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ボルボ S60 D4 ポールスター・パフォーマンス・パッケージ試乗レポート 上質さも併せ持つ本物スポーツ・ディーゼル

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ボルボ S60 D4 ポールスター・パフォーマンス・パッケージ試乗レポート 上質さも併せ持つ本物スポーツ・ディーゼル

2015年9月17日、ボルボ・カー・ジャパンは7月23日から発売された最新ディーゼルD4エンジン搭載車、ガソリンエンジンT5エンジン搭載車用の、パワー、トルク、変速プログラムをチューニングして走りの性能を向上させる専用エンジン・マネジメント・プログラム「ポールスター・パフォーマンス・パッケージ」を発売した。

「ポールスター・パフォーマンス・パッケージ」は2012年以来、T4エンジン用、T6エンジン用が発売されているが、ボルボ最新のDrive-Eエンジン用のパッケージが早くも発売されたのだ。こうした準備のよさは、ボルボが2015年7月にポールスター社の株式を100%取得して、従来のオフィシャル・パフォーマンスパートナーという関係から完全子会社に移行したことの成果だろう。

この子会社化はポールスター社のハイパフォーマンスカー部門のみで、ボルボのレース活動を担当するレース・チーム部門は「シアン・レーシング」という名称で存続する。シアンとは青を意味し、ポールスターのチームカラー「シアン・ブルー」を表している。

今回発売されたDrive-E用のポールスター・パフォーマンス・パッケージは従来と同様に出力、トルクの向上とスポールドライブ用の変速プログラムを採用しているが、燃費性能に影響を与えることなく、メーカー保証も適用される。また販売方法は全国のディーラーで購入し、ポールスターのECUプログラムをインストールという方式だ。

インストール作業ではECUデータを上書きし、20~30分で完了する。このポールスター・パフォーマンス・パッケージはECUデータのインストールに加え、ポールスター・リヤエンブレム、オーナーズブック、ポールスター・パフォーマンス認定証も含まれている。

今回発売されたポールスター・パフォーマンス・パッケージは、新開発のD4ディーゼル用、T5ガソリンエンジン用の2種類で、T5ガソリンエンジン用は8psアップの253ps、トルクは50Nmアップの400Nmを実現し、D4ディーゼルエンジン用は10psアップの200ps、トルクは40Nmアップの440Nmとなる。

いずれも、中速域のトルク向上させるとともに、スロットル・レスポンスを向上させ、意のままの走り、気持ちよいドライブ・フィーリングを訴求しているという。

◆インプレッション

さて、さっそく用意された試乗車はS60 D4 R-DESIGNだった。もちろん、このパッケージはS60に限らず該当エンジンの搭載車であれば、インストールすることができる。

これまでにT4エンジンのポールスター仕様に試乗した経験があるが、ディーゼルエンジンのECUチューニング車に乗るのはこれが初めてだ。おそらく日本ではチューニングメーカーのアフターマーケット品を含めて、そういう経験をした人はいないだろう。そういう意味でまさに興味津々。

このチューニングされたD4ディーゼルの最大トルクは440Nmで、これはガソリンエンジンでいえば3.0Lターボ、自然吸気の4.0L・V8型エンジンなみだ。走り出すと、その圧倒的なトルク感がダイレクトに伝わってくる。ディーゼルならではで、低回転でアクセルを軽く踏むだけで体がシートバックに押し付けられ、この加速力がアクセルを踏んでいる間中持続するのだ。

エンジンの回転を上げず、2000rpm前後といった低回転でのこの加速感は未知の体験だ。回転も低いままだから当然室内は静かだ。またD4ならではの、ディーゼルとは思えないエンジンの滑らかな回転フィーリングは、スポーティというより上質感を感じさせてくれる。

さまざまな走行条件で加速を試してみると、標準のD4ディーゼルで気になった低中速域での巡航からアクセルを踏み込んだ時の一瞬のためらいがなくなり、アクセルの踏み込みに応じてすっと加速してくれる。

もうひとつ、アクセルを放したときの回転の落ちのレスポンスが向上しており、パドルを使ってのダウンシフトも小気味よく決まる点もずいぶんフィーリングの向上につながっている。いわゆるディーゼルのネガを感じさせないのだ。

ガソリンエンジンよりはるかに低い回転で、軽く右足で踏むだけで自在に、意のままに加速できる気持ちよさは、やはりディーゼルならではの乗り味だ。

S60 R-DESIGNは、同じR-DESIGNのV40より乗り心地も車体の応答も少し穏やかで、S60というクルマの車格、質感にマッチした走りだ。もちろんステアリングのダイレクト感や路面からのインフォメーションの正確さも高いレベルにあり、ドライビングは爽快で、それでいて長時間運転しても飽きない、疲れにくいという資質も改めて実感できた。

正直、標準のD4エンジンとポールスター仕様のD4を比べると単純な動力性能の違いだけではなく、コントロールのしやすさ、乗りやすさ、加速の気持ちよさなどフィーリング面でかなりの差が感じられた。ポールスター・パフォーマンス・パッケージを別途支払う価値は十分にあり、コスト・パフォーマンスは優れていると思う。<レポート:松本 晴比古/Haruhiko Matsumoto>

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