バーレーン・インターナショナル・サーキットを舞台にF1 2023年シーズン開幕戦バーレーンGPがスタート。最初のセッションとなるフリー走行1回目では、セルジオ・ペレス(レッドブル)がトップタイムをマークした。
FP1は現地時間14時30分からの1時間のセッションということもあり日が高く、セッション開始前の気温は27度、路面温度は42度と、涼しい夜に行なわれる予選や決勝レースとはコンディションが大きく異なった。
■角田裕毅、デ・フリーズとのフィードバックの違いにも動じず「重要なのは、クルマ自体のパフォーマンスを上げること」
セッションが開始されると、ウイリアムズのアレクサンダー・アルボンを先頭に続々と走行を開始。ほとんどのドライバーがミディアムタイヤを履いて、コース上でマシンの感触を確かめた。
先週には同地でプレシーズンテストが実施され、各チームが様々なセットアップやパーツを試していたが、このFP1でもウイリアムズやアルピーヌはマシンに空気の流れを計測するエアロレイク(エアロリグ)を装着して序盤の走行を行なった。フェラーリも空気の流れを確認する塗料、フロービズをリヤウイングに吹き付けて走行を行なったが、そのリヤウイングはマシンが縁石を乗り越えた際に大きく左右にしなる様子を見せていた。
FP1でまずタイムシートの上位に名を連ねたのは昨シーズンにダブルタイトルを獲得したレッドブル勢と、今季からアストンマーチンへ移籍したフェルナンド・アロンソ。アストンマーチンはテスト結果を受けて、トップチームの仲間入りをするほどの実力を秘めているのではないか、というのが下馬評だった。チームメイトのランス・ストロールは、自転車の転倒事故により手首を骨折しテストを欠席していたが、開幕戦には間に合わせることが叶った。
今年から初のF1フル参戦を果たす”新顔”も序盤から積極的に走行を実施。アルファタウリは参戦3年目を迎える角田裕毅のチームメイトに遅咲きのニック・デ・フリーズを起用、マクラーレンはダニエル・リカルドの後任としてオスカー・ピアストリ、ウイリアムズは育成からローガン・サージェントを起用した。
セッション折り返しを前に、レッドブル勢が2セット目のタイヤとしてソフトタイヤを投入。ペレスが1分32秒758のトップタイムを記録し、チームメイトのマックス・フェルスタッペンが0.617秒遅れで2番手に続いた。
残り30分というところで、レッドブルに続いて新品タイヤに切り替えるドライバーも多くなった。ソフトタイヤ勢が軒並みタイムを上げ、ピアストリや角田、デ・フリーズらもトップ10圏内に顔を出した。
少しでも走行マイレージを稼ぎたいストロールだったが、イグニッショントラブルによりセッション前半にタイムを出すことができず。しかし、残り25分というところで連続周回を開始することができた。
フェラーリのカルロス・サインツJr.は2セット目もミディアムタイヤを投入したが、ターン9手前でマシンの挙動を乱して360度スピン。幸いバリアにマシンを当てることは無かったが、タイヤへのダメージは大きくピットインを余儀なくされた。
アルファロメオの周冠宇にはペダル位置の問題が発生したものの、セッション中に修正することはできないとチームは判断し、問題を抱えたまま新品ソフトタイヤでの走行を始めることとなった。
その周はレッドブル勢とランド・ノリス(マクラーレン)に次ぐ4番手に浮上。1分34秒575で、先にタイムを出していたチームメイトのバルテリ・ボッタスをひとつ上回った。
セッションが残り15分を切ると新しいタイヤを投入するチームも増え、アロンソがソフトタイヤで1分33秒196をマークしてレッドブル勢に割って入り、続けてソフトタイヤを投入したハースもタイムを上げた。
赤旗もなく1時間のセッションが終了し、ペレスがセッション中盤に出したタイムで最速。アロンソが2番手でフェルスタッペンを先行した。
4番手にはノリス、5番手にはフェラーリのシャルル・ルクレールが並び、ストロールも終盤に6番手にまでタイムを上げた。7番手にはマグヌッセン、その後ろにアルファロメオ勢とメルセデス勢が続いた。
角田はそこからピアストリを挟んで13番手。タイムは1分35秒015で、計19周を周回した。終盤にタイヤをロックアップさせるシーンもあったが、チームメイトを上回るまずまずの速さを見せた。
なお、フェラーリやメルセデス、アルピーヌ、ウイリアムズといったチームはソフトタイヤを使用することはなくFP1を終えた。予選や決勝のコンディションと似ているFP2までその時を待つようだ。
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