この記事をまとめると
■かつてのターボ車はアフターアイドリングが推奨されていた
トラックとターボは切っても切り離せない関係! 燃費とパワー&トルクを両立するダウンサイジングディーゼルターボが万能選手だった
■最近のクルマは素材や性能が向上したことでアフターアイドルは不要になった
■サーキット走行などで高負荷がかかる場合は走行後のクーリングが必要だ
いまでもアフターアイドルは必要?
かつてターボチャージャーといえば、パワーを追求するための切り札だったが、昨今は燃費を稼ぐためのダウンサイジングターボが主流になってきている。
目的が違えば使い方も変わってくるのは当然で、1990年代までのターボ車は、毎分10万~16万回転という高回転と高温に晒されるターボチャージャーのローターシャフト(軸)の焼き付き等を防ぐため、自動車メーカーも「走行後は1~3分程度アイドリングしてください」と注意を促し、アフターアイドリングを奨励していた。
また、イグニッションキーをオフにしても、指定した時間どおりに自動でアフターアイドリングを行ってくれる「ターボタイマー」というアフターパーツも普及していた(ターボタイマーはいまでも市販されている)。
しかし、最近のクルマはターボ車であってもアイドリングストップ機能がついていることからもわかるとおり、アフターアイドリングは基本的に必要ない。それはターボ本体をはじめ、エンジンオイル、センサー類、オイルポンプなどが大きな進歩を遂げたから。
ターボ本体は熱に強い素材に変わってきて、精度も大幅に向上。軸受けもフローティングタイプではなくボールベアリングタイプが増えてきて、エンジンを止めたとしても、ターボはその後1分ぐらい慣性で回り続けていることもあるぐらい。ターボの軸受けも水冷式が当たり前だ。
エンジンオイルの進化も大きく、酸化劣化に強くなり、環境性能を重視してどんどん交換サイクルが伸びている。デポジット(不完全燃焼物)の発生も比較にならないほど改善されているので、エンジンやターボを守ってくれる。
そしてオイルポンプも、ハイブリッド車やアイドリングストップのクルマは、従来のメカニカルポンプが使えないため、エンジンがストップしてもオイルを供給できる電動オイルポンプが登場。ECUが判断し、必要があればエンジン停止後もオイルポンプを回してくれるので、結果的にアフターアイドリングは不要になったというわけだ。
これらを総合的に考えると、一般道でも高速道路でも法定速度内で走っている限りは、アフターアイドリングの心配はしなくていい。とくに高速道路では、速度が速いぶん、エンジンルームに外気がどんどん入ってきて熱気が抜けていくし、エンジンの回転数も比較的低く安定しているので、ターボの負荷は小さいぐらい。
山道で長い上り坂が続いたときは低速で高負荷が続くので少し条件が厳しくなるが、途中の休憩スペースに入る前、少しゆっくり走ってクールダウンを入れてやるか、駐車場に入ってから1~2分うろうろしたり、停車してからクルマを降りるまでの間、1~2分アイドリングで待機していればそれで十分。
例外なのは、高回転高負荷が続くサーキット走行で、サーキットを全開走行したときは、ピットに入る前、1周以上クーリングラップを入れて、パドックに戻ってきたら、ボンネットを開けて5分ぐらい、エンジンを回したままにしておくと安心だ。
それ以外はアフターアイドリングのことを考えるより、高品質のオイルを規定の交換サイクルで交換するほうがよっぽど大事。
オイル管理さえしっかりしていれば、アフターアイドリングのこともターボタイマーのことも忘れてしまって構わないだろう。
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みんなのコメント
メカチューン4AGの時、暖機しないと全然エンジン回ってくれなくて、ターボタイマー付けてやると終わる頃には水温が70℃位まで上がってるんで色々捗りました