休日送迎で消耗する親たち
記録的な酷暑がようやく収まり、行楽シーズンの秋がやってきた。この時期、子育て世代は子どもたちと外出する機会が増える。しかし、休日が晴れていても、子どもの習い事や部活動の送迎で忙しく過ごす家庭も多い。
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貸し切りバスを利用しない限り、遠方での練習や試合には親の送迎が必要だ。距離がある場所への送迎は、1日がつぶれることも珍しくない。
「せっかくの休日なのに、ずっと運転手になってしまった」
と感じることもある。
目的地が遠くなるほど、親の負担は増し、仕事で疲れてリフレッシュとは無縁の休日になってしまう。そこで今回は、そんな状況を打破するために、送迎をしながら“プチ観光”気分を味わい、充実した1日を過ごすためのコツを考えてみよう。
運動部加入率と親の驚き
運動系の習い事や部活動に所属していると、休日の練習試合で毎週送迎をする親が多くなる。特に小学生の場合、送迎が必須となる習い事はスポーツ少年団や水泳、テニスなどの個人競技の選手コースが多い。
スポーツ少年団に入会する際には、練習試合の遠征について話を聞くことができるし、個人競技でも大会に出られるレベルになると、休日に大会に参加する必要があることを事前に理解できる。小学生のうちは
「送迎は仕方がない」
と親も理解した上で入会し、休日の参加が一般的だ。
しかし、子どもが中学生になって部活動に入ると、
「そんなに送迎が必要なの?」
と驚く親が増えてくる。部活動は基本的に任意だが、多くの生徒が入部している。笹川スポーツ財団の「子ども・青少年のスポーツライフ・データ 2023」によると、2023年の中学生男子の運動部加入率は64.1%、女子は49.8%で、年々減少傾向にはあるものの、運動部に所属する中学生は依然として多い。
そして、その活動場所は校庭や体育館だけでは済まない。
休日の送迎負担増加
運動部は年に数回、大きな大会が開催されるため、休日には練習試合のために遠方の学校や体育館に出向くことが多い。特に野球、サッカー、バスケットボールなどのチーム競技では、チームの実力を向上させるために練習試合を重ねる必要があり、休日の遠征は避けられない。
軽い気持ちで入部した部活が、実際には遠征の連続で、休日が送迎で毎週つぶれてしまうこともある。ガソリン代もバカにならず、そんな状況に直面する親も意外と多い。筆者(中山まち子、子育てジャーナリスト)の知人にも、
「子どもが友達に誘われて入った運動部が遠征ばかりで出費がかさんでいる」
と嘆いている人がいる。強豪校でない公立中学の運動部でも、顧問の方針によって休日の練習や遠征が決まることがあるため、中学の部活動選びは注意が必要だ。
高校生になると、私立高校の強豪部では
「自前のバス」
を持っている学校も多く、野球部などの団体競技では貸し切りバスを利用して遠征に出掛けることが増え、親の送迎の負担は少し軽くなる。しかし、部活によっては現地集合・現地解散のスタイルもある。
筆者の子どもが所属する運動部では、大会も現地集合・現地解散だ。ただし、公共交通が利用できる場所での大会なので、部活の友達と一緒に行くようになり、中学生の頃に比べると親の負担は少なくなった。一方で、交通の便が悪い場所での練習や大会を行う部活もあるため、その場合は高校生でも親の送迎が必要になる。
部活と車は切っても切れない関係
子育てをしていると、車がないと通えない習い事を始めると送迎生活が始まる。小さい頃は、親が「これなら通わせられる」と考えて無理のない範囲で通わせることができるため、負担はそれほど大きくない。しかし、中学校に入ると問題が出てくる。
子どもが運動部に入ると、送迎なしで学校生活を終えるのは非常に難しい。筆者の周りでは、スポーツ少年団や中学の運動部に入っている家庭で、車を出さずに済んだ家庭はひとつもない。
送迎の回数は家庭によって異なるが、必ずどこかで休日や連休に車を出して、遠方の練習場や練習試合に出掛けることになる。
「さほど強くない公立中学だから」
と思っていても、予想以上に休日が送迎で終わることが多く、驚くこともある。
運動部だけでなく、吹奏楽部や合唱部も合同練習で遠征することがある。部活動は、子どもにとって目標を持って努力する経験や、仲間と力を合わせて高みを目指す貴重な日々を提供する。
親としては、
「面倒なこと」
と一蹴するわけにはいかない。もし子どもの前でそんなことをいえば、親子関係に亀裂が入るのは明らかだ。
それなりに活発な部活に入ることを決めた時点で、「休日は子どもの送迎が増える」と心に決め、その日1日をどう過ごすか考えるのが賢明だ。
送迎生活の新提案
スポーツ少年団や運動部に入ると、家族の休日の過ごし方が大きく変わる。これがプラスになるかどうかは、運転手である親の心がけ次第だ。
送迎は確かに大変だが、文句をいっても何も解決しない。練習や大会に日々頑張っている子どもの気持ちを無視するような発言は、親子関係に悪影響を与える。送迎を「辛くて疲れるもの」と考えるのではなく、
「送迎ついでにお出掛け気分を味わえる」
と視点を変えることで、特別な休日にすることができる。
体育館や競技場には緑豊かな公園が併設されていることも多い。春には桜、初夏には新緑、秋には紅葉と、四季折々の自然を楽しむことができる。これらの施設は郊外にあることが多く、
「地元の人に愛されている飲食店」
に出会うチャンスもある。せっかく遠方に出掛けるのだから、ラーメンや町中華、パン屋を調べて訪れると、送迎に新たな価値を見いだせる。
筆者も子どもの部活の送迎をする際、近くにある和菓子屋を探して大福や団子を購入するのを楽しみにしている。練習で疲れた子どもにとってはうれしいおやつになり、
「次も買ってきて」
「他にはどんな商品があるの」
といった親子のコミュニケーションにもつながる。
子どもは、親に送迎を任せていることに“罪悪感”を感じることがある。思春期の子どもたちは素直に感謝の気持ちを伝えられないことが多いが、親がグルメを楽しんだり、行楽スポットに足を運んだりして送迎の時間を楽しんでいる姿を見ると、一安心できることが多いのだ。
送迎のドライブを思い出作りにする
送迎をしていると、体育館や野球場、サッカー場の近くでグルメスポットを探す楽しみだけでなく、快適な運転環境を整えることも大切だ。ドライブ気分を上げるために、親のお気に入りの音楽を流したり、好きなポッドキャストを聴いたりしながら運転すると、送迎時間をより有意義に過ごせる。
秋には、部活を終えた子どもと一緒に夕暮れ時の紅葉や、ライトアップされた公園や寺社仏閣を訪れることで、ちょっとした旅行気分を味わえる。子どもにとって、部活で1日がつぶれてしまう休日が、家族のお出掛けという特別な思い出に変わる。
送迎の経験からいうと、部活の練習や試合で1日が終わるという毎週のパターンはすぐに飽きてしまう。家と体育館との往復だけでは新鮮味がなくなるので、何かしらのスパイスを加えることで
「記憶に残る休日」
にできる。辛い部活の練習や試合も、「充実した1日」として親子にとって特別な休日に変わる。
中学生や高校生になると、親子で過ごす時間が減ってしまう。子どもが成長してから「こういうことがあったね」と思い出話ができるように、意識的に過ごす時間を増やしたい。送迎の問題は、親子関係を良好に保つための重要なポイントになる。子育てをしていると、習い事を含めて送迎がつきものだが、多くの家庭では中学生になるとその問題が一気に増える。
思春期に入ると、親子関係がぎくしゃくしやすくなる。親も、自分の休日が毎回送迎で終わることにストレスを感じることが多い。仕方がないことではあるが、部活の送迎で家庭が不穏な空気にならないようにするためには、
「楽しいお出掛け」
という意識を持ってアイデアを出すことが大切だ。そうすることで、休日を有意義に過ごせるようになる。
子育ての時期は、親が思う以上にあっという間に過ぎ去る。当時は「なんでこんな部活に入ったのか」と不満に思うこともあるが、時間がたつと親子で出掛ける機会が減り、送迎が貴重な時間だったと実感するようになる。後悔しないためにも、送迎の時間を大切な家族の思い出にしてみるとよいだろう。
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みんなのコメント
って、子どもが選ぶものだと思うんですけど・・・・