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ベントレーとの不思議な共通点 アルピーヌA110 長期テスト(2) ザビやすいブレーキディスク

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ベントレーとの不思議な共通点 アルピーヌA110 長期テスト(2) ザビやすいブレーキディスク

積算5563km ゴードン・マレーもオーナー

アルピーヌのオーナーズ・ミーティング以外の場所で、A110が2台並ぶことは英国でもかなり稀。マクラーレンF1のデザインでも有名な、ゴードン・マレー氏の自宅へ訪れた時、彼がオーナーだということを初めて知った。

【画像】軽量ミドシップを普段使いする アルピーヌA110 ライバルの718ケイマンとエミーラ 全103枚

2017年のスイス・ジュネーブ・モーターショーで、最大の注目モデルとして彼は迷わずA110を指名していたから、驚く結果ではないのかもしれない。自らのお金で、その仕上がりを確かめることにしたようだ。

積算7760km 腐食が激しいブレーキディスク

ブレーキディスクの素材構成が何なのかは不明だが、屋外に1週間止めていただけで、ブレーキパッドと固着する勢いで腐食してしまった。

タイヤがグリップする舗装路では、充分な力がかかり問題なく発進できた。しかし滑りやすい路面の場合は引っかかってしまい、3本のタイヤの回転がしばらく不安定に。快適な走行へ支障が出てしまう。

積算8595km 至極心地よく運転を楽しめる

先日の長期休暇で、筆者は久しぶりに移動手段へ悩むことになった。当然その選択肢の1つには、小さく低く軽い、アルピーヌA110も含まれていた。

もう1台は、フルオプション状態のベントレー・フライングスパー・マリナー。大きく重く、背も高い。様々な装備が満載され、A110より20万ポンド(約3220万円)もお高い。もちろん、メーカーからお借りしているクルマだけれど。

2台を並べると、タイヤが4本付いていることくらいしか共通点は感じられない。ところが、しばらく時間をともにすると、想像以上に通じる部分があることへ驚いてしまう。

まず、どちらも至極心地よく運転を楽しめる。英国郊外の凹凸だらけの道でも、適切なドライブモードを選んでいれば、ソフトなスプリングが快適な乗り心地を保ってくれる。A110より2倍以上の車重を持つ、フライングスパー・マリナーであっても。

巨体を制御するため、トリプルチャンバーのエアスプリングと電子制御のアダプティブダンパー、アクティブ・アンチロールバーが装備されているが、目指す目標は同じといえる。路面の不整を吸収し、安定性や快適性を損なうことなく、路面へしなやかに追従する。

絶滅危惧種に数えられる2台

自動車を取り巻く環境の変化で、絶滅危惧種に数えられるという点でも共通している。この希少性に、筆者は強く惹かれる。

最近は、どんなシーンにも当たり障りなく対応できる、クロスオーバーへ人気が集まっていることはご存知の通り。少し高級で、少し悪路が得意で、少しスポーティ。見た目も、SUVとクーペの中間のようなシルエットが英国では支持されている。

確かに、満遍なくそれなりの能力を備えている。とはいえ、実際には完全に得意とするシーンがないともいえる。サイズは必要以上に大きくなり、車重も増え、運転の楽しさも高いとはいいにくい。

フライングスパー・マリナーやA110は、そんな中途半端な道を選んでいない。フィアット・パンダやケータハム・セブン、フェラーリF40、筆者の愛車であるシトロエン2CVにも同様なことが当てはまる。少し前のクルマへ、魅力を感じる理由でもあるだろう。

そのいずれもが、自らの目的を明確に定め、カタチとして体現されている。ある目的を、見事にこなしてみせる。フライングスパー・マリナーの場合は、大陸を横断するようなグランドツーリング。A110の場合は、郊外の道でのドライビング・プレジャーだ。

素早く滑らかな6速MTを望んでしまう

そして奇妙なことに、この2台には同じ弱点がある。デュアルクラッチATが、望ましい組み合わせとはいえないことだ。

現行のベントレーは、ポルシェ・パナメーラが採用するプラットフォームで成り立っており、トランスミッションも共有している。その結果、2ドアクーペのコンチネンタルGTは遥かに運転しやすくなった。

反面、4ドアリムジンのフライングスパーは、デュアルクラッチATとの愛称が理想的とはいえないだろう。仕上がりは悪くないが、印象が素晴らしいとまではいえない。

A110の場合は、自らの手で素早く変速できる滑らかな6速MTが載っていれば、一層運転を楽しめるはず。ステアリングホイールを握る度に、その考えが頭をよぎる。

アルピーヌで開発のチーフエンジニアを務めたのは、デビッド・トゥーヒグ氏。秀でた才能の持ち主であり、偶然にも筆者の友人でもある。

「マニュアル仕様の設計と認証にどれだけのコストが掛かるか、わかりますよね? 売れる台数が少ないであろうことも」。恐らく、彼からはそんな答えが返ってくるはず。あくまでも代弁に過ぎないが、それは真実だと思う。

MTのA110は、現実的にスポーツカー・ビジネスを成り立たせることはなかったと思う。それは理解できる。でも、MTを望んでしまうのが本音だ。

ステアリングの振動は突然解消

さて、先週のある時から80km/hを超えた当たりでステアリングホイールへ明らかな振動が生じるようになっていたのだが、突然解消された様子。不具合が生じたのかと考えたが、今のところは快調だ。

ホイールの内側に泥か何かが固着し、ホイールバランスを崩したのだと思う。それ以外は完璧なスポーツカーだ。錆びやすいブレーキディスクを除いて。

テストデータ

気に入っているトコロ

スマートフォンとの連携:マイナーチェンジでアップル・カープレイへ対応した。普段使いが格段に良くなったと思う。

気に入らないトコロ

シートの背もたれ:標準装備のシートの場合、背もたれには一切の調整機能がない。前後にスライドするだけでは、最適な運転姿勢は取りにくい。

テスト車について

モデル名:アルピーヌA110(英国仕様)
新車価格:4万9990ポンド(約805万円)
テスト車の価格:5万4144ポンド(約871万円)

テストの記録

燃費:13.7km/L
故障:なし
出費:なし

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みんなのコメント

1件
  • 中国製品でしょうバイクも車も中国製は殆ど錆て固着します中国製のトレードマークみたいなもの特にバイクは直ぐに不動に為るし、電動バイクは火を噴く始末本当に中国製は錆びるのが特徴
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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