現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 約54億円! 史上最高の“落札額”となったフェラーリ250GTOは安いのか?高いのか?

ここから本文です

約54億円! 史上最高の“落札額”となったフェラーリ250GTOは安いのか?高いのか?

掲載 更新
約54億円! 史上最高の“落札額”となったフェラーリ250GTOは安いのか?高いのか?

自動車オークションの落札価格の世界記録が生まれた。

舞台となったのは、北米カリフォルニア州モントレーの名門ゴルフコース「ペブルビーチ・ゴルフリンクス」が会場のコンクール・デレガンスである「ペブルビーチ・コンクール・デレガンス」。その会場で併催されたRMサザビーズ社のクラシックカー・オークションでのことであった。

フェラーリ史上最強のV8ロードカー、488ピスタに試乗した

4840万5000ドル(約54億円)で落札されたクルマは、フェラーリの歴史的名作「250GTO」だ。フェラーリ 250GTOは「Gran Turismo Omologato」の頭文字から採られた車名が示すように、スポーツカー耐久レースのために開発・製作されたホモロゲーション・モデルである。

1962年シーズンの国際マニュファクチャラーズ選手権完全制覇を目論んだフェラーリが、250GT・SWBをベースに製作したモデル。鬼才ジョット・ビッザリーニの原案に基づいてSWBのボディを主に空力面で徹底的にリファインし、250テスタロッサ用の高出力型3.0リッターV12気筒エンジンを搭載したのが大きな特徴だ。

フェラーリの目論み通り、1962年シーズンは完全制覇。その後も1963年、64年と3年連続でタイトルを獲得した。特に1964年シーズンでは、ミドシップ車の「250LM」で採用した当時最新の空力技術を反映したシリーズ2を3台、さらに4.0リッターエンジン搭載車を3台、新たに製作した。全部合わせても総製作台数は39台のみと言われている。

過去の最高落札額もフェラーリ 250GTO

フェラーリ 250GTOはレースシーンでの華々しい戦歴もあり、今なお多くのファンを擁する人気モデルだ。それだけに、ここ10年ほどで、凄まじいまでの高騰ぶりを見せてきた国際クラシックカー・マーケットの躁状態を象徴する超人気モデルでもある。

今回の250GTO以前に、これまで自動車オークションにおける落札価格の世界記録を保持していたのも、実は250GTOだ。2014年8月14日に同じくモントレーのクウェイルロッジで開催さした「ボナムズ・オークション」に出品されたモデルで、その落札価格は3811万5000ドル(当時の邦貨換算で約39億円)であった。

また2011年秋には、未公開の個人間ディールではあるものの、当時の史上最高額の5200万ドル(当時の邦貨換算で約53億円)で取引されたほか、今年6月にはやはり個人間の取引で、1964年のトゥール・ド・フランスで総合優勝を果たすなど、最も優れた戦歴を遺したといっても過言ではない250GTOが、実に5200万ポンド(邦貨換算で約76億円)で譲渡されたという。



そんな状況のもと、このほどRMサザビーズのオークションに出品された250GTOは、1962年4月に3番目の250GTOとして生産された車両とのこと。同年5月にイタリア・シチリア島の「タルガ・フローリオ」予選で前年のF1ワールドチャンピオンであるフィル・ヒルがトレーニングカーとして使用したのち、ジェントルマン・レーサーとして知られたエドアルド・ルアルディ・ガバルディにデリバリーされ、彼の手で1962年シーズンのイタリア国内GTのタイトルを獲得した。

翌1963年シーズンは、かつてのブルガリの当主、ジャンニ・ブルガリがマウリツィオ・グラーナと組んでタルガ・フローリオのGTクラスで優勝を果たしたほか、シリーズ2ボディに改装された1964年にもコッラード・フェライノ/ルイジ・タラマッツォ組のドライブでタルガ・フローリオのGTクラス優勝を果たすなど、実に輝かしい戦歴を残している。

今回のRMサザビーズのオークションでは、これらの来歴にくわえてオリジナルのエンジンやギアボックス、リアアクスルを保っている点が評価され、4500~6000万ドルのエスティメート(予想落札価格)が設定された。そして当日のオークションでは、4840万5000ドル(約53億7000万円)でハンマーが落とされることになったのである。

ただし、今回のオークション結果は、たしかに史上最高落札額となったものの、エスティメートをわずかに超える落札価格だったことから、「もっと高くなった可能性もあったのでは……?」という識者の声もある。とはいえ、クラシックカーの国際マーケット価格は、2010年代中盤をピークに小康状態で、高止まり傾向にあるとされているだけにこの価格は十分高値であると筆者は思う。

今回、フェラーリ 250GTOの高値落札を契機に、停滞気味のクラシックカー市場が再び活性化するかもしれない。今後の国際マーケットの動向に注目したいところである。

こんな記事も読まれています

テラチャージが東京西徳洲会病院にEV充電器を導入予定 2024年秋
テラチャージが東京西徳洲会病院にEV充電器を導入予定 2024年秋
レスポンス
アキバ・スクエアでバイクイベント「8月19日はバイクの日 HAVE A BIKE DAY」を8/19開催!
アキバ・スクエアでバイクイベント「8月19日はバイクの日 HAVE A BIKE DAY」を8/19開催!
バイクブロス
今週は湖に繰り出す気マンマンだった……オジェの代役で急遽ラリー・ポーランド参戦のロバンペラ、準備不足は否めず「かなり厳しい」
今週は湖に繰り出す気マンマンだった……オジェの代役で急遽ラリー・ポーランド参戦のロバンペラ、準備不足は否めず「かなり厳しい」
motorsport.com 日本版
いまハイエースを売ったらいくらになる!? 2024年6月の買取相場
いまハイエースを売ったらいくらになる!? 2024年6月の買取相場
月刊自家用車WEB
3年ぶり刷新! 日産「新型“小さな”高級車」初公開! クラス超え「上質オシャレ内装」×斬新グリル&ホイール採用! 新型「ノートオーラ」改良のポイントとは
3年ぶり刷新! 日産「新型“小さな”高級車」初公開! クラス超え「上質オシャレ内装」×斬新グリル&ホイール採用! 新型「ノートオーラ」改良のポイントとは
くるまのニュース
『ぽんこつジムニー』ハコ替え計画26-3「JB64のシートを移植しよう」
『ぽんこつジムニー』ハコ替え計画26-3「JB64のシートを移植しよう」
グーネット
ポルシェ「911ターボ3.6」が約4360万円で落札!「964型」で最も人気のある1台は「マイルからキロ」に変更されていました
ポルシェ「911ターボ3.6」が約4360万円で落札!「964型」で最も人気のある1台は「マイルからキロ」に変更されていました
Auto Messe Web
VW『ジェッタ』に改良新型、表情変化…米国発表
VW『ジェッタ』に改良新型、表情変化…米国発表
レスポンス
ハミルトンに対するチームの陰謀を主張するメールがF1関係者に届く。メルセデスは捜査を依頼も、警察は犯罪行為を否定
ハミルトンに対するチームの陰謀を主張するメールがF1関係者に届く。メルセデスは捜査を依頼も、警察は犯罪行為を否定
AUTOSPORT web
【このSクラスなんぼ?】1988年式のメルセデスSクラス(W126)が4千ユーロ(約68万円)以下?その理由は?走行距離だ!
【このSクラスなんぼ?】1988年式のメルセデスSクラス(W126)が4千ユーロ(約68万円)以下?その理由は?走行距離だ!
AutoBild Japan
「ボルボ」ってどんな香り? D.S.&Durgaとコラボし北欧をイメージした限定のアロマキャンドル「SWOODISH」発売。【新着ドライブコーデ】
「ボルボ」ってどんな香り? D.S.&Durgaとコラボし北欧をイメージした限定のアロマキャンドル「SWOODISH」発売。【新着ドライブコーデ】
くるくら
BMW『X5』に25周年記念車、オフロード性能向上 8月から限定生産
BMW『X5』に25周年記念車、オフロード性能向上 8月から限定生産
レスポンス
LUUP、座席カゴ付きの特定小型原付「電動シートボード」を発表! 新車両は歩道を走れる?
LUUP、座席カゴ付きの特定小型原付「電動シートボード」を発表! 新車両は歩道を走れる?
くるくら
NLS耐久シリーズ・NLS3クラスでトーヨータイヤ『プロクセス』装着車両が優勝
NLS耐久シリーズ・NLS3クラスでトーヨータイヤ『プロクセス』装着車両が優勝
レスポンス
これ最高じゃん! 車を守る「ソーラーカーシールド」はこの夏に導入したい期待のアイテム
これ最高じゃん! 車を守る「ソーラーカーシールド」はこの夏に導入したい期待のアイテム
月刊自家用車WEB
「これで、売れなくなったらどうしよう……」 新型フリード登場で困っているのは、実はホンダの……【ディーラー生情報】
「これで、売れなくなったらどうしよう……」 新型フリード登場で困っているのは、実はホンダの……【ディーラー生情報】
月刊自家用車WEB
まるで本物のクルマ? 超カッコイイ! リバティウォークとコラボした世界中で大人気のレースゲーム「レーシングマスター」とは
まるで本物のクルマ? 超カッコイイ! リバティウォークとコラボした世界中で大人気のレースゲーム「レーシングマスター」とは
くるまのニュース
米国の熱狂的日産「パルサーGTI-R」ファンと遭遇! 3台所有するライアンさんは33年前の「パイクスピーク」で走った憧れの選手との再会でした
米国の熱狂的日産「パルサーGTI-R」ファンと遭遇! 3台所有するライアンさんは33年前の「パイクスピーク」で走った憧れの選手との再会でした
Auto Messe Web

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

2480.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

978.01580.0万円

中古車を検索
カリフォルニアの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

2480.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

978.01580.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村