昨今のグランドツアラーの在り方に一石を投じる!
マクラーレン・オートモーティブは2019年6月20日(木)、新型車「マクラーレンGT」を発表した。
マクラーレン・オートモーティブは2011年に初の量産車であるMP4-12Cを発売以降、多くのスポーツカー、スーパーカーを生み出し、存在感を高めてきた。
ブランドの創始者ブルース・マクラーレンのモットーである「現状に甘んじることなく、常に挑戦し続ける姿勢」をいまなお踏襲し、クルマに最先端の技術と情熱を注ぎこみ1台1台ハンドメイドで作り出しているという。
現在日本での販売台数はアメリカ、イギリスに次ぐ第3位で、2019年5月には国内の累計登録台数が1000台を超えた。
2019年6月20日に行われた発表会で、マクラーレン・オートモーティブ・アジア 日本支社代表の正本嘉宏さんはマクラーレンGTについて、「マクラーレンの価値をグランドツーリングという新たなフィールドで実現した最新のモデルです」と語った。
グランドツアラーというのはもともと長距離を移動するための、快適でスタイリッシュ、かつスポーツカーのようなハンドリングをもったクルマを指す。しかし、GTは徐々にラグジュアリー志向に偏っていき、その結果、大型化や重量化から、運転の楽しさが損なわれる傾向にあるとのこと。
そこでマクラーレンはこのような昨今のグランドツアラーの在り方に一石を投じたい、と考えマクラーレンGTが誕生した。そのキャッチコピーはずばり「New Rules」。
このクルマは快適性、実用性、美しいスタイリングといったGTならではの資質を持つのはもちろんのこと、ハンドリング性能や、俊敏性、そしてドライバーとの一体感を高める軽量なグランドツーリングカーに仕上がっているという。
開発にあたり、こだわったポイントは大きく4つに分けられる。
都会での街乗りもしやすい車高とした
1つ目は超軽量化、そして革新的な素材の積極的な採用だ。
カーボンモノコックボディからスイッチの1つ1つまで徹底して軽量化し、車両重量は1530kgとなっている。もっとも重い競合モデルと比較すると200kg以上も軽い数値だ。
室内には標準でもナッパーレザーが採用されており、上質なソフトグレインレザーやアルカンターラへのアップグレードも可能。2019年末ごろにはカシミヤもオプションに追加される予定だ。荷室にはキズができにくく、通気性にすぐれ清掃などがしやすいスーパーファブリックを選ぶこともできる。高機能かつ上質な室内空間を実現した。
2つ目は美しいスタイリングだ。
デザインチームは、グランドツアラーの歴史やマクラーレンの過去のクルマのデザインを研究。
ノーズからテールまで流れるようなシルエットや、サイドエアインテークをもつリヤフェンダーなどを採用し、エレガントさと力強さを兼ね備えたルックスを実現した。
3つ目はマクラーレンならではのドライビングダイナミクス。
このモデルのために作られた4リッターV8ツインターボエンジンを搭載。最高出力は620馬力で、最大トルクは630N・m/5500-6500rpmを発生する。0-100km/h加速は3.2秒、0-200km/h加速は9秒で、最高速は326km/hにも及ぶ。このエンジンと7速SSGトランスミッションの組み合わせが直線的で圧倒的な加速を生み出すとのこと。
サスペンションには画期的なソフトウェア・アルゴリズムを採用。センサーで路面を読み、路面状況に応じてサスペンションの特性を変更。つねに快適な乗り心地となるよう調整されるという。また油圧式パワーステアリングが採用され、運転の楽しさと正確さが実現されているとのことだ。タイヤはマクラーレンGT専用に開発されたピレリの「P ZERO」を採用。フロントが20インチ、リヤは21インチとなっている。
最後に使い勝手を重視した点だ。
スーパーカーは普段使いの際、段差などでボディを擦ってしまうのではないかと運転に神経を使うもの。
そかしこのモデルは全長がおよそ4.7mとマクラーレンのスポーツシリーズ、スーパーカーシリーズのなかでもっとも長いにもかかわらず、フロントのアプローチアングルは10度(車両リフトシステム作動時は13度)で、バンプにも対応可能。
また路面の車体との隙間が110m(車両リフトシステム作動時は130mm)あるため、都会での街乗りなどでも使いやすくなっている。リフトモードを使用すればセダン並みの地上高になるというから驚きだ。
さらには週末の小旅行やゴルフなどといったシチュエーションにも対応できるような収納力も持ち合わせている。
エンジンの高さを抑えるなどの工夫により、広く使いやすいラゲッジを実現。フロントにも収納スペースを用意し、容量は合計で570リットルにも及ぶ。
価格は2645万円(税込)、納車は2019年末を予定している。
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