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アストンとザガートのコラボは話題性と人気が反比例!? カッコイイけど盛り上がらない「ヴァンキッシュ ザガート クーペ」とは?

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アストンとザガートのコラボは話題性と人気が反比例!? カッコイイけど盛り上がらない「ヴァンキッシュ ザガート クーペ」とは?

ヴィラ・デステで発表された「ヴァンキッシュ ザガート クーペ」

2024年1月25~26日、RMサザビーズがアメリカ・アリゾナで開催したオークションにおいてアストンマーティン「ヴァンキッシュ ザガート クーペ」が出品されました。同車について振り返りながら車両の詳細をお伝えします。

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アストンマーティンとザガートといえばDB4GTZが原点

アストンマーティンとカロッツェリア・ザガート。この両社のパートナーシップによって生み出されたモデルといえば、クルマ好きがまっさきにイメージするのは1960年にロンドンで開催されたアールズコート・モーターショーでデビューした、「DB4GTザガート」ではないだろうか。

アストンマーティンの特徴的なシルエットと、ザガートによる独自のデザイン・キューは見事に調和。さらにそれが魅力的な軽量性とともに、優秀なエアロダイナミクスを実現していたことから、レースの世界でDB4GTザガートは多くの成功を収めたのだった。

結果アストンマーティンのもとへは、さらなるDB4GTザガートの生産を望む声が寄せられたが、結局それは19台が生産されたのみで、後継車にザガートの名が掲げられることもなかった。

1986年のジュネーブ・ショーで発表された「V8ヴァンテージ・ザガート」は、久々にアストンマーティンとザガートの関係を思い出させてくれる1台だった。それまでのDBSヴァンテージを超えるパフォーマンスと、ボンネット上の大きなパワーバルジを特徴とするスタイリングは、一瞬にしてこのショーで最大級の話題となるが、クーペとオープン仕様のヴォランテを合せても、その生産台数は100台にも満たず、再び両社は袂を分かつことになった。

両社のパートナーシップがより強固なものになるのは、2002年にDB7の内外装のデザインをザガートに依頼し、当時アストンマーティンのチーフ・デザイナーだったヘンリック・フィスカーとアンドレア・ザガートとのコラボで、じつにスタイリッシュな99台の限定モデルが完成してからのこと。ここで紹介するヴァンキッシュ ザガート クーペも、彼らの良好なパートナーシップを象徴する1台である。

出品車はアストンマーティンQによる特別装備を多く追加

2016年にイタリアのコモ湖の湖畔にあるヴィラ・デステを会場に開催されたコンコルソ・デレガンツァ・ヴィラ・デステで、アストンマーティンは、「ヴァンキッシュ ザガート クーペ」を発表した。

カーボンファイバー製のボディは、アストンマーティンの特徴であるフロントグリルやサイドストレーキを受け継ぎながらも、あたかもワンピースパネルであるかの如く、カットラインを見つけ出すのはとても難しい。

ザガート独自のデザインといえるのは、やはりラップアラウンドガラスとダブルバブルルーフ。フロントフェンダー上にはザガートを意味する「Z」のエンブレムが備わっている。インテリアではレザーシートとドアパネルにキルティングパターンを採用し、随所にヘリンボーン柄のカーボンファイバートリムとザガートのバッジがあしらわれているのが特徴だ。

搭載エンジンはAM29型と呼ばれる5.9L V型12気筒のアップグレード版。最高出力は592psに達し、これにパドルシフト付きの8速ATを組み合わせる。20インチ径のアロイホイールの奥には、巨大なカーボン・セラミック・ブレーキを装備する。

最高速は320km/hを超えるのだから、これも当然のエクイップメントだろう。ヴァンキッシュ ザガートの第一の魅力は、その例えがたいまでの美しさにあるが、パフォーマンスにおいても現代のスーパースポーツの中で、第一線に並ぶ能力を誇っているのだ。

今回のアリゾナ・オークションでは、60万~65万ドル(邦貨換算約8880万円~9620万円)の予想落札価格を掲げながら落札には至らなかった、2018年式のアストンマーティン「ヴァンキッシュ ザガート」。

新車からの走行距離がわずかに320kmであることや、アストンマーティンQによる特別装備を多く追加していることを考えると、この予想落札価格も常識的な範囲といえそうだ。ちなみにこのモデルは現在でも62万5000ドル(同9250万円)で、RMサザビーズのプライベート・セール部門で販売が継続されている。

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