もくじ
どんなクルマ?
ー クーペとしてより魅力的な造形に
ー インテリアも劇的に変化
ー エンジンや足回りも進化
どんな感じ?
ー ラグジュアリーな内装
ー 素晴らしくフラットな乗り心地
ー 4WDシステムはよりスポーティに
ー 運転支援装備も充実
「買い」か?
ー W12の圧倒的上質感
スペック
ー ベントレー・コンチネンタルGTのスペック
どんなクルマ?
クーペとしてより魅力的な造形に
ベントレーのラグジュアリーグランドツアラー、「コンチネンタルGT」がフルモデルチェンジされ、第3世代へと進化を果たした。2003年に登場した初代コンチネンタルGTが、その後のベントレーに、まさに歴史的な成長をもたらしたことは良く知られているところ。
ベントレーによれば、これまでデリバリーされたコンチネンタルGTは、初代、第2世代をトータルして6万6000台以上に達しており、それは採用されるテクノロジーやエンジニアリングの進化はもちろんのこと、より高効率な生産技術を確立するうえでも大きく貢献した。
そのような背景を考えると、コンチネンタルGTを新型へと進化させることが、ベントレーにとってきわめてチャレンジングなプロジェクトであったことも容易に想像できる。試乗レポートに入る前に、まずはこの新型コンチネンタルの特長を、簡単に解説しておこう。
まず注目したいのは、その内外装のフィニッシュだ。エクステリアデザインのコンセプトとなっているのは、前作からのトラディショナルでジェントルなスタイルを継承しながら、クーペとしてより魅力的な造形を実現すること。コンセプトカーの「EXP 10 スピード6」にインスピレーションを得たボディは、よりロングノーズ・ショートデッキのスタイルを強調したものだが、これはフロントアクスルが前作比で130mm前方へ移動したことによって実現した。
アルミニウム素材を500℃にまで加熱し、正確に成型するスーパーフォーミング技術は、航空宇宙産業に由来するもの。ベントレーはこれまでも同様の技術をフェンダーの成型に使用してきたが、新型ではボディサイドの全体でスーパーフォーミング技術が用いられた。それによってシャープで複雑なライン構成が可能になったことで、新型コンチネンタルGTはさらにダイナミックで彫刻的な外観を得たのだ。
インテリアも劇的に変化
最新のLEDマトリクス技術によるヘッドランプ、テールパイプのシルエットとも巧みなマッチングを見せる楕円形のテールランプ。スタンダードで21インチ、オプションでは22インチの選択も可能なホイールも、いかにもフットワークの力強さを象徴しているかのようだ。
インテリアは、さらに劇的に変化した。センターコンソールを中心に、そこから長い翼が広がるかのように左右のドアにまでシームレスに連続するラインは、新型コンチネンタルGTのインテリアデザインでは、まさに最大の見どころともいえるもの。
スイス製の最高級自動巻き腕時計の地板から着想を得たという装飾や、ダイヤモンド・イン・ダイヤモンドと呼ばれる新デザインのキルティングなど、世界最高品質の素材を用いたラグジュアリーの演出にも、確かに新たな時代が訪れている。
デジタル化されたメーターパネル、そしてセンターコンソールの上部に装備されるローディングディスプレイも見逃せないポイントだ。走行中には12.3インチサイズのデジタルMMIディスプレイや、3個のアナログメーターがシンプルにレイアウトされるアナログディスプレイ、そしてエンジンをオフすればシンプルなウッドパネルが表れるというこのディスプレイは、その最新の機能とともにカスタマーの心を大いに刺激することになるだろう。
前作では、シリーズ途中にV型8気筒モデルを追加設定したコンチネンタルGTだが、新型はまず、6ℓのW型12気筒ツインターボエンジンを搭載したモデルのみで、セールスをスタートすることになる。
エンジンや足回りも進化
シリンダーへの直噴システムのほかにポート噴射を併用していることや、一定の条件下において6気筒分を完全休止するシリンダ・オン・デマンド機能を持つこと、さらに8速のデュアルクラッチトランスミッションを、ベントレー車としては初採用していることなども特長だ。
注目の最高出力&最大トルクは635ps&91.8kg-m。燃費性能やCO2排出量もさらに改善され、新型では12.2ℓ/100kmのEU複合サイクル燃費と、278g/kmのCO2排出量が達成された。駆動方式はフルタイム4WDを継承したが、新型のそれは後輪駆動主体型となり、コンフォートモード時には、最大で38%までの駆動力が前輪に伝達される仕組みとなっている。
ちなみにドライバーはこのほかに、スタンダードなセッティングともいえるベントレーモード、そしてスポーツモードをダイヤルスイッチで選択可能。スポーツモードでは前輪の最大駆動力は17%までに制限される。
ポルシェとも共通する、MSBプラットフォームが採用された新型コンチネンタルには、3チャンバー方式のエアサスペンションが組み合わされた。エアボリュームは前作比で60%以上も大きく確保され、それによってサスペンションのセッティングもより幅広く変更することが可能になった。
電動パワーアシストステアリングや、48Vの電装システムによって実現された、ベントレー・ダイナミック・ライドなど、そしてさらに大型化されたブレーキシステムなど、シャシーまわりでも新型コンチネンタルGTの話題は尽きない。
どんな感じ?
ラグジュアリーな内装
このようにさまざまな特長を持つ新型コンチネンタルGTだけに、そのステアリングを握るのは実に楽しみだった。ドライバーズシートに身を委ねて、まず印象的だったのは、やはり前作から一気にそのデザインや機能を進化させたインテリアのフィニッシュだった。
注目すべきはやはりローティングディスプレイの機能で、MMIディスプレイの面を選択すれば、そこにはまず3つのウインドウを、カスタマーの好みで表示できるホーム画面が表れる。画面の切り替えなどは、スマートフォンのそれと同様に直感的に行うことができるから、走行中の操作にもストレスを感じることはない。
外気温とコンパス、そしてクロノメーターがシンプルに並ぶアナログディスプレイの雰囲気も素晴らしい。新キルトのダイヤモンド・イン・ダイヤモンドはひとつのダイヤモンド模様を構成するために712個のステッチを必要とするという。
こうして精巧に、そしてもちろんラグジュアリーに演出されたシートやトリムには、まさにベントレーの世界観がそのまま体現化されている。
素晴らしくフラットな乗り心地
まずはセンターコンソール上のダイヤルスイッチで、ベントレーモードをチョイスしてドライブをスタートした。フロントのW型12気筒ツインターボエンジンは、低速域から十分な厚みを感じさせるトルクを発揮し、組み合わされるデュアルクラッチ式ミッションもまた、スムーズでショックの少ないシフトに終始するから、その加速はまさにシームレスといった印象だ。
高速域でのスムーズさも、このW12エンジンの大きな美点なのだが、オンロードを走るかぎりは、なかなか高速域でのフィーリングを楽しむまでには至らない。新型コンチネンタルGTのウエイトは、標準的な仕様で2244kgと発表されているが、その重量感を加速の中で一切感じさせないのは感動的でさえある。
ベントレーモードでも、その乗り心地は素晴らしくフラットだ。試乗車にはスタンダードな21インチ径のタイヤが装着されていたが、キャビンには、路面のコンディションから想像するよりはるかに小さなショックが伝わるのみと報告すれば、新型コンチネンタルGTのフットワークがいかに優秀なものであるかは容易に想像していただけると思う。電動パワーアシストステアリングも、手応え、正確さともに十分に満足できる仕上がりだった。
スポーツモードを選べば、さらにこのステアリングやフットワーク、そしてパワートレーンのセッティングもよりダイナミックな方向へと変化するが、オンロードでは、あえてその必要を感じるシチュエーションは少なかった。
4WDシステムはよりスポーティに
先代モデルで、W12とV8という2タイプのエンジンを搭載するに至ったコンチネンタルGT。この両エンジンを使い分けることで、ベントレーはW12モデルではグランドツアラーとしてのキャラクターを、そしてV8モデルではよりスポーティなハンドリングマシンとしてのキャラクターを与えてきた。
そのような固定概念とともに、W12エンジンを搭載する新型コンチネンタルGTの走りを体験すると、多くのドライバーは新鮮な驚きを感じることになるだろう。この新世代のW12モデルは、もちろん究極のグランドツーリングとしての優雅な走りを得意とするものの、さらにワインディングでの積極的な走りを楽しませるモデルへと進化を果たしていたのだ。
そう感じさせる直接的な要因は、やはりコンパクトなエンジン設計によって、前後の重量配分が55:45へとさらに最適化されたこと。そして前でも解説したとおり、4WDシステムが後輪駆動主体型へと進化したことにある。
さらに前作の最終進化型ともいえるスーパースポーツで採用されたトルクベクタリングが、常に効率的な、そして安定したコーナリングを実現してくれていることも理由としては大きい。今回の試乗ルートには、タイトなコーナーが長い距離にわたって連続する区間もあったが、そこをまさにオン・ザ・レール感覚でクリアしていく走りには、大いに感動させられた。
個人的に唯一気になったのは、スポーツモードでのエグゾーストサウンドだ。最近多くのブランドが、同様のモードで過激なサウンドを演出する傾向にあるが、この新型コンチネンタルGTも残念ながらその例外ではなかった。それがベントレーのカスタマーの心を刺激する演出であるとは、どうしても思えないのだが。
運転支援装備も充実
試乗ルートの最後に用意されていた高速道路でのドライブでは、最新の運転支援システムを使った、いわゆるクルマ任せの走りを体験してみた。その制御は十分に満足できるもので、これならば長距離の移動でも、ドライバーの疲れは最小限に抑えられるだろう。
これもまた現代を生きるグランドツーリングの姿だ。そういえば、このW12エンジンにはシリンダ・オン・デマンドや、惰性走行の技術も採用されていたはず。そのように思い出したのは、試乗ルートも最後に近づいた頃だった。気筒休止の制御は実際にはほとんどそれを感じることはない。
カスタマーはあくまでも結果的に、前作の8気筒モデルと同等とされる航続距離と、0-100km/h加速で3.7秒、最高速では333km/hという驚異的なパフォーマンスをともに得ることが可能になるというわけなのだ。
「買い」か?
W12の圧倒的上質感
コンチネンタルGTシリーズは、これから前作と同様に、さまざまなモデルを追加設定していくことになるだろう。コンバーチブルの追加や、V8モデルの登場などは、ほぼ既定路線といったところ。エンジンを段階的に強化していくのもベントレーの常套的な戦略だから、仮に購入を考えるのならば、この新型コンチネンタルGTもそのタイミングは難しい。
だがここで確実にいえるのは、究極のグランドツーリングを手に入れたければ、迷うことなくW12モデルをチョイスした方が良いということ。12気筒エンジンが演出する上質感は、やはり特別だ。
ベントレー・コンチネンタルGTのスペック
■価格 25,680,000円
■全長×全幅×全高 4850×1954×1405mm
■最高速度 333km/h
■0-100km/h加速 3.7秒
■燃費 –
■CO2排出量 –
■車両重量 2244kg
■パワートレイン W型12気筒5950cc
■使用燃料 ガソリン
■最高出力 635ps/6000rpm
■最大トルク 91.8kg-m/1350-4500rpm
■ギアボックス 8速デュアルクラッチ
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