この記事をまとめると
■スバルの屋台骨を支えるモデルへと成長したフォレスターを振り返る
探したけれど「ガチライバル」不在! 低全高の本格SUVは「スバル新型クロストレック」が独占状態だった
■初代はワゴンをベースにしたクロスオーバーSUVとして誕生した
■現行モデルは2022年8月にマイナーチェンジを行い、STI Sportも追加された
北米市場で高い人気を誇るスバル・フォレスター
ミドルサイズSUVにおいて高い人気を誇るスバル・フォレスター。国内外で人気を誇り、スバルの屋台骨を支えているフォレスターについて紹介していきましょう。
スバル・フォレスターとは?
インプレッサをベースにクロスオーバーSUVへと仕立てた初代フォレスターが登場したのが1997年。以降、モデルチェンジを重ねるごとに人気が高まり、いまやスバルのグローバル最量販車種となりました。
スバルが最量販車種と位置づけるモデル
スバルを支える人気車種へと成長したフォレスター。2018年に登場した現行モデルも、国内はもとよりグローバル市場、とくに北米市場で高い人気を誇ります。
現行モデルの大きな特徴はプラットフォームにSGP(スバルグローバルプラットフォーム)を採用したこと。初代レガシィで構築したプラットフォームを長年改良しながら使用していたスバルが、次世代、さらにその次の世代まで視野に入れて新たに生み出したシャシーです。
SGPを採用した現行モデルは先代と比べボディ剛性の向上、優れたパッケージングやユーティリティ性能、使い勝手などが大きく高まりました。
また、パワートレインも刷新。デビュー時はe-BOXERと名付けられた2リッター水平対向4気筒マイルドハイブリッド、2.5リッター水平対向4気筒直噴エンジンが用意されていました。2020年の一部改良で1.8リッター直噴ターボエンジンも追加されています。
トランスミッションはスバル自慢のリニアトロニックCVT。CVTでありながらダイレクト感を備えたトランスミッションと各エンジンの組み合わせは、日常使いから高速走行、悪路まで高い走行性能を誇ります。
現在最新は5代目
現行モデルが5代目となるフォレスター。初代からどのように進化していったのでしょうか。
初代(1997~2022年)
登場後、高い人気を誇ったレガシィアウトバックと同様にワゴンをベースとしたクロスオーバーSUVとして、ひとクラス下のセグメントに投入された初代フォレスター。
パワーユニットは2リッター水平対向4気筒ターボエンジンを搭載してデビューしましたが、後にリーンバーンエンジンへの改良や2リッターNAエンジン、2.5リッターNAエンジンが追加されています。
2代目(2002年~2007年)
初のモデルチェンジで2022年に登場した2代目。初代が人気を得たことでエクステリアはキープコンセプトとし、ボディサイズも大きな変更はありませんでした。
デビュー時には2リッター水平対向4気筒ターボ&NAエンジンが用意され、その後の改良により2.5リッター水平対向4気筒ターボエンジンが追加されています。
3代目(2007~2012年)
初代、2代目より全高を高めるなどSUVらしさを強調したフォルムを採用し、2007年に登場した3代目。全長が約100mm、全幅は約50mmほど長く広くなったことで外観の迫力が大きく増しています。
パワーユニットはDOHC化された2リッター水平対向4気筒ターボ&NAエンジンをラインアップ。マイナーチェンジで2リッターNAが新世代BOXERエンジンへ変更されました。
4代目(2012~2018年)
3代目同様に、SUVらしいワイルドなエクステリアデザインを採用して2012年に登場した4代目。先代と見た目に大きな違いこそありませんでしたが、先進安全装備をはじめとする機能面で大きく進化しています。
先代同様パワーユニットは2リッター水平対向4気筒ターボ&NAエンジンを用意し、リニアトロニックCVTを初めて採用しました。
STI Sportも追加され盤石のラインアップを形成
最新モデルは2022年8月のマイナーチェンジバージョン
以前のバージョンとの違いは?
現行フォレスターはデビュー後、年々細かい改良が加えられてきましたが、2021年10月に大きな改良が加えられました。
なかでも大きなトピックスとなるのが1.8リッター直噴ターボエンジン搭載車を新たに設定したことでしょう。2代目レヴォーグに初めて搭載されたCB18型水平対向エンジンは、極薄クランクウェブを実現したことでエンジンの全長を短縮。ヨー慣性モーメントを縮小したこのエンジンは、年々厳しくなる環境規制への対応を見据えたパワーユニットです。
新パワーユニットの追加から約1年後となる2022年8月の改良では、足まわりなどにSTIチューニングが施された新グレード「STI Sport」が追加されました。
1.8リッター直噴ターボエンジンを搭載した「Sport」をベースに、STIチューニングが施された日立Astemo製SFRDフロントダンパーとSTIチューニングのリヤダンパーを装着した「STI Sport」は応答性が高い走りを実現。ブラック&ボルドーでシックに仕立てたインテリアなど、上質さも併せ持つグレードとなっています。
最新バージョンに試乗した感想
「STI Sport」を走らせると背が高い“SUVらしくない”ハンドリングやコーナリング時の安定感を備えていることで、安心してコーナーを攻めることができます。シンメトリカル4WDの恩恵もあり、とくに安定感抜群なことに感心してしまいました。
また、スポーツモデルではあるものの高級感があるインテリアの印象も○。完成度が高いSUVに仕上がっています。
新型スバル・フォレスターの価格は?
現行フォレスターには5つのグレードがラインアップされています。スタンダードモデルとなる「Touring」が299万2000円。「Touring」にはe-BOXERと呼ばれる2リッターエンジン+モーターのマイルドハイブリッドが搭載されています。同じくe-BOXERを搭載し撥水ポリウレタンシートなどを装備した「X-BREAK」は313万5000円。
ナッパレザーシートなどを装備しe-BOXERを搭載した上級モデル「Advance」は323万4000円。1.8リッター直噴ターボエンジンを搭載したスポーツモデルの「SPORT」は335万5000円。そして先程紹介した「STI Sport」が363万円となります。
北米限定で、新モデルが登場
国内での話題ではないですが、北米市場で販売されるフォレスターの2023年モデルが2022年12月に発売を開始しました。主に装備面の充実が新モデルの特徴となります。また、北米仕様では2022年より専用モデル「フォレスター ウィルダネス」を発売。国内導入の可能性はあるのでしょうか?
以前のバージョンとの違いは?
北米フォレスター2023年モデルの大きな特徴は最新のアイサイトを標準装備したことです。このアイサイトは広角化されたステレオカメラなどにより、従来型より幅広いシーンでアイサイトが作動するよう改良されたものです。また、新たな自動緊急ステアリングが装備されたことも特徴。衝突前ブレーキシステムと連動し、時速80km/h以下での衝突を回避するようステアリング制御を支援します。
その他、上級グレードにはオートエアコンなどの操作を可能とするジェスチャーコントロール機能を採用。ベースグレードにもスマートフォン統合システムや高解像度タッチスクリーンが装備されるなど、充実した装備が施されました。
日本の最新バージョン国内仕様と北米限定車との違いは?
2022年から販売されている「フォレスター ウィルダネス」は、標準車からさらに地上最低高を上げたほか専用コイルスプリングを採用するなどで悪路走破性を高めています。ただし、サスペンションセッティングを施してコーナリング時のロール角を抑制するなど、オフロードだけでなくオンロードでの走行にも注視したことが大きな特徴といえるでしょう。
また、国内で販売されているフォレスターと大きく違うのがエクステリアデザイン。SUVらしさを強調するため、ホイールアーチやバンパーなどボディ全域にプロテクションパーツを装着。高められた全高とともにワイルドさが大きく増しています。
インテリアも撥水加工を施したシート表皮を採用し、アウトドアでの使用を考慮しているなど、標準車と異なる装備が満載。
パワーユニットは国内仕様にも用意される2.5リッター水平対向エンジンを搭載していますが、駆動力を高めるため、ファイナルギア比をローギヤ化したCVTを組み合わせているところも国内仕様とは異なるポイントです。
日本での発売の可能性
国内仕様と比べ、フォレスター ウィルダネスはワイルドかつ、悪路走破性が高められているなどなかなか魅力的なモデルです。北米市場のみならず国内導入を希望する声も多いようですが、いまのところ国内販売するとの情報は入ってきていません。
ただ、オフロード性能が高められた同車は国内での需要も少なからずあるはず。今後、販売される可能性もゼロとは言えないでしょう。
まとめ
スバルが誇る水平対向エンジンやAWDシステムを備え、オンオフ問わず高い走行性能を誇るフォレスター。スバルファンはもちろん、SUVを求めるユーザーにとっても気になる1台であることは間違いありません。
数多くの魅力を備えるフォレスターですが、北米限定で販売されるフォレスター ウィルダネスはさらに魅力を感じる存在。いますぐにでも国内導入してほしいと考えるスバルファンは多いのではないでしょうか。
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みんなのコメント
ただ低重心のボクサーエンジンとAWDの優位性も床に重いバッテリーを積むエクストレイルやアウトランダーに対して相対的に低くなってきたし、燃費は2周遅れくらいになってきたから買い替えしたくなるような魅力的な改良をら望みます!