この記事をまとめると
■クルマは必ずしも開発したメーカーが生産して販売するとは限らない
ルノー4CV・オースチンA40・VWサンタナを日本で生産!? メーカーにとって諸刃の剣だった「ノックダウン生産」とは
■かつての日本メーカーはライセンス生産やノックダウン方式によって多くのノウハウを得た
■協業生産の裏には開発費高騰によるリスクを回避する狙いがある
いろいろあるクルマの生産方式
新車の生産は、必ずしもそれを開発した自動車メーカーによってのみ行われるとは限らない。自動車の生産に関しては、ほかに、ライセンス生産/ノックダウン方式/OEM/バッジエンジニアリングなどという手法がある。
ライセンス生産は、ほかの企業が設計し、開発し、完成させた製品をそのまま、使用料(ロイヤリティ)を開発した企業へ支払い、生産することだ。
使用料を支払うことで、余分なお金が必要になると思うかもしれないが、そもそも、案を創造・企画し、それを設計し、試行錯誤しながら開発し、生産へもち込むまでの投資は、失敗の可能性を含め多大な額にのぼる可能性がある。それを省き、成果だけ手に入れることのできるのがライセンス生産だ。なおかつ、それを生産することを通じ、技術的知見を手に入れられる利点がある。そして販売することによる売り上げを期待できる。
ノックダウン方式は、運送しやすい程度に仕上がった組み付け部品や、ある程度組みあがった部品を用い、販売する地域の近くで生産する方法だ。現地企業の工場を活用するなどにより、拡販へ向けた投資を抑えることができる。
また、現地の工場は、ライセンス生産と同様に製造の知見を得ることができる。また、輸出入に関連しては、完成品での輸出入の関税を回避し、部品に対する関税で製品をほかの地域へ導入する手段にもなる。ノックダウンのやり方としては、製品すべての部品を輸送する場合と、一部を現地調達する場合がある。
共同開発とOEMによりリスクを軽減
OEMとは、(Original Equipment Manufacturer)のことで、委託者の名で製造することをいう。たとえば、自社と同じクルマを、他社の車名で販売するうえで、その生産も請け負うことを指す。
自動車メーカーの提携により、すべての車種を自社独自でまかなうのではなく、提携関係のある他社の車種を、自社の商品銘柄に加え、より幅広い車種を揃えるのに役立つ。
これによって、販売店はより多くの顧客の志向に対応した商品を扱えるようになる。ことに、日本のように販売店と消費者のつながりが親密な市場では、販売店の利点が生まれる。また、製造する自動車メーカーとしては、生産する工場の稼働率を高められ、大量生産による原価低減に効果を見出すことができる。
バッジエンジニアリングは、同じ車種でありながら、車名を変えるなどによって兄弟車や姉妹車を打ち出すことだ。
販売店の多チャンネル化が進められた1970年代から、日本で盛んに行われた。だが、現在は販売店系列の一本化が行われるようになり、バッジエンジニアリングの必要性は減っている。そして、OEMを通じ、他社との協力で販売台数を確保する動きが強まっている。
グローバル化により市場の拡大が進んだように見えるが、実際はそれを実行するために人材と投資の拡大が必要で、ひとつ商品の見通しを誤ると、大きな損失になりかねない。したがって、企業間の提携はもちろん、OEMの進展は、不確実性の回避と見ることができる。
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みんなのコメント
ジッタリンジンが本家だと知られてなくて
チクショー!!