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高級300系ハイエースの台湾版、新型グランビア8人乗り登場! 日本のグランエースとの違いとは?

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高級300系ハイエースの台湾版、新型グランビア8人乗り登場! 日本のグランエースとの違いとは?

 2019年11月に発売されたトヨタ グランエースは全長5mを超えるフルサイズワゴンで、海外版300系ハイエースをベースに高級ミニバンとして開発された。プレミアムグレードは広い室内空間を持った6人乗りで、アルファードよりゆったり快適に移動できる。

 そんなグランエースの姉妹車、台湾で販売されているグランビアに8人乗り(2-3-3)が追加された。外観はほとんど同じに見える台湾の新型グランビアだがグランエースよりもグレード構成が多く装備が若干ちがう。

高級300系ハイエースの台湾版、新型グランビア8人乗り登場! 日本のグランエースとの違いとは?

 本稿ではグランエースの紹介と、台湾の新型グランビアとの違いを中心にレポートする。

文/渡辺陽一郎、写真/トヨタ

■アルファードより快適な移動空間を持つグランエース

 2022年1月に新型ノア/ヴォクシーが発売されて人気を高めている。トヨタはノア/ヴォクシーを筆頭にミニバンのラインナップが豊富で、このなかでも居住性と車内の広さでナンバーワンとされる車種がグランエースだ。

2019年11月に登場したトヨタ グランエース。海外版300系ハイエースをベースにして開発され、高級ミニバンというコンセプトで登場した

 豪華さでは、価格が800万円近いグレードを用意するアルファードがトップだが、グランエースプレミアムは、650万円ながらも3列目のシートはアルファードに比べて断然快適だ。2列目と同様のエグゼクティブパワーシートを3列目にも装着したからだ。従ってグランエースプレミアムなら、乗車定員の6名全員が快適に移動できる。

 アルファードも、上級グレードのS・Cパッケージなどにはエグゼクティブパワーシートを装着するが、2列目にかぎられる。3列目は格納して荷室を広げる機能を重視したから、柔軟性が乏しくて座り心地が悪い。床と座面の間隔も不足しており、足を前方へ投げ出す座り方になってしまう。

 従ってアルファードの場合、最も快適なのは2列目で、1列目も不満はないが、3列目は快適性が大幅に下がる。3列目も頭上と足元の空間は広いから、多人数の長距離移動は可能だが、時々「席替え」をしないと3列目の乗員が可衰想だ。

■2つのグレード「プレミアム」と「G」

 その点でグランエースプレミアムなら、3列目に座っても、2列目と同様の快適性を得られる。1列目も装飾は控えめながら、居住性はアルファードと同様に快適だ。従って長距離を移動する時でも「席替え」の必要はない。

 ちなみにほかのLサイズミニバンの場合、エルグランドの3列目は窮屈で、オデッセイの3列目は座り心地がアルファードよりも快適だったが、すでに生産を終えている。そうなると「席替え」をせずに6名で快適に移動できるミニバンは、グランエースプレミアムのみになる。

 グランエースにはふたつのグレードがあり、Gは4列のシートを装着して、乗車定員は8名だ。価格は620万円になる。Gの場合、エグゼクティブパワーシートを装着するのは2列目のみで、3列目は少しシンプルなリラックスキャプテンシートになる。

 そしてGの4列目は、左右が繋がったベンチシートで、座面を持ち上げて前方にスライドさせると荷室を拡大できる。アルファードの3列目のような左右に跳ね上げる方式ではないから、座り心地はグランエースの4列目のほうが快適だ。それでもグランエースGは、プレミアムと同じ室内空間に4列のシートを装着したから、各シートの足元空間は3列のプレミアムよりも狭い。

■日本とは異なる海外版ハイエースをベースに開発されたグランエース

 そしてグランエースは、タイなどで販売される商用バンのハイエース(日本で売られるワンボックスボディのハイエースとは車両が異なる)、ならびに多人数で移動するためのコミューターをベースに開発された。

 そのためにグランエースも、耐久性の優れたシャシーと後輪駆動システムを備える。サスペンションは、前輪側はストラットによる独立式だが、後輪側は車軸式だ。グランエースでは乗り心地などを快適にチューニングしたが、車両の素性としては、商用車ベースのミニバンに位置付けられる。

 台湾トヨタでは、以前からグランエースのベースとなったハイエースを扱っており、新たに乗用モデルとしてグランビアを投入した。グランビアは、かつてアルファードの前身となったミニバンの名称だったから、日本のユーザーにとっても懐かしい語感がある。

■海外仕様のほうが快適で便利!? 新型グランビアとグランエースの違い

 台湾仕様の新型グランビアは、基本的に日本のグランエースと同じクルマだが、グレード構成は豊富だ。6人乗りが2種類、8人乗りは1種類、9人乗りは2種類が用意され、合計5種類になる。日本仕様のグランエースはプレミアムとGのみだから圧倒的に多い。

台湾で販売されている新型グランビアの室内。グランエースよりグレードが多彩で9人乗りが用意されている

 グランビアの6人乗りは、基本的には日本仕様のプレミアムと共通の3列シート車だが、ベーシックなタイプには電動オットマンなどが装着されない。装備内容がグランエースプレミアムに比べて、少しシンプルになる。

 8人乗りのシート配列は、日本仕様とは大幅に異なり、2列目と3列目が3人掛けのベンチシートになる。1列目はセパレートシートの2人分だから、合計すると乗車定員は8名だ。

 2/3列目のシート形状は、座面と背もたれが3分割されているから、3人掛けをしても中央席の座り心地が悪化しない。欧州車のミニバンなどに多いシート形状だ。2/3列目には長いスライド機能も備わり、両席の足元空間を少し狭めると、8名で乗車しても車内の最後部に充分な荷室を確保できる。この作りは実用的だから、日本に導入しても喜ばれそうだ。

 9人乗りは4列シートになり、基本的には、日本仕様で8人乗りになるグランエースGと同じ。グランエースGでは、4列目の中央席にシートベルトが装着されず、座面の中央部分にトレイを内蔵した。

 そのためにすべてのシートが2人掛けで乗車定員は8名だが、グランビアでは、4列目の中央部分にもシートベルトを装着した。そのために4列目が3人掛けになり、乗車定員を9名に増やしている。

 以上のようにグランビアは、日本で売られるグランエースに比べると、全般的に実用性と合理性が高い。

■グランビアとグランエースは上質かつ快適なフルサイズワゴン

 グランビアのエンジンは、日本のグランエースと同じ直列4気筒2.8Lのディーゼルターボだ。最高出力は176.8ps(3400rpm)、最大トルクは45.9kgm(1600~2400rpm)とされ、動力性能の数値も日本仕様とほぼ等しい。

 6速ATが備わり、駆動方式は後輪駆動の2WDになる。車両重量は2630~2740kgだから、これも日本仕様に近い。価格は台湾ドルを日本の円に単純に置き換えると、価格が最も高い仕様が750万~800万円だ。

 グランエースの日本における売れゆきは伸び悩んでいるが、前述のとおりプレミアムの3列目シートはアルファードよりも圧倒的に快適だから、多人数で長距離を快適に移動したいユーザーにはピッタリだ。

 また、ボンネットを備えたミニバンスタイルのボディに、広い室内空間とクリーンディーゼルターボエンジンを備えるから、車両重量が増えるキャンピングカーのベース車両にも適する。市場性の異なる海外と日本の両方で、高い価値を発揮するのがグランビア&グランエースと言えるだろう。

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