この記事をまとめると
■アルファード/ヴェルファイアが日本向けサイズでフルモデルチェンジ
新型アルファード&ヴェルファイアがついに発表された! 価格は「472万~892万円」で「PHEV」も遅れて登場予定
■アルファードの2.5リッターガソリンエンジン車は540万円から
■ヴァルファイアは2.4リッターターボを設定しボディ補強も施されたスポーティな味付け
オラ感はそのままのキープコンセプトなフルモデルチェンジ
いまやトヨタの最高級乗用車として市場の支持を集めているLLクラスミニバン「アルファード/ヴェルファイア」がフルモデルチェンジを果たした。威風堂々としたスタイリングの迫力は従来以上だが、全長は5000mm、全幅1850mmというサイズに収めるなど日本市場での使い勝手を考慮したことは明らかだ。
スタイリングの開発キーワードは「Forceful×IMPACT LUXURY」というもの。具体的にモチーフとしたのは闘牛の躍動で、突進するようなフロント表現が印象的。テクニカルにいえば、エンブレムがもっとも先端になるような逆スラントのシルエットとしているのがポイントだ。サイドからシルエットを見ると、顎を引いていままさに突進しようというものになっている。大胆なキャラクターラインは踏ん張った足を表現したもので、新型アルファード/ヴェルファイアはまさに闘牛がそのままミニバンになったようなシルエットといえる。
サイドからの眺めでいえば、スライドドアの前方にトライアングル形状のアクセントが確認できる。これは歴代アルファードの伝統といえる斜めのBピラーデザインを進化させたもの。従来モデルより前傾を強くしつつ、運転席や2列目からの視界を確保するために生まれたデザインとなっている。
アルファードとヴェルファイアの外観における違いは、フロントマスクに集中している。ショーファードリブンにも使われるアルファードは大きなグリルにメッキをアクセント的に配することで動きを感じさせるもの。
一方、ヴェルファイアはブラックメッキのフロントグリルとすることで低重心かつ走りの良さを表現している。
プラットフォームはクロスオーバーSUVモデルでおなじみのTNGA(GA-K)を採用。とはいえ、リヤのダブルウイッシュボーンサスペンションは従来モデルで実績あるものをベースに設計したという。これにより2列目シートのロングスライド機能などシートアレンジを充実させている。最新のTNGAをミニバン向けに最適化したアーキテクチャを採用していると理解できる。
アルファードとヴェルファイアで明確にキャラクターを分けた
フロントグリル奥に置かれたパワートレインは、上級グレードは2.5リッターエンジンのシリーズパラレルハイブリッドで、FWDとリヤモーター駆動の電動4WDが用意されるのは両モデルに共通しているもの。ただし、ガソリンエンジン車についてはまったく異なるものとなっている。アルファードは最高出力134kWの2.5リッターエンジンとなっているのに対して、ヴェルファイアは最高出力205kWを誇る2.4リッターターボを与えられている。エンジンに合わせてアルファードはCVT、ヴェルファイアは8速ATとトランスミッションも異なる。
こうしたパワートレインにおけるキャラクター設定の違いはシャシーにも影響しており、ヴェルファイアにはボディ補強パーツが追加されているほか、よりスポーティな味付けのサスペンションになっている。
ガソリンエンジン車のエントリーグレード(FWD)の価格を見ると、アルファードの540万円に対して、ヴェルファイアは655万円と高くなっている。姉妹車にしては、ずいぶん価格が異なると感じるかもしれないが、ターボエンジン、サスペンション、ボディ補強、19インチタイヤといった走りに影響する違いを並べていけば、この価格差も納得だろう。
ヴェルファイアについては従来モデルでディスコンとなり、フルモデルチェンジ後はアルファード一本に絞るという噂もあり、またトヨタ内でもそうした方向で商品企画は進んでいたという。しかし、社内外からの熱烈なヴェルファイア推しの声を受け、ヴェルファイアはより個性を強めたモデルとして生まれ変わったといえる。
ショーファードリブンとしても使われるアルファード、ヤング層のニーズを満たすヴェルファイアといったふたつの個性が誕生したのだ。
なお、アルファード/ヴェルファイアは海外でも販売される。中国においては、南部でアルファード、北部でヴェルファイアが展開されるという(中国仕様はハイブリッドのラインアップ予定)。
また、国内向けにおいても将来的にはプラグインハイブリッド仕様が追加されるという。電動化時代にもキング・オブ・ミニバンのポジションは譲らないという強い意思と自信にみなぎるのが新型アルファード/ヴェルファイアだ。
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