■「ぼっち」のときこそ輝く!? 多人数乗車できないクルマたち
今年も12月24日、すなわち「クリスマス・イブ」の夜がやってきました。クリスマスムード一色となった街がカップルで賑わう一方、家族や大切な人と家でゆったり過ごす人も多くいることでしょう。
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しかし、すべての人が誰かと過ごすわけではありません。クリスマスをひとりぼっち(以下、ぼっち)で迎え、ひとり分のケーキとチキンを買って家に帰ったり、プレゼント企画のバラエティ特番を見たりして、乾いた心を癒やすという人もなかにはいるでしょう。
そこで、今回はぼっちの人にもオススメな、多人数乗車はできないものの個性的な一面をもつクルマを3車種ピックアップして紹介します。
●ダイハツ「ミゼットII」
ダイハツ「ミゼットII」は、1996年に登場した軽トラックです。乗車定員は、MT仕様が1名、AT仕様が2名に設定され、ある意味ぼっちのための究極のクルマといえるでしょう。
ボディサイズは全長2790mm×全幅1335mm×全高1705mmと、当時の軽自動車規格と比べても全長で約500mm、全幅で約100mm小さくなっています。
また、価格の安さも特徴的で、発売当時に存在した1人乗り/4速MT仕様の価格は46万9000円(消費税抜)から59万9000円と、お手頃な価格に設定されていました。
その一方、ミゼットIIの生産はベルトコンベアに乗ったラインやロボットを使わず、手作りの生産ラインでおこなわれており、これは熟練者の技術を若い人に伝承することと、熟練者の技能を十分に活用する目的からおこなわれたといいます。
ミゼットIIには、荷台部をスチール製とした「ミゼットIIカーゴ」も存在し、ユーザーの使い方にあわせて選択することができます。
もし、ミゼットIIの荷台をプレゼントで満載にし、街へ繰り出せば、ミゼットIIは“トナカイのそり”のような存在となるかもしれません。
●トヨタ「iQ」
2008年に発売されたトヨタ「iQ」は、普通車(登録車)であるにも関わらず、全長が3メートルを切る非常にコンパクトなクルマです。
標準仕様の定員は4名でしたが、快適に移動できる人数は、大人3人と子ども1人の「3+1」人でした。また、乗車定員を減らして2名乗車としたモデルも登場しました。
ボディサイズは多くの軽自動車より400mm以上も短い全長2985mm×全幅1680mm×全高1500mmと、全長の短さの割に全幅の広さが目立つ寸法となっています。
搭載されるパワートレインは、1リッター直列3気筒エンジンと、販売期間の途中で追加された1.3リッター直列4気筒エンジンの2種類です。
小さいボディを採用したからこそ、万が一の際の安全性能も追求されており、後席の乗員を追突事故時に保護する「リヤウインドウカーテンシールドエアバッグ」を世界初採用しました。
いざというときには4名乗車できるというフレキシブルさを持つiQであれば、来年のクリスマスがぼっちでなくなった場合でも安心といえます。
■個性的なクルマだからこそ活かせるメリットもある?
●ホンダ「S660」
現行軽自動車で唯一となるミッドシップ・オープン「S660」は、2015年に販売された2人乗りのクルマです。また、今回紹介する3車種のなかで、唯一の現行モデルとなります。ボディサイズは全長3395mm×全幅1475mm×全高1180mmです。
ただシートが2名分しかないだけでなく、荷物を積むスペースもほぼゼロとなっていることから、2名で外出したときには買い物にさえ苦労するという、極めて限られた居住空間を持つクルマとなっています。
パワートレインは、最高出力64馬力を発揮する直列3気筒ターボエンジンを、リアミッドシップに搭載。トランスミッションは、CVTと軽自動車初となる6速MTが組み合わされます。
また、軽自動車初となるハンドリング支援システム「アジャイルハンドリングアシスト」も採用。走る、曲がる、止まる、というスポーツカーに求められる性能を高めています。
S660の車両価格(消費税込)は、201万7400円から290万2900円です。
ロールトップを外し、屋根をオープンにして星空の下を走れば、クリスマスをぼっちで迎えたことなど、どうでも良くなってしまうかもしれません。
※ ※ ※
「お1人乗り推し」なクルマには、個性的な特徴や珍しい見た目を持つモデルも多いです。なかでもクルマの知識や先入観が少ない子どもたちからは、興味津津な目でみられ、ときには沿道から「カッコいいー!」といわれることもあります。
そんなときには、仮にぼっちの状態だったとしても、誰かとのつながりを感じることができるかもしれません。今日の夜が、多くの人にとって楽しい時間となりますように。
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