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有終の美・ヤマハSR400ファイナルエディション/リミテッド【稀代の名車よ永遠なれ】

掲載 更新 4
有終の美・ヤマハSR400ファイナルエディション/リミテッド【稀代の名車よ永遠なれ】

有終の美を飾る、最後のSR

またしてもヤマハの象徴が消える。この流れはもはや止められないのか…? 覚悟していたとはいえ、いざ突きつけられると何ともたとえようのない空虚さに襲われる。空冷/単気筒/キックスターター…。機械と人間の清い関係性を伝え続けてきた「SR400」が43年目にしてファイナルを迎えることを、我々は受け入れなければならない。

ついに最後…! ヤマハ「SR400ファイナルエディション」伝説の最後に1000台限定車も【3/15発売】

ヤマハを象徴する長寿モデルが43年の歴史にピリオド

’78年から43年に渡る国内向け生産は累計12万台以上。そして’20年は400ccクラス2位の2450台(二輪車新聞調べ)を販売。購入者の年代は20代が約30%ともっとも多く、30代/40代/50代もそれぞれ20%前後と、幅広い年代に支持されている「ヤマハSR400」。

非常に残念なことだが、この2輪界きっての超長寿モデルが、ついにファイナルを迎えることとなった。

その理由をヤマハは「今後の様々な規制に対応していないため」と説明する。具体的にはABSの装着義務化で、非対応車は’21年10月までしか生産できないことと、’22年10月以降は平成32年排出ガス規制(≒ユーロ5)のクリアが必須となることの2点がネックになったと思われる。

上述の通り、相変わらず人気は根強いとはいえ、仮に開発コストをかけて規制をクリアしたとしても、その回収は難しい…という判断なのだろう。’20年7月のセローに続き、ヤマハの象徴が消えるという事態は何ともやるせない。

ラストSRは手作業サンバースト塗装で有終の美を飾る

SRを愛するライダーへの最後のプレゼントとして、最終生産車「ファイナルエディション」が2仕様用意された。

まず、標準バージョンはツートーングレーとソリッドブルー。それぞれグラフィックやサイドカバーのロゴが異なり、グレーはタンクに、ブルーはサイドカバーに”Final Edition”の文字が刻まれる。国内の販売台数は5000台を予定。

さらに、その上位モデルとして限定仕様車「リミテッド」が1000台用意された。最大の特徴は燃料タンクに施された”サンバースト塗装”と呼ばれる手作業のボカシ塗装。熟練職人によるマスキング処理や手吹きでの塗装のため、製作できるのは1日に5台が精一杯という。さらに専用の本革調シートや銅色にアルマイトされたホイールリム、専用のエンブレム類など、細部に渡って上質な仕上げが施される。

基本構成を変えずに43年も販売されたという大記録は、電動化などの転換期を迎えている2輪界において、もう破られることはないだろう。そんなレジェンドの最終モデルだけに、ファイナルエディションは、発売発表から数日で6000台を受注。姿を消してしまうのは大いに悔やまれるが、長く語り継がれる稀代の名車となるのは間違いない。

―― ’21 YAMAHA SR400 FINAL EDITION LIMITED

SR400ファイナルエディションリミテッド:販売店が限られるエクスクルーシブモデル

限定1000台の「リミテッド」は専用装備を満載。特にサンバースト塗装は、過去に5回も限定車に採用されたことのある、まさにSRのラストにふさわしいグラフィックだ。なおこのリミテッドは、YZF-R1やテネレ700と同様にエクスクルーシブモデルとして、YSP店(リニューアル中の店舗含む)とアドバンスディーラーにて専売される。

―― 【’21 YAMAHA SR400 FINAL EDITION LIMITED [B9F5]】■全長2085 全幅750 全高1100 軸距1410 シート高790(各mm) 車重175kg(装備) ■空冷4スト単気筒SOHC2バルブ 399cc 24ps/6500rpm 2.9kg-m/3000rpm 変速機5段 燃料タンク容量12L ■タイヤサイズF=90/100-18 R=110/90-18 ●色:ヤマハブラック ●価格:74万8000円

―― 職人が手作業で塗り上げるサンバースト塗装を採用。リミテッドでは黒を基調に、タンク側面にブラウン系のグラデーションが入る。音叉エンブレムは専用の真鍮製だ。

―― ホワイトメーターの通常モデルに対し、専用のブラック文字盤を採用。タコメーターには音叉マークと共にファイナルエディションの文字をあしらった専用品。

―― 座面は本革調のブラウンで側面をブラックとしたツートーンの専用シート。ステッチもリミテッドだけの専用色を採用する。

―― サイドカバーの専用エンブレムは電鋳立体製法による金属製。車体右側のエンブレムには0001~1000のシリアルナンバーが刻まれる。

―― 前後ホイールのアルミリムには、リミテッドのボディカラーとコーディネートしたカッパーブラウンの新色アルマイトを施している。

SR400ファイナルエディション:シンプル&アイコニックな新色

標準仕様の「ファイナルエディション」は2色。ブルー車はXS650スペシャルなどを、グレー車は’83年式あたりのSR400/500を彷彿とさせる。”Final Edition”の文字は、前者がサイドカバー、後者はタンクに刻まれる。

―― 【’21 YAMAHA SR400 FINAL EDITION [B9F6]】●色:ダルパープリッシュブルーメタリックX ダークグレーメタリックN ●価格:60万5000円

―― ブルー車はサイドカバーに、グレー車はタンクに”Final Editon”と記されている。 [写真タップで拡大]

SR400短史

SR400は、’78年に500とともに誕生。ビッグオフ・XT500のロードスポーツ版という位置づけだったが、SRXの登場で’85年には前輪の19→18インチ化、フロントブレーキのドラム化などでビンテージ路線へ。’01年には排ガス規制に対応しつつ再びディスク化(500はここで消滅)。’08年に一度生産を中断するも、’10年にFI化し復活。’18年には小改良でユーロ4にも適合した。

―― [1978]初出はロード版XT

―― [1985]ドラムブレーキ化

―― [2001]再びディスクに

―― [2010]キャブ→FI化

◆サンバースト車は’84年に初登場

’84年の初登場以来、限定のサンバーストカラー車は’95/’03/’08/’18年に登場。今回のファイナルエディションリミテッドで6度目となる。

―― [1984]SR400発売7周年記念モデル

―― [1995]SR400Sスペシャルエディション

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みんなのコメント

4件
  • 残念だけど40年以上フルモデルチェンジもせずに作り続けたのだから消え去る運命だったのでしょう。ヤマハの関係者から聞いた話ですがABSはコストの問題もあるけれど、今のSRには設置するスペースがどこにもないそうです。排ガス規制もベースが約40年(XT500を入れると46年かな)前のエンジンでは限界だったそうです。
    次のモデルは別物になるかもしれないけれどSRの復活を期待しているファンです。発売されれば愛車のキャブのSRに買い足してもいいかな。
  • スターターはキックのみ。セルスタートなしなので不便この上なし。 しかしそれを上回るシングルサウンドの心地よさとノスタルジーを感じるスタイル。 SRはキャストホイール車もありますが、やはりスポークホイールでしょう。 信号待ちでエンストしてキックスタートしても中々エンジンがかからず青信号に変わり焦った事もありました。 セパハン、キャプトンマフラー、バックステップでカフェレーサーにカスタムするのはSRに乗る人の定番でした。 でも今になるとSRはノーマルで乗るのが一番カッコいいと思えました。 さらばSR.ありがとうSR!
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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