イギリスからなかなか興味深いニュースが舞い込んできた。日産リーフの再生バッテリーを生かしたキャンプ用電源のコンセプトが発表されたのだ。
「キャンプに電気なんていらないよ!!」という硬派なアウトドア好きには申し訳ないが、担当はアウトドアだろうが電気が少しはあったほうが嬉しい。
なんと日本でも販売決定!! ホンダ「e」 驚愕の後輪駆動で2020年に日本発売!!!
また災害大国日本において、緊急避難先としての車中泊も注目されている。もしものときクルマに電源が付いていればこれほどありがたいことはない
当企画では新しい再生バッテリーの活路を紹介するとともに、現在の日本国内での再生バッテリーの現状を日産に聞いてみました。
文:ベストカーWeb編集部、永田恵一/写真:NISSAN、ベストカー編集部
■再生バッテリーをポータブルバッテリーに
EVは排ガスも出ないし、環境にいいイメージも強いけれどどうしても現状ではバッテリーの問題を考えないわけにはいかない。
それは充電時間、充電スタンドの場所など日常的な課題もあるが、蓄電量が減ってきたバッテリーの再生も大きな課題だ。
日本にもリーフなどから回収されたバッテリーを再生する工場ができたが、そこまでバッテリー再生が世間的に認知されているわけでもない。
そんななか日産ヨーロッパは2019年1月のブリュッセルモーターショーで「エナジーローム」と呼ばれるポータブルバッテリーを発表した。こちらは2019年に発売される予定だ。
最大700Whの蓄電容量を誇り最大出力は1kWというこのエナジーロームを使って、快適にキャンプをしちゃおうぜというのが今回紹介するコンセプトモデル。
「NISSAN×OPUS キャンパーコンセプト」と呼ばれるこのコンセプトは、OPUS(オーパス)と呼ばれるトレーラー式のキャンピングカーと日産がコラボしたモデルになる。
そもそもOPUS自体がかなり凄いので紹介したい。OPUSはピックアップトラックなどにけん引されるトレーラーで、エアポンプの力でテントが展開できる。
ペグを打ち込む必要もないし、テントが組み立てられなくて家族に興ざめされる瞬間もなく、快適に簡単にアウトドアを満喫できる素晴らしいコンセプト。
さらにそこに電動ポンプを備えた蛇口や、ガスコンロなども装備しており、まるで自分の秘密基地を運び出しているようだ。
価格は2人用のベッドを備えた仕様は約230万円(オーストラリア価格)と値は張るものの、秘密基地感は圧倒的なのだ。
興奮してOPUSの説明が長くなりすぎたが、このOPUSに日産の再生バッテリーを搭載して電化製品の使用をもっと長くできるようにしたのが今回のコンセプト。
前述したエナジーロームに加えてソーラーパネルも装備することで、1週間程度のキャンプでも電化製品を使うことができるという。
仮に価格が300万円としても、トラックベースのキャンピングカーを買うより安いし日本のアウトドア愛好家でも買う人が続出かも!?
日本なら災害時のライフスペースとしての活路もありそうで、今後の展開が気になるところ。
■日本での再生バッテリーの現状はいかに?
(TEXT:永田恵一)
【再生バッテリーの出荷状況は?】
日産では2018年3月26日にリーフの使用済みバッテリーからコンディションのいいものを集め、バッテリーが劣化した24kWhの先代リーフに再生バッテリーを搭載するという有償交換プログラムを発表している。
再生バッテリーを搭載するとバッテリー容量は、メーター内のバッテリー残量計の外側にあるバッテリー容量の表示が新品で12セグメントに対し10セグメント(72.5~78.75%)への回復が保障される。
なお再生バッテリーを生産する工場は東日本大震災で甚大な被害を受け、テレビ番組「鉄腕DASH」の人気コーナーのDASH村があった福島県浪江町にある。
さて再生バッテリーの有償交換プログラムが発表され約1年が経った現時点での先代リーフへの交換用の再生バッテリーの販売台数は、日産広報部によると日本国内で約100台だという。
約100台という販売台数はバッテリーの劣化で航続距離が短くなり、「そろそろバッテリーを交換したい」と考えたくなる7~8年落ちの先代リーフは日本に2万台程度。
そのうちの100台と考えると予想以上に少ない印象だ。この理由は再生バッテリーの有償交換プログラムのPRが進んでないこと。
さらに24kWhの再生バッテリーの価格が30万円なのに対し、新品だと65万円なのでバッテリー交換による回復度合いを考えると再生バッテリーを選ぶ人があまりいないといったことが筆者には浮かぶ。
どちらにせよ再生バッテリーの現状は少し厳しそうだ。
【 再生バッテリーに大容量版はラインナップされるのか?】
中期型までの先代リーフが搭載していた24kWhのバッテリーの価格は再生、新品ともに前述した通りだ。
今後のこととして気になるのが先代リーフの後期型で加わった30kWhと、現行リーフの標準モデルの40kWhの再生バッテリーの価格(新品は30kWh/80万円、40kWh/82万円)。
この点については日産広報部によると、「30kWh、40kWhの再生バッテリーも準備していくことになりますが、現時点で価格など将来の計画を説明差し上げることはできません」との回答だった。
【今後の再生バッテリーの取り組みについて】
現時点では当記事で紹介したキャンピングトレーラーの電源用として車両への搭載が発表されている再生バッテリー。
今後の取り組みについて日産広報部に聞いてみた。
「リーフの交換用に再生バッテリーを使用するだけでなく、4Rエナジーで再整備したバッテリー、再生バッテリーを色々な用途に活用することを計画しています。
具体例としましては、再整備したEV使用済みバッテリーを活用したマルチ超急速充電器の開発を、協力会社と進めております」
(日産広報部を通した再生バッテリーの生産を担当する4Rエナジー社としての回答)。
全体的に再生バッテリーの現状は道半ばというのが率直な印象だが、電気自動車に搭載されるバッテリーはバッテリーだけでも相当幅広い利用価値があると思われる。
資源の有効活用やエネルギー事情の改善のためにも、再生バッテリーの今後の展開には大いに期待したい。
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