偏摩耗は発生しがち。
インテリア
エアコンやパワーウィンドウなどすべての装備を確認する。ABSの警告灯は、正常なら始動時に短時間のみ点灯する。
専門家の意見を聞いてみる
マット・フランクリン(トリスタン・ロングデン(トルクGT代表))
「4代目スープラの需要は高く、1カ月毎に価格が上昇いている状況です。購入するのは、少年の頃にポスターを貼って憧れていた40歳代。子供の頃のノスタルジーを懐き、大人になってお金を使えるようになったひとですね」
「エンジンに心配はいりません。調子のいいスープラは、永遠に走っていられそうに感じられます。英国仕様のクルマは数も少なく、価格はかなり強気。最も手に届きやすいスープラは、自然吸気のAT車ですが、それでも価格は上昇中です」
「ターボ搭載車でも、ATなら、マニュアルよりもだいたい30%程は安価です。あまり評価はされていないようですが、スポーツカーというより、グランドツアラーの雰囲気が強いスープラには、ATも似合っていると、わたしは思います。壊れにくいですしね」
知っておくべきこと
もしツインターボに手が届かなくても、自然吸気モデルにシングルターボを取り付けることはそれほど難しくない。5速マニュアルは充分頑丈だが、クラッチは強化したほうが無難。ATも400psくらいまでなら許容範囲。チューニングショップに相談してみると良いだろう。
いくら払うべき?
4500~5500ポンド(65万~80万円)
最も安価なクルマの価格帯。自然吸気で過走行車。オリジナルではなく、かなり手が加えられている場合が多い。
7000~8995ポンド(100万~129万円)
妥当な状態の自然吸気モデル。サービス履歴も揃い、走行距離もほどほど。
9000~1万2500ポンド(130万~180万円)
殆どは状態の良い自然吸気のAT車。中にはターボ車や、自然吸気のマニュアルもある。
1万5500ポンド以上(233万以上)
ターボ車でマニュアルの程度の良いモデルが見つかる。われわれが英国で見た限り、最も高いクルマは2万2000ポンド(316万円)だった。
掘り出し物を発見
トヨタ・スープラSZ AT
1994年後期 10万2000km 7000ポンド(100万円)
悪くはなさそうだ。ターボのマニュアルではないけれど、その分価格も手頃。2006年から14回の整備を受けており、整備記録も確かで、シール類やガスケット、コイルスプリングとブレーキは最近交換してある。車検も長いようだ。
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