アンダー95万円で両側スライドドア装備！ もはや懐かしい「小型バン」がスゴい！ 40年以上基市場で販売中の「ボラン」とは

■40年間新車販売中！ 未だ現役の“超”ご長寿モデル

　現在国内で展開される新型車は、衝突被害軽減ブレーキをはじめ様々な安全・機能装備が義務化される一方、高価格化が進んでいます。
　
　しかし海外では、登場時から長年シンプルな内外装と装備のまま安価で新車販売されているクルマも存在します。そんなクルマのうち、スズキのパキスタン法人が販売している「ボラン」を紹介します。

　スズキのパキスタン法人パック・スズキが販売しているボランは5人乗りのコンパクトバンです。ベースは1982年に登場した軽商用バン「エブリイ」で、パキスタンでも1982年に発売されています。

　ボディサイズは全長3255mm×全幅1395mm×全高1845mm、ホイールベースは1840mmと、かなりコンパクトなサイズです。

　エクステリアではほぼ初代エブリイそのままの雰囲気を残しており、かなり四角いデザンと飾り気のないプレーンなもの。フロントは角目2灯の大きなヘッドライト間を結ぶ黒いグリル風ガーニッシュがモダンな印象です。

　ボディサイドには両側スライドドアが装備されますが、ウインドウは横開き式の手動で、加飾パーツは装備されていません。

　インテリアも同様に一切の贅沢装備を廃し、エアコンやパワーウインドウも装備されておらず、懐かしさすら感じさせるデザインの4本スポークステアリングと120km／h表示の極めてシンプルなメーターが装備されています。

　パワートレインは796ccの直列3気筒エンジンで最大出力は37馬力・最大トルク62Nmを発揮し、4速MTのみの設定です。欧州の排出ガス規制「EURO-II」に対応しており、環境性能の高さをうたっています。

　現在新車で販売中のモデルは、5人乗り乗用モデルに加え、最大積載量550kgを確保した2人乗り商用モデル「カーゴ」の2タイプを展開。インパネにはBluetoothやUSB接続可能でMP3にも対応するデッキが装備されており、この点のみは現代向けの装備と言えそうです。

　なお、安全装備はフロントにシートベルトが装備されている程度で、リアにはオプション設定も存在しません。

　エクステリアカラーはソリッドホワイトとシルキーシルバーの2色を用意します。

　パキスタンでの価格は194万ルピー（約94.3万円）から194万4000ルピー（約94.5万円）で販売されています。

　一方で、「ラヴィ」というボランのピックアップモデルも販売中で、こちらは「キャリイ」のパキスタン現地仕様となります。

　基本的な仕様はボランと同様ですが、後部の荷室は長さ1940mm×1320mmの広さを誇り、最大積載量は600kgを確保。

　価格も178万1000ルピー（約87万円）から185万6000ルピー（約91万円）とやや低価格に設定され、ボディカラーもボランの2色に加えてセルリアンブルーが用意されています。

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　なお、2代目エブリイをベースにしたミニバン「オムニ」がスズキのインド現地法人マルチ・スズキから1984年から2019年まで販売されていましたが、厳格化された衝突基準に対応することができず、4代目エブリイベースの後継車「イーコ」にモデルチェンジされています。

　一方パキスタンでは、ボラン・ラヴィが登場40年を迎えても新車ラインナップに並んでおり、現地の国民車として愛されているようです。

　こうした地域では信頼性や整備性の観点で、ニューモデルではなく刷新の少ない極めてシンプルなモデルが求められています。

Comments

現地で「円建て」で売っているわけではあるまい（笑）
現地の人にとって「95万円」がどの程度の感覚（給料の何ヶ月分とか）かまでレポートしないと

さすがに、クーラーは欲しい！