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ハーレー パンアメリカ1250試乗~目指すはクラストップ! 名実ともに阪神タイガース佐藤輝明選手なみの大型ルーキーがやってきた!!

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ハーレー パンアメリカ1250試乗~目指すはクラストップ! 名実ともに阪神タイガース佐藤輝明選手なみの大型ルーキーがやってきた!!

■エヴァンゲリオン劇場版くらいに待ち遠しかった!

 プロトタイプが初めて展示されたのは、2019年秋のEICMA(ミラノモーターサイクルショー)。クルーザーをメインにラインナップしてきたハーレーダビッドソンが、新たなセグメントにチャレンジすることを知り、筆者(青木タカオ)は期待とほんの少しばかりの不安で、興奮冷めやらなかったことをよく覚えています。

ヤマハのバイクに似てる!? ハーレーがストリートファイター「ブロンクス」を発表

 あれから、どれほど待ち遠しかったことでしょうか。EICMAで同時に発表されたストリートファイターモデルは製品化が見送られた模様で、パンアメリカもそうならないか心配でしかありませんでした。

 市販デビューまでの時間は、延期を繰り返す「シン・エヴァンゲリオン劇場版」の公開を待つのと同じくらいに焦らされる日々。庵野秀明がんばれ! ハーレーダビッドソンがんばれ!! といったファン心理で見守っていたので、こうしてパンアメリカに乗れる日を迎えたのは、じつに感慨深いのです。

■ライバル多き激戦区に最後発で挑む!

 欧州ではアルプスローダーとも呼ばれ、ダートを含む山岳路を走破し、長い道のりも快適にこなすマルチパーパスな性能が求められるアドベンチャーというセグメント。世界一過酷とも言われるパリ・ダカールラリーで培った技術をもとに、BMWら欧州ブランドが80年代からシーンを牽引し、ホンダやヤマハら国産も早くから参入して人気モデルを生み出してきました。

 そんな激戦区のクラスに、最後発として挑戦するハーレーがパンアメリカをどんなふうに仕上げてきたのでしょうか。興味は尽きません。

■唯一無二の病みつきスタイル

 実車を見てまず感じるのは、戦車やジープを思わせるような武骨さ。写真で見たとき、正直なところスタイリッシュとは思えませんでしたが、実物を見ていくうちにだんだんと引き込まれていきます。

 これはハーレーではよくある“ハーレーあるある”で、ロードグライドなど歴代モデルのデビュー時も違和感でしかありませんでしたが、見慣れていくうちに脳内でカッコイイと意識が変換されてしまうから不思議としか言いようがありません。

 魔法にでもかかったかのように、ファンを虜にさせてしまう。第一印象が悪いのに、気がつけば好きで仕方がなくなっているのはラブコメ漫画にもよくあるパターン。ハーレーに熱狂的ファンが多い理由のひとつかもしれません。

 それほどにスタイルが斬新なわけですが、たとえ新参者であっても競合他社の人気モデルに似せていかないプライドを持ち合わせているのが“らしさ”ともいえるでしょう。

■佐藤輝明に匹敵する大型ルーキー!!

 我が道を行くと言わんばかりの主張を、怖いもの知らずのような面構えから感じ、それはもうルーキーながらオールスターゲームのホームランダービーにも出場してしまう阪神タイガースの佐藤輝明選手のような堂々たる姿と重なってなりません。

 ハーレーダビッドソンジャパンの野田一夫代表取締役社長に聞くと、「発表と同時に予約が入り、販売は予想以上に好調で、初年度から大排気量アドベンチャークラスで売上上位が見込める」と自信タップリ。これもまた、すでに20本の本塁打を放ち、シーズン・ホームラン王争いにも加わる佐藤選手のような大者っぷりではないでしょうか。

■足つき性への不安解消するARHは大きな武器

 跨って感動したのは、上級機種となるスペシャルが標準装備する「アダプティブライドハイト(ARH)」。走行中は前後190mmのサスペンションストロークを最大限に活かし、停車時には自動的にスプリングにイニシャルプリロードをかけてシート高を低くし、足つき性を向上する量産二輪車初の新技術です。

 830~873mmで調整され、最大43mmもシートが下がり、アドベンチャーモデルでは覚悟しなければならない足つき性の悪さを解消しました。

 野田社長によれば、9割以上の受注がARH装備のスペシャルに集中しているとのこと。身長175cmの筆者だと、片足立ちならカカトまでベッタリ地面に足が届きます。この機能、大きな強みとなること間違いなしでしょう。

■ダートも期待以上の走破性!

 エンジンは完全新作のDOHC4バルブ水冷60度Vツイン、その名も「レボリューションマックス」。30度位相クランクによって点火タイミングは90度Vツインと同じとなり、優れたトラクション性能を獲得しています。吸/排気に独立した可変バルブタイミングを備え、全域スムーズでフラットな出力特性とし、扱いやすさが際立つのでした。

 フロント19インチの穏やかなハンドリングとフレームレス構造で剛性が最適化された車体、余裕あるサスペンションストロークがバランスよく調和し、コーナーも気持ちよく駆け抜けられます。

 車体重量はスタンダードで245kg、スペシャルで258kgとヘヴィながら、オフロードもトラクションの良さを活かし、重戦車のようにグイグイ前へ進みます。フロントカウルはフレームマウントで、ステアリングフィールも軽快。サスペンションがよく動いて、フラットダートなら期待以上の走破性の高さでした。

■装備を考えるとスペシャルがお買い得

 最後に気になる価格について触れておきましょう。ビビッドブラックの場合、スタンダードモデルのパンアメリカ1250が231万円、パンアメリカ1250スペシャルが273万1300円。ARH付きの電子制御サスやコーナリングランプ、ステアリングダンパー、専用ガード類、センタースタンドなどスペシャルには価格差以上の装備が盛り込まれ、お得だと感じました。

 繰り返しになりますが、シート高を停車時に自動で下げるARHは体感してしまうと欠かせない装備となりそうで、パンアメリカの武器となるはず。またじっくりと時間をかけて、パンアメリカに乗る日を楽しみにしています。

■【動画】ハーレーダビッドソンジャパン野田一夫代表取締役社長に聞く

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