マクラーレンはシュミット・ピーターソンと提携して、2020年からインディカー・シリーズにフル参戦することを決めた。
マクラーレンは、2017年のインディ500にアンドレッティ・オートスポートと組んで参戦。リードラップを記録するなど活躍した。そして2019年のインディ500には、カーリンと組んで再び参戦したが、フェルナンド・アロンソの腕を持ってしても予選を通過することすらできなかった。
■マクラーレン、2020年からインディカーにフル参戦! シュミット・ピーターソンと提携
予選落ちという事実は、マクラーレンという名門にとっては厳しい現実だったはずだ。このことは、マクラーレンがインディカーにフル参戦するという今回の決定に影響を及ぼすことはなかったのか……それについて尋ねられたマクラーレン・レーシングのCEOであるザク・ブラウンは、次のように語った。
「私は多くの間違いを犯した。そしてレーシングチームのみんなに対して私は、『ミスをすることは問題ない。ただ、同じミスを繰り返してはいけない』と語ってきたんだ」
「我々はその経験から、インディカーで戦いたいという欲望がこれまで以上に強くなった。しかし、これまでとは別の形で挑む必要があることは分かっていた。完全にコミットするか、あるいは参戦しないかのどちらかだ」
「そのため、シュミット・ピーターソンとの長期にわたる完全な提携を実現することができ、非常に嬉しく思っている。テイラー(キール/シュミット・ピーターソンのマネージングディレクター)とジル・ド・フェラン(マクラーレンのづポーティングディレクター)がこのプロジェクトを率いてくれることについて、とても満足している。ふたつの組織を統合するため、これ以上のリーダーシップは考えられなかった」
ブラウンは、マクラーレンがインディカー・シリーズに参戦するのは、時間の問題であると語ってきた。しかし2019年のインディ500で予選落ちを喫したことは、この計画に疑問符を投げかけることはなかったか……そう尋ねられたブラウンは、次のように説明した。
「確かにその(インディ500で予選落ちを喫した)時点では後退するような状態だった。しかし、マクラーレンは長いことレースを続けてきた。レースでは、後退することもある。もちろん、インディ500での予選落ちは大きな後退だった。しかしそれと同時に、再びそこに戻り、さらに戦いたいという動機になった。その瞬間はそうではなかった。でも、一度レースの苦労を乗り越えてしまえば、マクラーレンの世界では……我々はレーサーなんだ」
「インディ500で予選落ちしたことは、もちろん我々にとっての助けにはならなかった。しかし、傷にもならなかったんだ。インディカーに参加したいということに限って言えば、それは変わらなかった」
「我々の取締役会は、常に適切な状況と条件下で、インディカーに注目してきた。それは、我々がしばらくの間取り組んできたことだ。インディカーに行くことができる条件……幸いなことに、我々はそれをまとめ上げることができた」
シュミット・ピーターソンは、長くにわたってホンダエンジンを使ってきた。しかし今回、同チームと提携してインディカーに参戦するマクラーレンは、シボレーエンジンの使用を決めた。このことは、今回の決定における最も驚くべき部分だと言えるだろう。
これについてブラウンは、次のように語った。
「いくつかの選択肢があったが、このことは際立っていた。テイラーとジョン・フラック(シュミット・ピーターソンのチーム代表)には、技術面とビジネス面の両方でリーダーシップがあり、我々はそれをとても高く評価している。そして彼らは、マクラーレンと非常に相性が良いことは分かっていた。そして、シボレーともね」
「ジョンはかつて、JMI(ジャスト・マーケティング・インターナショナル)時代に私の上司だった。だから、彼がどうオペレーションするのかは分かっている。共同オーナーであるサム(シュミット)はレーサーだし、インディ・ライツの時代からリック(ピーターソン)のことも知っている。このチームには親しみがあったんだ」
「(メインスポンサーである)アローは、我々を結びつける上で大きな意味を持つパートナーだった。様々なオプションを試し、シュミット・ピーターソンは全てのことを確認したのだ。しかも彼らは、素晴らしい基盤を持っている」
「彼らはレースに勝つ。我々は明らかに、より頻繁にレースに勝ちたいと思っている。しかし、彼らにはチームとしての素晴らしい基盤があった。ただ技術的なノウハウ、技術面のリソース、財務的なリソースには改善の余地がある。マクラーレンをその組織(シュミット・ピーターソン)に接続することは、彼らはすでに持っているモノを高めていくのに役立つと思う。そして、常に最前線にいるチームとの差をできるだけ早く縮めるのにも役にたつだろう」
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