日産はオールラインアップ試乗会を開催し、autoproveも参加してきたが、いいタイミングなので、日産の中期経営計画を読み解きながらお伝えしよう。<レポート:高橋明/Akira Takahashi>
この日、自動車メディア向けに用意されたモデルはリーフや、ノート、セレナのe-power、ジュークやエクストレイルハイブリッド、フーガやデイズ、フェアレディZ、GT-Rなど、まさにオールラインアップなのだが、特に新型車が用意されているわけではなかった。また、試乗プログラムの中に、インテリジェント エマージェンシーブレーキ、プロパイロット、そしてチョイモビ試乗という項目があり、狙いはインテリジェントモビリティの流れの中で、改めて具体的なプロダクトの確認をするということだと思う。
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つまり、日産が掲げる「Intelligent mobility」とは、「intelligent drive」、「intelligent power」、そして「intelligent integration」という3つの項目で、クルマを未来へと導くとしているが、これが日産の成長戦略の要となっているわけだ。
2018年4月に中期経営計画のラウンドテーブルが行なわれている。この時、副社長のダニエレ・スキラッチ氏と専務執行役員の星野朝子氏がプレゼンテーションをしている。スキラッチ氏はアジアオセアニア統括で、星野氏が国内担当という立ち位置でのプレゼンテーションだった。
少し振り返ってみたい。
2017年4月から日産は『nissan m.o.v.e. to 2022』という中期経営計画で活動をしている。2022年に向けて、という意味だが、m.o.v.e.はMobility、Operational excellence、Value for customer、Electrificationの頭文字を取ったものだという。
そしてこの中期経営計画を推し進めるにあたって、Intelligent mobilityは日産グループにとってフラッグシップの市場であるということも明言している。目標としているのは言うまでもなく、持続可能な成長ビジネスであり、着実な利益構造と、技術の進化である。興味深いのは、この時インキュベーターとしての役割を重視していることもある。が、起業支援については別な機会に触れてみたい。
■成長戦略
スキラッチ氏は、6か年計画を持続可能な成長に向けて実施する項目として、売上目標を12.8兆円から16.5兆円に、フリーキャッシュフローは2.5兆円を目指すとし、営業利益率8%を目標としていると説明。そのための戦略は3つの柱になる。
1.日本、中国、アメリカ、メキシコで利益を創出する。
2.投資の刈り取りを開始する。特にブラジル、ロシア、インド、アルゼンチンと、インフィニティとダットサンへの投資の刈り取りである。
3.ブランド力をフルに発揮して、地域とのリーダー(他社)との差を縮め、中東、ASEAN諸国での成長を目指す
というものだ。特に国内市場の成長は中期経営計画を達成するために重要と位置付けられ、セグメントNO1のモデルをできるだけ多く創出することを目指すとしている。特に、電気自動車、ミニバン、コンパクトカーを2022年末までにNO1にしたいという目標がある。
そして技術的な裏付けとして、e-powerとプロパイロットを位置付けており、すでに人気のある技術であるとしている。
さて、前述のintelligent mobilityには自動運転、電動化、コネクティビティとモビリティサービスがあり、自動運転の拡充をすすめ、無人運転車両や配車サービスの提供に早期に参入することも発表していた。
そのため、中期計画ではリーフやNV-e200に加えて、8車種の電気自動車を日産グループで販売する予定としており、2020年の初頭から開始するとしている。
■国内成長戦略
これが大きなポイントになる部分で、星野朝子氏は、intelligent mobilityの象徴となるラインアップの強化をし、その価値を体験できる販売ネットワークを構築すると説明している。そしてユーザーとのタッチポイントではシームレスに、そして個人にフォーカスするタッチポイントを形成し、ユーザーに密着したセールスをどんどんやっていく組織を作っていくとしているのだ。
そのために2022年までに3つのEV新型車を発売し、販売の4割を電動化された車両にする。そして2025年には2台に1台が電動駆動車とすることを目指している。こうした商品ラインアップが商品競争力の強化という位置づけになっているのだ。
ユーザーとのコミュニケーションでは、電動化は乗ってみるとその衝撃から購入というケースも多く、とにかくタッチポイントを増やす、としている。またプロパイロットも購入前は不要というユーザーも多いが、一度経験してしまうと、離れられないという人がほとんどだという。したがって、デジタル体験が重要になり、タッチポイントがシームレスになる必要があるとしている。
そのためには、販売力の強化ではあるが2017年4月から国内を6つの地域に分け、東北、関東、首都圏、中部、西日本、九州とし、それどれの地域で起きていること、販売店との距離、ユーザーとの距離を縮め、即座に意思決定できる権限を渡し、アクティブに、素早く反応できるようにするため、それぞれの地域にオフィスも設置している。
つい最近もノートe-powerの4WDが発売されたが、発表会は札幌の販売店で行なったという。4WD切望の声は豪雪、北海道の販社からの声が大きく、こうしたリージョンで起きていることに素早く対応した実例でもあるということだ。
そしてもうひとつがchange the gameと位置づけられている、市場を変革するという新たなモビリティサービスについても積極的に行なうとしている。つまりは、このe-shareという新たなサービスプラットフォームは、いろいろなところで伸びるポテンシャルであると判断しており、このプラットフォームを使った新たなビジネスも考えていくとしている。そして、ゆくゆくはRide sharingになっていく社会に向けてのベースと位置付けているというわけだ。
■試乗会
こうした背景を踏まえると、冒頭のメディア向け試乗会でのマスト体験イベント、インテリジェントパーキングやエマージェンシーブレーキ、そしてチョイモビ試乗といったものを我々メディアが体験し、日産が目指すm.o.v.e. to 2022を推し進めていくために、まずは自動車メディアも理解しておく必要があるというわけだ。
具体的には、既存の車両、技術になるので、今回、具体的なレポートは記さないが、背景を理解し日産の成長戦略におけるプロダクトの在り方は、注目しておきたいと思う。また、2018年12月に開幕するフォーミュラEではいよいよルノーからNISSANが参戦するわけで、こうしたintelligent mobilityにおける電動化には欠かせない技術にもトライしていくことがよくわかる。
もちろん、この先の自動運転に関する技術の進化も見守る必要があり、興味深かったインキュベータ―としてのnissanにも注目しておきたい。
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