<多くのホンダF1スタッフがレッドブルに移籍予定>
2021年限りでF1活動を終了するホンダが2022年以降のモータースポーツ活動に関する発表を行ないました。
四輪&二輪の最高峰マシンが東京都心を疾走! 『Red Bull Race Day』が12月19日に開催
主たるテーマは今シーズン好調のF1パワーユニットに関するもので、レッドブルグループが、レッドブルパワートレインズという会社を立ち上げ、そこにホンダが持つパワーユニットの知的財産権の使用許諾をすること、レッドブルパワートレインズ社に英国にあるホンダのF1活動拠点からかなりのスタッフが移籍することなどが発表されました。
また、レッドブルとの関係はF1参戦終了によって途切れてしまうのではなく、今後も若手ドライバーの育成などにおいてコラボレーションを続けていくということです。
<F1活動は二輪スポーツ部門のHRCが引き継ぐことに!?>
こうした落としどころについては以前から噂されていたこともあって、驚くことではありませんが、つづいてレッドブルグループのF1活動をHRC(株式会社ホンダ・レーシング)が行なうと発表されたことには驚かされます。
トリコロールカラーで知られるHRCは、ホンダの二輪モータースポーツ活動を支えてきたレースのプロ集団。2022年からはホンダはF1のサポートのみならず四輪のモータースポーツ活動全般をHRCに移すということです。
つまりスーパーフォーミュラも、スーパーGTも、HRCが運営するということになります。はたして二輪・四輪を総合的にカバーするレース集団としてHRCがどのように変化していくのかは想像もつきませんが、期待したいことがひとつあります。
<HRCロゴの入った4輪スポーツモデルが登場するかもしれない>
それが四輪のHRCバージョン(仮)です。
二輪ファンならばご存知のように、すでに二輪のスーパースポーツ系市販モデルにはHRCのロゴがタンクやフェアリングに入ることで、レース直系のマシンであることをアピールしています。
HRCロゴは市販車をベースにしたモータースポーツで勝つために生まれてきたマシンであることの証明でもあるのですが、同時にオーナーの所有満足度を高める要素にもなっています。
<HRCによるホンダの4輪スポーツカーのリブランディングに期待>
ところで、モータースポーツを支える企業名といえば、日産の「NISMO(ニスモ)」やスバルの「STI(エスティーアイ)」などが知られています。そして日産車にはNISMO仕様があり、スバル車にはSTIのロゴが入ったスポーツグレードが存在しています。
マニアックな話をすると、そもそもはNISMOやSTIの名前をつけたロードカーを開発したというよりも、グループAという市販車改造クラスのモータースポーツが盛んだった時代に、勝つための性能を与えられた限定車にNISMOやSTIの名前がつけられていました。モータースポーツのために生み出されたクルマに、ワークスの名前が冠されたのです。
具体的にいえば、R32 型スカイラインGT-R NISMOや初代インプレッサのSTiバージョンといったモータースポーツ用グレードが登場したことが、現在のストリートカーのルーツとなっています。
歴史は繰り返すという意味では、ホンダ車にもHRCバージョンのようなスパルタンなモータースポーツベース車が出てくる可能性がゼロとはいえませんし、せっかくHRCがホンダのモータースポーツ全般を担当するのであれば、そのブランドを市販車に活かさない手はないでしょう。
逆のパターンとして、BMWは四輪で培ってきたMブランドを二輪に展開して、いい相乗効果を見せているといいます。ホンダが四輪スポーツカーにもHRCのロゴを入れることでブランドを再構築してもおかしくはありません。
モータースポーツ活動がホンダのDNAであるというのならば、HRCの全面的な展開は自然な話であって、今回の統合はむしろ遅すぎるとさえいえます。はたして新生HRCはモータースポーツ活動だけに留まるのか、それとも市販車においてもレーシングイメージを象徴するブランドになるのか、2022年の活動に注目です。
文:山本晋也(自動車コミュニケータ・コラムニスト)
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