現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > 【比較試乗】「メルセデス・ベンツ Gクラス vs スズキ・ジムニー・シエラ vs ジープ・ラングラー」リアルオフローダーはアーバンジャングルで駆れ!

ここから本文です

【比較試乗】「メルセデス・ベンツ Gクラス vs スズキ・ジムニー・シエラ vs ジープ・ラングラー」リアルオフローダーはアーバンジャングルで駆れ!

掲載 更新 3
【比較試乗】「メルセデス・ベンツ Gクラス vs スズキ・ジムニー・シエラ vs ジープ・ラングラー」リアルオフローダーはアーバンジャングルで駆れ!

ここに並んだ3台は、差し詰めリアルオフローダーの大中小。用途や出自はいろいろだが、不整地を難なく走り抜けられる走破力と、そんな道など走らぬ都会派から支持されているのが共通点。そんな似ているようで似ていない「ヘビーデューティ」な3台を、小沢コージ氏が一刀両断した!

クロカン選びは男の生き様選びだ!

【雪上試乗】「ジープ・ラングラー vs ジープ・レネゲード」真冬の北海道でも存在感と走行性能は健在だ

本格クロカン4WDは、森林組合員や渓流釣りマニアなど、本当に悪路走破性が必要な人を除けば、その道具感であり、所有感を楽しむものだ。基本クロカン度が高まれば高まるほど「狭い」「ウルサイ」「乗り心地硬い」の3拍子が揃ってきて、いまどきの都会生活に似合わなくなる。ある意味、大都会で本気でサバゲーをしてるようなもの。だが、少年時代に意味なくアーミーナイフやモデルガンを持っていた小沢。欲しくなる気持ちは痛いほどわかる。

クロカン4WDの王道、最新ジープ・ラングラーの中でも、最もタフな3ドアのルビコンは結構ハードルが高い。売れ筋の5ドアのアンリミテッドは、ホイールベースが3mを超え、直進安定性も乗り心地も上々だが、3ドアは2.46m。ちょっとしたスポーツカー並みで、しかもタイヤが大口径のブロックタイヤだから低速からゴツゴツ感剥き出しで、高速でもハンドル取られまくり。オマケにこれまた本格4WDの証明、ボール&ナット式ステアリングを使っているからキックバックが緩くて、街中のUターンではステアリング操作が遅れ気味になる。最もそれを見越して早めに戻し始めるのがクロカン通の常識ではあるのだが。

でもその分、カッコよさはハンパない。特に現行4代目ラングラーは、デビュー時の2018年から知っている小沢だが、クラシカルさとモダンさの配合具合が絶妙。実はボンネット、フロント窓枠、左右ドア、左右フェンダー、ドアヒンジをアルミ合金化し、リアのスイングゲートに関してはマグネシウム合金まで使用する。お陰で車重は2トンよりちょい軽くなっているが、独立フェンダーやワイルドな7本スロットグリルは健在。それでいて横長ウィンカーを左右フェンダー内にビルトインしてあってほど良くモダン。伝統のジーンズ、リーバイス501をボタンフライのまま、生地を少し柔らかくしシェイプし直した感じ。この無骨なカッコ良さは永遠なのだ。

かたや同じ2018年に実に39年ぶりにフルモデルチェンジされた現行Gクラス。コチラはラングラーとはウラハラに完全にイイトコ取りの超セレブ向け4WDである。
見た目は一見、1979年に初登場した初代Gクラスそっくり。だが、中身は事実上Eクラスのサルーン並みのクオリティ。骨格こそ新作のラダーフレームだが、本格4WDの証したる前後リジットサスペンションを止め、フロントをダブルウイッシュボーンにし、なによりもボール&ナット式ステアリングをラック&ピニオン式に変更。効果は特にジープ・ラングラーと比べると露骨で、発進直後から全くボデイが跳ねない。ラダーフレームの宿命で、路面の継ぎ目こそ若干ゴツゴツ感を見せる時があるが、極力抑えてあってマジメにサルーン並みの乗り心地。ついでにラングラーみたいなシフト回りのギア鳴りも皆無で超静か。

なにより3Lディーゼルと9速ATの組み合せがいい。286psに600Nmの極太トルクで2.4トン超の巨体を余裕で走らせるだけでなく、ディーゼル音はほぼ聞こえてこない。これは装甲車みたいな遮音性が利いているようで、ヘタなサルーンより上かも。

さらに決定的なのはステアリングフィールで、実はジープも後述するジムニーもアスファルト上では残念ながら接地感が薄い。これぞボール&ナットの宿命だが、新型Gクラスはそれがない。高速のゆるいアップダウンで多少ボディが浮かび上がっても四輪がしっかりと路面を捉える感触がある。操舵フィールそのものも超しっとりで、Sクラスから乗り換えても全く違和感のない走りが味わえる。
それでいてインテリアは最新メルセデスのセクシーゴージャス路線。小沢がプラチナホワイトと勝手に呼ぶ金属風パネルに囲まれ、最新インフォテイメントのMBUXこそ付かないものの、12.3インチ×2枚のワイドモニターに取り囲まれハイテク感は文句ナシ。
同時に「オマエは走る金庫かよ!」と、呼びたくなるドア開閉の異様な剛性感や、シートなどの取り付け剛性もたまらない。見た目は無骨で中身スポーツサルーン。これを試して欲しくならない医者や社長連中がいないわけがないというイイトコ取りなクロカンだ。

クロカン濃度が高いのはやはりジムニー!

最後にスズキ・ジムニーの白ナンバー版のシエラ。こちらは、本気でクロカン4WDと付き合いたい人、その道具感が愛せないと無理なリアルウェポンといえる。

まず車内は車高1.7m台と軽スーパーハイトワゴン並みなのに、室内高は低い。リアシートの足元に関しては完全にスズキ・スペーシアに負けてる。そう、本格的なラダーフレームを採用しているからだ。
走りも確かに2年前に20年ぶりにフルモデルチェンジをして相当よくなった。かつてのジムニーは、ラダーフレームの典型的ゴツゴツ感とボール&ナット式ステアリングのユルユル感で溢れていたが、新型は剛性50%増しの新型ラダーフレームとアッパーボディの継ぎ目に新作マウントゴムを使ってるだけあって走りは相当しっとり。

とはいえ同じモノコックボディの都会派SUV、スズキ新型ハスラーと比べれば、ギクシャク感はかなりのもの。道路の継ぎ目で軽く跳ねるし、ステアリングフィールも甘く、高速では常に修正舵を迫られる。なにより102psの1.5Lエンジンだが、いまだに4速ATと組み合わされ、100km/h巡航でエンジン回転数は3000rpm。正直、ウルサくて都会のみで乗るのはつらい。
インテリアも先代ジムニーに比べると相当質感は上がったし、いまどきの7インチモニターも付いた。とはいえ全体にプラスティッキーだし、リアの内張りはボディ同色の鉄板がむき出し。ジープがファッショナブルなアメカジマニア、Gクラスをイイモノに目がない医者が買うとすると、ジムニー・シエラは本当にアウトドアが好きな公務員向け。ガチなクロカン4WD選びには、乗る人の男の生き様が確実に反映されるのである。

【Specification】JEEP WRANGLER RUBICON
■全長×全幅×全高=4320×1895×1840mm
■ホイールベース=2460mm
■車両重量=1920kg
■エンジン種類/排気量=V6DOHC24V/3604cc
■最高出力=284ps(209kW)/6400rpm
■最大トルク=347Nm(35.4kg-m)/4100rpm
■トランスミッション=8速AT
■サスペンション(F:R)=コイルリジット:コイルリジット
■ブレーキ(F:R)=Vディスク:ディスク
■タイヤサイズ=LT255/75R17:LT255/75R17
■車両本体価格(税込)=5,890,000円




お問い合わせ
FCAジャパン 0120-712-812

【Specification】MERCEDES-BENZ G350d
■全長×全幅×全高=4660×1985×1975mm
■ホイールベース=2890mm
■車両重量=2500kg
■エンジン種類/排気量=直6DOHC24V+ターボ/2924cc
■最高出力=286ps(210kW)/3400-4600rpm
■最大トルク=600Nm(61.2kg-m)/1200-3200rpm
■トランスミッション=9速AT
■サスペンション(F:R)=Wウイッシュボーン:リジットアクスル
■ブレーキ(F:R)=Vディスク:Vディスク
■タイヤサイズ(F:R)=265/60R18:265/60R18
■車両本体価格(税込)=11,920,000円




お問い合わせ
メルセデス・ベンツ日本 0120-190-610

【Specification】SUZUKI JIMNY SIERRA
■全長×全幅×全高=3550×1645×1730mm
■ホイールベース=2250mm
■車両重量=1090kg
■エンジン種類/排気量=直4DOHC16V/1460cc
■最高出力=102ps(75kW)/6000rpm
■最大トルク=130Nm(13.3kg-m)/4000rpm
■トランスミッション=4速AT
■サスペンション(F:R)=:3リンクリジットアスクル:トーションバー
■ブレーキ(F:R)=ディスク:ドラム
■タイヤサイズ(F:R)=195/80R15:195/80R15
■車両本体価格(税込)=2,057,000円




お問い合わせ
スズキ 0120-402-253

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

日産「新型スカイライン」発売! 歴代最強「匠“手組み”エンジン」×旧車デザインの「特別仕立て」登場も「次期型」はもう出ない…? 「集大成」完売した現状とは
日産「新型スカイライン」発売! 歴代最強「匠“手組み”エンジン」×旧車デザインの「特別仕立て」登場も「次期型」はもう出ない…? 「集大成」完売した現状とは
くるまのニュース
実は大きく違う!? モータースポーツ総合エンターテイナー濱原颯道が開催した「クシタニライダー台湾人スクール」で感じた台湾人ライダーと日本人ライダーの練習環境の違いとは
実は大きく違う!? モータースポーツ総合エンターテイナー濱原颯道が開催した「クシタニライダー台湾人スクール」で感じた台湾人ライダーと日本人ライダーの練習環境の違いとは
バイクのニュース
旧車への憧れ、理由の1位は「デザイン」、人気車種は…旧車王が調査
旧車への憧れ、理由の1位は「デザイン」、人気車種は…旧車王が調査
レスポンス
いずれスポーツカー[バブル]は崩壊する!! その時あなたは買う勇気があるか!?
いずれスポーツカー[バブル]は崩壊する!! その時あなたは買う勇気があるか!?
ベストカーWeb
レゴとF1、パートナーシップを締結…2025年からクリエイティブな遊び提案へ
レゴとF1、パートナーシップを締結…2025年からクリエイティブな遊び提案へ
レスポンス
メルセデスが3セッション連続で最速! 終盤の赤旗中断で、アタック未完了のマシン多数……勢力図は不明瞭|F1ラスベガスGPフリー走行3回目
メルセデスが3セッション連続で最速! 終盤の赤旗中断で、アタック未完了のマシン多数……勢力図は不明瞭|F1ラスベガスGPフリー走行3回目
motorsport.com 日本版
ルノーがハイブリッド車に使ったF1直系の技術……って聞くとなんかたぎる! 「ドッグクラッチ」ってそもそも何?
ルノーがハイブリッド車に使ったF1直系の技術……って聞くとなんかたぎる! 「ドッグクラッチ」ってそもそも何?
WEB CARTOP
F1ラスベガスFP3速報|赤旗で消化不良に。ラッセルがトップタイム、RB角田裕毅は16番手
F1ラスベガスFP3速報|赤旗で消化不良に。ラッセルがトップタイム、RB角田裕毅は16番手
motorsport.com 日本版
ホンダ新型「プレリュード」まもなく登場? 22年ぶり復活で噂の「MT」搭載は? 「2ドアクーペ」に反響多数!海外では“テストカー”目撃も!? 予想価格はいくら?
ホンダ新型「プレリュード」まもなく登場? 22年ぶり復活で噂の「MT」搭載は? 「2ドアクーペ」に反響多数!海外では“テストカー”目撃も!? 予想価格はいくら?
くるまのニュース
WRCラリージャパン、SS12キャンセル原因は“無許可の車両によるステージ侵入”とFIA発表
WRCラリージャパン、SS12キャンセル原因は“無許可の車両によるステージ侵入”とFIA発表
motorsport.com 日本版
山脈貫通!「新潟‐福島」結ぶ国道が建設着々 “延長21km・トンネル15本”におよぶ大規模道路いつ開通?
山脈貫通!「新潟‐福島」結ぶ国道が建設着々 “延長21km・トンネル15本”におよぶ大規模道路いつ開通?
乗りものニュース
昭和の名車とワーゲンがぎっしり…茨城県の江戸崎商店街でホコ天イベント
昭和の名車とワーゲンがぎっしり…茨城県の江戸崎商店街でホコ天イベント
レスポンス
ドゥカティ現行車では唯一!? 空冷Lツインを搭載する第2世代スクランブラー「アイコン」の魅力
ドゥカティ現行車では唯一!? 空冷Lツインを搭載する第2世代スクランブラー「アイコン」の魅力
バイクのニュース
ホーナーの言うことは「信用できない」とウォルフ。妻に対するFIAの調査の際に不信感を募らせたことを明かす
ホーナーの言うことは「信用できない」とウォルフ。妻に対するFIAの調査の際に不信感を募らせたことを明かす
AUTOSPORT web
バスドライバーを疲れさせる「プルプル運転」とは何か? 自動運転時代の落とし穴! 過剰な安全対策が招く危険とは
バスドライバーを疲れさせる「プルプル運転」とは何か? 自動運転時代の落とし穴! 過剰な安全対策が招く危険とは
Merkmal
46台の輸入EVが丸の内に集結!「JAIA カーボンニュートラル促進イベント」リポート
46台の輸入EVが丸の内に集結!「JAIA カーボンニュートラル促進イベント」リポート
LE VOLANT CARSMEET WEB
【プロカメラマン】が大量画像で記録!「腐っていたKLXが終に熟成!四国MSBR撮影後の修理と詰めの改良!」(最終回)  
【プロカメラマン】が大量画像で記録!「腐っていたKLXが終に熟成!四国MSBR撮影後の修理と詰めの改良!」(最終回)  
モーサイ
ホンダが全固体電池のパイロットラインを初公開。一連の生産工程を再現しながら徹底検証
ホンダが全固体電池のパイロットラインを初公開。一連の生産工程を再現しながら徹底検証
Webモーターマガジン

みんなのコメント

3件
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

196.2218.4万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

49.8598.0万円

中古車を検索
ジムニーシエラの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

196.2218.4万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

49.8598.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村