初対面のクルマも何台かあり満足の旅でした
世界の自動車博物館を巡ることをライフワークとしている原田 了氏。今回2024年初夏の旅では北欧に引き続き、イギリスの自動車博物館を取材することができました。どんなクルマと出会えたのかお伝えしていきます。
スウェーデンで自動車博物館ハシゴ旅! たまたま「サーブ9000生誕40周年記念」イベントに遭遇、取材を忘れるほど最高の旅でした
手違いから搭乗不能!? の危機を乗り越える
スウェーデンでの博物館取材旅では7軒の博物館を巡り(さらに1カ所の臨時休館や、クルマ関連の展示がされてない博物館にも立ち寄り)、実質5泊5日で約3000kmを走る強行軍だったけれど、十分な成果を得て気持ちよくスウェーデンを後にすることになりました。
取材でスケジュールを立てる際には「効率よく」が基本線。航空機の移動も早朝の便を予約することが多いのです。今回もまたコペンハーゲンからロンドンへの便も、マルメ空港を朝7時半に発ってヒースロー空港に8時35分到着の日本航空(JAL)便で向かうことにしていました。
羽田からフィンランド・ヘルシンキのヴァンター空港経由でデンマーク・コペンハーゲンのマルメ空港までは、フィンランド航空などとの共同運航便でしたが、羽田ではJALのスタッフが搭乗券を発券してくれたので何の問題もありませんでした。
マルメ空港では共同運航便を運航する英国航空(BA)のカウンターで発券してもらうことになっていました。そこで問題が発覚。「あなたの名前は搭乗者名簿に載っていません」と言われてしまいました。パスポート・チェックインで良いと旅行代理店から説明されていたので、契約書など何も手許に用意せずに臨んだのも迂闊でしたが、「BAの本社に電話しろ」と言われてもねぇ。
「そんなこと(もちろん英語で交渉すること)ができるなら、これまでこんなに苦労はしてねえよ!」と思ったものの、それを英語で話せないこともあり、多くの旅行者が搭乗手続きをするのを横目で睨んでいたら、端っこのカウンターにいた担当者が「こちらに来い」と呼び掛けてくれた。そちらのカウンターに移って待っていると、どうやらBAの関係者と連絡を取っていたようで、飛行機が本来出発する時刻が近づいたところでようやく搭乗券が発行され「これで搭乗できるから、もう時間もないから搭乗口に急いで!」と言われました。
「時間が無くなったのはそっちのせいじゃないか!」と言いたいところでしたが、それを言うだけの語学力もないし、本当に時間もギリギリだったのでセキュリティチェックに向かい、列の最後に並びながら空港係員を探してイケメンの男性職員に先導されチェックを急いで通過。なんとか搭乗することができました。
後でJAL便のCAさんに訊ねてみました。
「そのケースで実際どうだったのかは分かりませんが、JALにお問い合わせいただいても、BAさんの方に連絡して、あとは相手からの連絡を待つだけなんです」
まぁ今回は予定していた便に乗れたからよかったけど……。
ボクスホールを訪ねてゲイドンへ
怒り心頭だったのですが、BA便に搭乗したところ最初に供されたウェルカムドリンク(って言っていいのか?)のぶどうジュースが美味くて、怒りはスッと収まってしまいました。もうひとつ嬉しかったことはロンドンに到着してレンタカーをピックアップしたら、契約通りというか、ボクスホール「コルサ」が用意されていたこと。スウェーデンで乗っていた左ハンドルのオペル「コルサ」よりも、やがて国内に導入されるであろう右ハンドルのオペル コルサをイメージするにはより相応しいはずで、試乗記はまた別の機会に。
そんなボクスホール「コルサ」をドライブして最初に向かったのはルートン。ロンドン郊外、ヒースロー空港から北に向かって約60km、クルマで1時間足らずの小さな町ですが、ここでこの日開催されるヒストリックカー・イベント、フェステイバル・オブ・トランスポート(Luton Festival of Transport)を取材するとともに、このイベントに合わせて一般公開されるというボクスホール・ヘリテージ・センター(Vauxhall Heritage Centre)も取材しようと考えたからです。
ただし現地で確認したところ同センターは、ゲイドンにある大英自動車博物館(The British Motor Museum)に移転した、とのこと。ルートンからゲイドンは約110km、クルマで走っても1時間半程度だから、これはもう行くしかない! とフェスティバルの取材もそこそこに、ボクスホール コルサはゲイドンに向かって出発しました。なおフェスティバル自体は手創りのクルマ関連イベントで、旧車の展示から旧車パーツのフリーマーケットまで少なくない出展が見られたものの、これだけを目的に渡英するほどの希少性(もしくは貴重性)を感じるものではありませんでした。
英国製のヒストリックカーにとっては、まさに「聖地」
ゲイドンにある大英自動車博物館は2016年にリニューアルオープンしています。もともとは1968年に誕生したブリティッシュ・レイランド・モーター・コーポレーション(BLMC)が、統合された多くのブランドの歴史的車両コレクションを収蔵管理するために設立したレイランド歴史車両部門がベースとなっています。
その後、ブリティッシュ・モーター・インダストリー・ヘリテージ・トラスト(BMIHT)が設立され現在に至っています。つまり英国のメーカーがこぞってヒストリックカーを保管収蔵する基地、言い換えるなら英国製のヒストリックカーにとっては、まさに「聖地」なのです。
2016年のリニューアル直後に訪れていたのですが、この時にはまだボクスホールのヘリテージは移転されておらず、サンビーム「アルパイン」やオースチンの「A40」、トライアンフ「2000」などが展示されていた中2階のステージに、今回はお目当てのボクスホール・ヘリテージのクルマが展示されていました。ただし台数的には20台足らずで、少し寂しいところはありましたが、初対面のクルマも何台かあり、まずまず満足することができました。
当初飛行機で訪れるはずのスコットランドにクルマで
大英自動車博物館でボクスホールのヘリテージの取材を終えて、当初の予定からスケジュールを組みなおしてエディンバラのスコットランド国立博物館(National Museum of Scotland)を目指すことにしました。ルートンの取材にもう少し時間がかかると思っていて、この日はルートンに宿をとり、翌日から3日間の内に飛行機でエディンバラに飛ぶ予定にしていたのですが、ゲイドンまでクルマで移動したためにエディンバラへの道程は約330マイル(約530km)。どこか途中で宿をとればそんなにハード(過酷)でもないだろうと決断したのです。
そこで240マイルほど走ってスコットランドのグレトナ・グリーンでサービスエリア内にあるモーテルに投宿。結果的には翌日、エディンバラの国立博物館からグラスゴーにあるリバーサイド博物館に回り、その日もモーテルに連泊でした。
スコットランド国立博物館での目的は、ジャッキー・スチュワートがドライブしたティレルの初号機、「001」でした。しかしインフォメーションデスクで聞いたところ、スチュワートさんが持ち帰られた、とのことでご対面ならず。スチュワートとジャガー、そしてレッドブルの3段重ねの写真を撮り早々に引き上げました。
カイスター城自動車博物館のスケールの大きさに驚かされた
そして訪れたのがグラスゴーにあるリバーサイド博物館(Riverside Museum)です。クライド川の港に面したエリアに、2011年に移転オープンした博物館は、その展示内容よりも建屋で注目を集めています。というのも日本の新国立競技場の、当初のデザインで話題を呼んだザハ・ハディッドがデザインしたもので特徴的なビルディングは、当地のグランドマークとなっているようです。
その特徴的な建屋内部には新旧さまざまなクルマが収蔵展示され、満足度としてはクルマ好きの期待にも十分なレベルでしたが、壁面いっぱいにクルマを配置したり、スロープの上にクルマを並べたり、と見づらかったのが気になりました。
月曜の夜にグレトナ・グリーンに連泊した後、ヒースローに向かいながら火曜にはレイクランド自動車博物館(Lakeland Motor Museum)を、水曜にはカイスター城自動車博物館(Caister Castle Motor Museum)を訪ねました。
どちらも個人博物館ですが、カイスター城自動車博物館のスケールの大きさには驚かされました。20台前後のクルマが展示された脇の回廊を行って帰って観ていくのですが、展示車両の台数は約200台。それだけでも十分にお腹いっぱいでしたが、個人的にはジム・クラークが1966年のアメリカGPで勝ったBRMのH16エンジンや、同エンジンを搭載したBRM「P83」を見ることができ、とても感動。次回はヒースローからフランクフルトに飛び、クルマで延々走ったヨーロッパ道中記をお伝えします。
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みんなのコメント
この写真にあるオレンジ色の珍車はなんてクルマなんだよ??
これじゃ単なる旅行記で肝心の見てきたクルマの事や説明は
抜けまくりじゃねーか?中学生の書いた修学旅行の感想文
みたいなヘボな記事を載せてんじゃねーよカス!!