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EVのコスト削減を実現する日産「X-in-1」技術 鍵は小型化と部品共有

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EVのコスト削減を実現する日産「X-in-1」技術 鍵は小型化と部品共有

EVコスト、エンジン車と同等に

EV(電気自動車)の販売台数は増加傾向にあるが、ほとんどの場合、ICE(内燃エンジン)車との価格差は歴然としている。

【画像】磨き上げ続ける技術の日産【現行のeパワー車を写真でじっくり見る】 全109枚

これまでのところ、一部のEVメーカーはブランド力やデザインの良さに頼ってきた。しかし、自動車業界全体でICE車とのコストパリティ(価格の同等化)を実現しようと懸命に努力した形跡はほとんど見られない。

だが、ルノーがCMF-Bプラットフォームを導入したように、少しずつ状況は変わりつつあるようだ。このプラットフォームは、次期ルノー5のベースとなるもので、現行のゾエ(欧州向けの小型EV)よりも製造コストが30%安いという特徴がある。現在、9台のプロトタイプによるテストが行われている。

ルノーだけではない。日産は3月、「X-in-1」という新しいパワートレイン技術により、2026年までに2019年比でパワートレインコストを30%削減すると発表した。また、ハイブリッドのeパワー車と従来のICE車の価格も、同時期までに同等になる見込みだ。EVについては、固体電池技術の導入も手伝って、「いずれ」同等になるという。

X-in-1という名称は、日産のeパワー車(5-in-1)とEV(3-in-1)に適用される。初代リーフに比べ、モーターとインバーターを一体化し、インバーター内の電子部品を直接冷却することで、パッケージを25%縮小している。

eパワー車が発売されたのは2016年(2代目ノートに初搭載)だが、リーフベースのプロトタイプが最初に走ったのは2010年のことだ。以来、パワートレインは着実に改良を重ねてきた。

3-in-1では、EV用モーター、インバーター、減速機を1つのモジュールにまとめ、3つのコンポーネントをさらに10%コンパクト化した。5-in-1も同様で、この3つに発電機と増速機を組み合わせてモジュール化することで、さらに10%の小型化を実現する。モーターの部品共有もコスト削減の重要な要素だ。

マグネットに使用するレアアース(希土類)素材は1%未満に抑えられている。これは、モーターのローター表面の形状を変更し、熱損失を低減することで達成した。従来は、ローター周囲に配置された磁石を分離することで熱の発生を抑えていた。しかし、今回の設計では磁石を密に配置することで、レアアース(希土類)素材の削減を可能にした。

また、インバーターは、バッテリーの直流をモーターの交流に変換するだけでなく、パワートレインのあらゆる制御電子回路の役割を担っている。

例えば、第2世代のeパワー車用インバーターは、半導体を第1世代より40%小型化し、内部のワイヤーハーネスを廃止して、回路基板などの部品を直接接合している。X-in-1では、シリコンカーバイドチップの導入により、電力密度はさらに高まる。

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みんなのコメント

43件
  • 日産はBEVの先駆者だったのにナンで伸ばせなかったんだろ?
    日本国内のトヨタに偏った異常市場のせいか分からんがテスラに中華車に追い付くのは至難の業になってしまった
  • BYDは既に8in1を採用して世界中で販売している。
    いまさら何を言ってんだか!
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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