2009年9月、スズキの軽乗用車「パレット」が一部改良され、同時にちょっとワイルドなカスタムバージョン「パレットSW」が登場した。「パレットではカワイすぎ」というユーザーに向けたモデルだったが、新型CVTの採用やエンジンの改良などにより、走りも硬派でスポーティになっていた。ここでは発表後まもなく行われたパレット/パレットSWの国内試乗会を振り返ってみよう。(以下の試乗記は、Motor Magazine 2009年12月号より)
軽自動車で増えつつあるワイルドなイメージのモデル
今の世の中、あらゆるもののダウンサイジングやコンパクト化が当然のように進められている。それは、自動車の世界でも同じ。エンジンや排気量のダウンサイジングはどこのメーカーでも当然のことのように行われているのだ。
スペーシア 第4のバリエーションは、軽商用車の「スペーシア BASE」! 遊びに仕事に自由自在の空間性能
そこで軽自動車。これは究極のダウンサイジングと言っていい。日本独自の規格となるコンパクトなボディサイズもそうだが、なんといっても660ccという排気量がその極みだ。そこから絞り出されるパワーにも不足はなく、ひとり、またはふたりで乗ることが多いユーザーなら「コレで十分」、いや「コレがいい」と思ってしまう気持ちもわかる。売れるのも当然だろう。
また、軽自動車には、かわいいデザインや商用車っぽいスタイルが以前は多かったが、最近はスポーティやワイルドなイメージを持つモデルも見られるようになった。ワゴンRスティングレーがその代表だろう。そのワイルド軽ジャンルにパレットSWが追加されたのだ。ちなみに、SWとは「スーパーワゴン」の意味だ。
パレットは、室内の収納などにも工夫が凝らされているのも注目すべきポイント。ボディサイズが小さい=収納スペースが少ないという等式は、このパレットには成立しない。初代ワゴンRから始まり、今やスズキの伝統にもなった助手席下のボックスや運転席&助手席まわりの収納、シートバックの使い方など、これでもかというほど工夫が凝らされている。
いかにも肉食系男子ウケしそうな顔を持ったパレットSWのラインナップは、NAがGSとXS、ターボがTSの計3グレード。GSのトランスミツションは4速ATだが、XSとTSには新開発のCVTが搭載される。
前進2段の変速機構を組み合わせた新開発のCVTを採用
このCVTは、ロー/ハイ2段の副変速機構を採用し、変速比幅を拡大したことで低速域のトルクを向上させているのが特徴だ。話を聞いた四輪エンジン第一設計部の中村氏によれば、「1500~2500rpmで5%アップした」という。さらに、その副変速比効果は100km/h巡航の回転数にも現れ、高速走行時の燃費の向上にも貢献しているという。
K6A型エンジンはインテークマニホールドやシリンダーヘッドなどに改良が加えられ、力強さを増しレスポンスを高めた。パレットSW TSの車重は960kg、軽自動車として決して軽い方ではない。例えば、同じK6A型ターボエンジンを搭載するワゴンRスティングレーTSと比べると80kg、アルトラパンTからは140kgも重い。しかし、その重さをあまり感じさせないのも、この改良エンジンとCVTの恩恵なのだ。
エクステリアやインテリアには専用装備やデザインが施され、パレットと差別化されている。上質感の演出もなかなか上手い。専用装備となるディスチャージヘッドライトやオートライトシステムをはじめ、バックモニター付きCDプレーヤー(メーカーオプション)、キーレスプッシュスタートシステム、保冷機能付きの収納、後席両側スライドドアなど軽自動車の範疇を超えた豪華な装備もこのSWの特徴だと言っていい。
軽自動車らしくない装備を持ったパレットSWは、走りもその常識を覆すものだ。
TSの最高出力は、軽自動車ターボの自主規制いっぱいの64psを発揮する。パワフルで存分に走りを堪能できるレベルだ。キビキビと軽快なので、運転していて楽しい気分になる。これなら長距離も苦にならないだろう。ただ、Rのきついカーブなどでは全高が高い分、ロールはワゴンRよりも大きく感じた。
パレットのNAエンジン搭載車にも試乗した。こちらの最高出力/最大トルクは、ターボ比10ps/32Nmダウンの54ps/63Nmだが、低回転域のトルクに厚みがあるため、発進加速にも不満を感じることは少ないだろう。
軽快感こそTSには劣るが、アクセルの踏み込み量の分だけ前に出るといった感じでかったるさもなく、踏み増す必要も感じられない。また、街中を流すレベルでは室内の静粛性は保たれていた。
後席にも座ってみたが、この広さはもう軽自動車だということを忘れてしまうだろう。黄色いナンバープレートを見るまでは・・・。(文:Motor Magazine編集部 千葉知充/写真:村西一海)
スズキ パレットSW TS 主要諸元
●全長×全幅×全高:3395×1475×1735mm
●ホイールベース:2085mm
●車両重量:960kg
●エンジン:直3 DOHCターボ
●排気量:658cc
●最高出力:47kW(64ps)/6000rpm
●最大トルク:95Nm/3000rpm
●トランスミッション:CVT
●駆動方式:FF
●10・15モード燃費:20.0km/L
●車両価格:155万9250円 (2009年当時)
[ アルバム : スズキ パレットSW はオリジナルサイトでご覧ください ]
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
不要or必要? やっちゃったらおじさん認定!? 「古い」「ダサい」といわれがちな [時代遅れ]な運転法
ついにその瞬間がやってきた!!!!! シビックベースの70年代風GTカー[ミツオカM55]が限定100台800万円で販売!!!!! 即売必至か?
マジか…? 新制度導入で「車検」通らないかも!? 10月から始まった“新たな車検”何が変わった? 覚えておきたい「OBD検査」の正体とは
ついにトヨタ「新型セリカ」復活!? 次期8代目登場か… 中嶋副社長「セリカ、やっちゃいます。」宣言! 会長も後押し!? ラリージャパンで語られたコトとは
給油所で「レギュラー“なみなみ”で!」って言ったら店員にバカにされました。私が悪いんですか?怒りの投稿に回答殺到!?「なにそれ」「普通は通じない」の声も…悪いのは結局誰なのか
運営ブチギレ!? 一般車が「検問突破」何があった? 国際イベントでありえない"蛮行"発生! ラリージャパン3日目の出来事とは
給油所で「レギュラー“なみなみ”で!」って言ったら店員にバカにされました。私が悪いんですか?怒りの投稿に回答殺到!?「なにそれ」「普通は通じない」の声も…悪いのは結局誰なのか
「タイヤの摩耗が早い」「買い取り価格は期待できない」EVにまつわる巷のウワサ6つの真実
ホンダ新型「プレリュード」まもなく登場? 22年ぶり復活で噂の「MT」搭載は? 「2ドアクーペ」に反響多数!海外では“テストカー”目撃も!? 予想価格はいくら?
不要or必要? やっちゃったらおじさん認定!? 「古い」「ダサい」といわれがちな [時代遅れ]な運転法
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!
みんなのコメント