自動車オークションの落札価格の世界記録が生まれた。
舞台となったのは、北米カリフォルニア州モントレーの名門ゴルフコース「ペブルビーチ・ゴルフリンクス」が会場のコンクール・デレガンスである「ペブルビーチ・コンクール・デレガンス」。その会場で併催されたRMサザビーズ社のクラシックカー・オークションでのことであった。
4840万5000ドル(約54億円)で落札されたクルマは、フェラーリの歴史的名作「250GTO」だ。フェラーリ 250GTOは「Gran Turismo Omologato」の頭文字から採られた車名が示すように、スポーツカー耐久レースのために開発・製作されたホモロゲーション・モデルである。
1962年シーズンの国際マニュファクチャラーズ選手権完全制覇を目論んだフェラーリが、250GT・SWBをベースに製作したモデル。鬼才ジョット・ビッザリーニの原案に基づいてSWBのボディを主に空力面で徹底的にリファインし、250テスタロッサ用の高出力型3.0リッターV12気筒エンジンを搭載したのが大きな特徴だ。
フェラーリの目論み通り、1962年シーズンは完全制覇。その後も1963年、64年と3年連続でタイトルを獲得した。特に1964年シーズンでは、ミドシップ車の「250LM」で採用した当時最新の空力技術を反映したシリーズ2を3台、さらに4.0リッターエンジン搭載車を3台、新たに製作した。全部合わせても総製作台数は39台のみと言われている。
過去の最高落札額もフェラーリ 250GTO
フェラーリ 250GTOはレースシーンでの華々しい戦歴もあり、今なお多くのファンを擁する人気モデルだ。それだけに、ここ10年ほどで、凄まじいまでの高騰ぶりを見せてきた国際クラシックカー・マーケットの躁状態を象徴する超人気モデルでもある。
今回の250GTO以前に、これまで自動車オークションにおける落札価格の世界記録を保持していたのも、実は250GTOだ。2014年8月14日に同じくモントレーのクウェイルロッジで開催さした「ボナムズ・オークション」に出品されたモデルで、その落札価格は3811万5000ドル(当時の邦貨換算で約39億円)であった。
また2011年秋には、未公開の個人間ディールではあるものの、当時の史上最高額の5200万ドル(当時の邦貨換算で約53億円)で取引されたほか、今年6月にはやはり個人間の取引で、1964年のトゥール・ド・フランスで総合優勝を果たすなど、最も優れた戦歴を遺したといっても過言ではない250GTOが、実に5200万ポンド(邦貨換算で約76億円)で譲渡されたという。
そんな状況のもと、このほどRMサザビーズのオークションに出品された250GTOは、1962年4月に3番目の250GTOとして生産された車両とのこと。同年5月にイタリア・シチリア島の「タルガ・フローリオ」予選で前年のF1ワールドチャンピオンであるフィル・ヒルがトレーニングカーとして使用したのち、ジェントルマン・レーサーとして知られたエドアルド・ルアルディ・ガバルディにデリバリーされ、彼の手で1962年シーズンのイタリア国内GTのタイトルを獲得した。
翌1963年シーズンは、かつてのブルガリの当主、ジャンニ・ブルガリがマウリツィオ・グラーナと組んでタルガ・フローリオのGTクラスで優勝を果たしたほか、シリーズ2ボディに改装された1964年にもコッラード・フェライノ/ルイジ・タラマッツォ組のドライブでタルガ・フローリオのGTクラス優勝を果たすなど、実に輝かしい戦歴を残している。
今回のRMサザビーズのオークションでは、これらの来歴にくわえてオリジナルのエンジンやギアボックス、リアアクスルを保っている点が評価され、4500~6000万ドルのエスティメート(予想落札価格)が設定された。そして当日のオークションでは、4840万5000ドル(約53億7000万円)でハンマーが落とされることになったのである。
ただし、今回のオークション結果は、たしかに史上最高落札額となったものの、エスティメートをわずかに超える落札価格だったことから、「もっと高くなった可能性もあったのでは……?」という識者の声もある。とはいえ、クラシックカーの国際マーケット価格は、2010年代中盤をピークに小康状態で、高止まり傾向にあるとされているだけにこの価格は十分高値であると筆者は思う。
今回、フェラーリ 250GTOの高値落札を契機に、停滞気味のクラシックカー市場が再び活性化するかもしれない。今後の国際マーケットの動向に注目したいところである。
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