■「脱着式」や「伸縮式」など様々な形態が存在する謎の「棒」
最近はあまり見かけなくなりましたが、屋根やトランクから「金属の棒」が伸びているクルマを、時おり目にすることがあります。
はたしてこの“棒”はどんな機能を有しているのでしょうか。
丸い「ボタン」の正体は? 答えられる人はかなりにマニア!? シートベルトの丸いボタンの役割とは
先にあっさりとネタバレしてしまうと、この金属の棒はクルマのオーディオでラジオを聴くための「アンテナ」です。
しかし近年では、黒い樹脂タイプで短い可倒式のものや、「シャークフィンアンテナ」や「ドルフィンアンテナ」と呼ばれる、サメやイルカの背びれを思わせる形状のものが主流となっています。
ただこれらのアンテナはスタイリッシュである反面、ややコストがかかってしまうため、現在でもコスト面に厳しい軽トラックや軽ワンボックスバンなど、一部の商用モデルなどには金属製のアンテナが採用されているのです。
そんな金属製のアンテナは「ロッドタイプ」とも呼ばれ、その名の通り杖のような棒状のものを指します。
ロッドタイプのアンテナ(ロッドアンテナ)にも種類があり、単純に棒状のアンテナの端にネジが切ってあって、ボディのアンテナベースにねじ込む「脱着式」(ネジ式)という最もシンプルなものも存在します。
これは非常にシンプルでコストも抑えられますが、洗車機や立体駐車場に入るときなどはいちいち車両から降りて脱着しなければならないという手間が生じます。
そのため現在では採用車種もあまり見られませんが、日産「NV200バネット」などはいまだにこの脱着式を採用しています。
ロッドアンテナで、現在でも軽商用車などに採用例が多いのは「伸縮式」のものです。
ラジオを聴くときはロッドを伸ばして長くすることで受信感度を高め、使用しないときは格納することができるものとなっています。
この伸縮式のロッドアンテナは、信号待ちなどのタイミングで車両から降りることなく伸縮できるよう、運転席側のAピラーに装着されていることが多く、現在でも軽商用車などに採用されている姿を見ることができます。
そしてこの伸縮式ロッドアンテナの進化版として「パワーアンテナ」や「電動アンテナ」と呼ばれるものが存在していました。
これはアンテナを伸縮させる動作をモーターによって電動化したもので、トランクなど運転席から遠い位置にアンテナが備わっている車種でも車両から降りることなく操作できるというものでした。
主に高級車や上級グレードに装備されていたもので、動作は個別にスイッチがあるものやオーディオをONにすると動作するものなどさまざま。
ただトランクなど運転席から遠い位置にアンテナがあることで、悲しい事故も少なくありませんでした。
アンテナが伸びていることを失念したまま洗車機や立体駐車場に入ってしまい、アンテナをうっかり破損してしまうのです。
手動のものに比べると部品代もかなり高額となってしまうため、現在ではほとんど見ることはない形状となっています。
このようにただの金属の棒に見えるラジオのロッドアンテナではありますが、装着したり伸ばしているときと、そうでないときでは明らかに放送の受信感度が異なります。
それがあまりにも明確に違うので、かつて筆者(小鮒康一)も「簡素な棒だけどこんなに効果があるんだ!」と感動した記憶があります。
※ ※ ※
最近では、サブスクリプションサービスでさまざまな音楽が聴き放題となっています。
そのため、いまやすっかりカーラジオを聴く機会が減ってしまったことも、アンテナの存在がすっかり薄くなってしまった大きな理由といえるかもしれません。
たまには旅先で、ローカル局が流すラジオを聴きながらドライブしてみるのも楽しいかもしれません。
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
「世界で一番嫌い」 マツコ・デラックスはなぜ「二子玉川」を拒絶するのか? 理想化された街に漂う“らしさ”の呪縛、再開発と多様性の葛藤を考える
「車中泊トラブル」なぜ後を絶たない…!? 「ご遠慮ください」案内を無視する人も… 背景にはキャンプと「混同」も? 現状はどうなっている?
来年から「クルマの税金」が変わる!? 今年も納税時期迫るが…今後は負担減るの? 自動車諸税、ついに抜本改革なるか 「環境性能と公平性」を軸に
軽自動車を買おう! でも「ターボ」って必要ですか? 街乗りは「安いノンターボ車」で良くないですか? だけど「パワー」は欲しい… 「新生活の軽選び」で考えるべきこととは
本当かよ!? 空自F-2後継の新戦闘機計画「GCAP」にオーストラリアも参加←現地の専門家に聞いてみた
中国にはBYD以外にも多数のEVメーカーが存在! BYDの成功で日本に押し寄せることはある?
「世界で一番嫌い」 マツコ・デラックスはなぜ「二子玉川」を拒絶するのか? 理想化された街に漂う“らしさ”の呪縛、再開発と多様性の葛藤を考える
来年から「クルマの税金」が変わる!? 今年も納税時期迫るが…今後は負担減るの? 自動車諸税、ついに抜本改革なるか 「環境性能と公平性」を軸に
昭和の自動車教習所、なぜ教官は「ヤンキー」風だったのか? しかも指導は「鬼教官」スタイル! 今じゃありえない? その裏に隠された激動史を辿る
給油時に「空気圧高くしますか?」素直に従うべき? ガソスタ定番セリフの「意図」とは 本当に「空気圧高め」する必要はあるのか
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!
みんなのコメント