アダプティブクルーズコントロールやレーンキープアシストなどの先進運転支援機能を備えたクルマ(ASV:Advanced Safety Vehicle)が、続々と登場している。日産スカイラインやスバルレヴォーグ、ホンダレジェンド、そしてBMWの3、4、5、7、8シリーズ、やX5、X6、X7では、一定の条件下ではあるが、ハンズオフが可能なクルマも。
大変便利な機能ではあるが、なかには、こうしたASVを「ドライバーから運転する楽しみが奪われてしまう」として嫌う方もいる。ASVは、本当にドライバーから運転する楽しみを取り上げてしまうのだろうか。
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文:吉川賢一
写真:TOYOTA、LEXUS、NISSAN、HONDA、MAZDA、SUBARU、MITSUBISHI、SUZUKI、DAIHATSU、エムスリープロダクション、AdobeStock
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約3割が「運転する楽しみが奪われてしまう」と回答
2016年に行われたJAFオンラインアンケート(期間2016年2月1日~29日、JAFホームページ上で行われ、有効回答者数35,614名、男性比率88.6%、女性比率11.4%)の調査結果によると、81.1%の人が「自動ブレーキやぶつからないクルマを知っている」と答え、また、50.4%は「機能や働きを知っている」と回答。
そして、24.8%の人が、「装置が作動しない場面などの注意点を知っている」と答えた。これらの回答は、年齢層が変わっても、割合に大差はなかったそうだ。
2021年3月にホンダレジェンドに搭載されたHonda SENSING Elite(ホンダセンシングエリート)は、「自動運転レベル3(限定領域での条件付自動運転車)」を世界で初めて実用化
また、「先進技術を装備したクルマを購入したいと思うか」の問いに対しては、「購入したい」が31.0%、「試乗してから考えたい」が53.1%、「購入したくない」が9.8%、「分からない」が6.1%。
「先進技術を装備したクルマを購入したくない理由(複数回答可)」としては、「機械に任せると危険」が59.3%、「自分で運転する楽しみが奪われてしまう」が34.5%、「運転技術が衰えるから」が29.6%、「装置が高いから」が27.3%という結果であった。
5年前の統計なので、現在(2021年8月)は多少変わっていることが考えられるが、少なくともこの時点においては、ASVへの理解不足や思い込みが強くあるようだ。
「ドライバーの不注意による事故を防ぐ」が目的
ASV「Advanced Safety Vehicle」とは、その名の通り、「高い機能を備えた安全なクルマ」のことであり、ドライバーの不注意による事故を未然に防ぐ、もしくは被害を軽減するための安全装置だ。
どんなにベテランのドライバーであっても、体調不良や寝不足など、コンディションが悪いときにはミスをすることもある。その点ASVは、加速や減速、ハンドル操作など、想定されたプログラム通りに働く。そのプログラムは、自動車メーカーのエンジニアが、(意地悪な条件も含めて)数万パターン以上シミュレーションをして決めており、信頼性は十分に保障されている。
システムの作動条件から外れた状況となると、システムが、視覚や聴覚、シートベルトによる体感などで警報を発し、あらゆる手段でドライバーに運転操作を要求する
実際に、これだけASVが普及している現在において、ASV自体のエラーによって事故が発生した、という国産車での報告は、筆者の知る限りでは、いまのところない。ドライバーがASVの機能を正しく使う限り(正しく使用していないことで事故が起こった事例はある)ASVは安全であり、ASVが危険というのは、ASVに対する誤解だ。
ただし、運転技術が衰えるから購入しない、という理由には、納得させられるところがある。ASVを日々使っているユーザーのなかには、ASV機能が便利すぎて、機能なしには長距離運転をしたくない、というドライバーは多いことだろう。便利な道具は素晴らしい反面、人をダメにする。
ドライビングプレジャーが奪われてしまうことはない!!
純粋にドライビングの操作が好きという方は、機械にアクセル・ブレーキ操作や、ステアリングホイールを回す操作まで任せるなんて、考えられないのかもしれない。
ワインディングのシーンで、クルマを意のままに操縦することで快感を得ていたのだから、それがもしできなくなるのであれば、クルマを所有する意味さえ見失ってしまうのかもしれない。
ただ、ASVの機能のうち、ACCやLKAなどは、ユーザーがオンオフ操作をするものは、ユーザーが使いたくなければ「使用しない」という判断もできる。
「だから必要ない」と思うかもしれないが、想像してみて欲しい。箱根の山坂道を楽しくドライビングしてきた帰路、交通事故で東名高速道路が10km 60分の大渋滞。そんなときこそ、渋滞時追従機能付きのACCやLKAが本領発揮し、貴方の運転をサポートしてアクセル・ブレーキペダルの操作から解放してくれる。
渋滞時の運転にまで、「ドライビングプレジャー」を求める方は少ないはず。そして同乗者は、早く安全に帰りたい、とだけ思っている。
運転したいときだけ運転する、という「都合のいい使い方」ができるようになるのでは?(PHOTO:AdobeStock_Blue Planet Studio)
「ASVだと運転の楽しみを奪う」のではなく、ASVがあるからこそ、運転する楽しみを最大限享受できるのでは、筆者は考える。いまはマニュアルミッション車であってもACCやLKAがつくクルマもある。
「今日は疲れているからASVに頼ろう」という使い方でもいいし、ドライビングを楽しめるピンポイントだけ自分で操作するでもいい。ASVが今後もっと進化したとしても、それは「運転するかしないか、自分で選択できる時代がくる」というだけだ。
運転が好きな方にとっても、苦手な方にとっても便利なASV。近年生まれたテクノロジーのなかで、最も秀逸な「助っ人」だと筆者は考える。ASVに疑念を感じてている方も、ぜひ一度使ってみてほしい。日産スカイラインプロパイロット2.0のCMでの木村拓哉さんのセリフ「こいつの運転もかなりイケてる」というのも、多少はお分かりいただけると思う。
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