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ハイブリッドがアップデート ホンダ・フィット・クロスターへ英国試乗 望ましい結果

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ハイブリッドがアップデート ホンダ・フィット・クロスターへ英国試乗 望ましい結果

ハイブリッド・システムを中心にアップデート

コンパクト・ハッチバックは近年減少傾向。それでも、Bセグメントに属するホンダ・ジャズ(フィット)は、英国で堅調な人気を維持している。その訴求力を保つべく、アップデートが施された。

【画像】ハイブリッドがアップデート ホンダ・フィット・クロスター 競合ハッチバックと比較 全132枚

英国市場では、フィットはライバルより価格がお高め。そのかわり、革新的なハイブリッド・パワートレイン、e:HEVを搭載している。従来の特徴を保ちつつ、走行時のCO2排出量を抑えている点が、支持を集める理由の1つになっている。

今回のアップデートでも、ホンダが注力したのはハイブリッド・システムの改良。筆者が試乗した、クロスオーバー風のクロスターにも施されている。ただし、変化の幅は大きくない。

見た目では、フロントグリルとバンパー、ヘッドライトのデザインが新しくなった。またシャシーにも手が加えられている。よりスポーティーで魅力的な運転体験を求めるユーザーのために。

フィットのe:HEVは、2基の駆動用モーターとバッテリー、1.5L 4気筒・自然吸気ガソリンエンジン、e-CVTという構成で成り立っている。非常に複雑なシステムだが、アップデート前から優れたエネルギー効率を得られることは確かめている。

このアップデートで、システム総合での最高出力を109psから121psへ上昇させつつ、フィット・クロスターの20.9km/Lという燃費と、109g/kmのCO2排出量に変化はない。駆動用モーターと内燃エンジンの能力を高めつつ、望ましい結果を導いている。

シームレスでエネルギー効率に優れる走り

現行のフィットは、低速で走行している場面では駆動用モーターが専ら働く。エンジンは回転しないため非常に静かなだけでなく、リニアで滑らかな走りを味わえる。まるでバッテリーEVのように。

駆動用バッテリーの充電量を保つため、発進後しばらくするとエンジンが発電機として始動。駆動用モーターとバッテリーへ、必要な電気を供給する。

高速道路の速度域ではクラッチが繋がり、エンジンが直接フロントタイヤを駆動し始める。その間でも、必要に応じて駆動用モーターがアシスト。80km/h前後で走行中に、エンジンが停止し電気の力だけで走る場面をしばしば体験した。

説明するとパワートレインの複雑な動きに翻弄されそうだが、実際は心配不要。システム自体が状態を判断し、最適なエネルギー効率が実現されている。ドライバーは、普段通りアクセルとブレーキのペダルを踏んでいれば大丈夫だ。

むしろ、古くからのフィット・ユーザーがアクセルペダルを踏んだら、その加速力に驚くかもしれない。静止状態からでも、巡航走行中でも、活発さに笑みが溢れるだろう。

運転中に、エンジンや駆動用モーターの動きを知る手段は、モニター式メーターに示される小さなアイコンのみ。ホンダはシームレスに切り替わると主張しているが、まったく異論はない。

燃費も褒められる。試乗では積極的に飛ばした時間も含まれたものの、平均で19.8km/Lを記録した。もっとも、トヨタ・ヤリスのカタログ値は24.4km/Lと、さらに勝るが。

フィットらしい車内空間の広さ

乗り心地はフラット。このクラスのハッチバックへ想像するより、硬いかもしれない。クロスターの場合、通常のフィットよりサスペンションのストロークが伸ばされ、車高は37mm持ち上げられているが、快適性は変わらない。

ただし、荒れた路面への処理はもう少し洗練されてもいいだろう。強めの衝撃が伝わってくる。

カーブへ高めの速度を保って侵入すると、競合モデルより大きめにボディロールが生じる。それでも、悪くないペースで先を急げる。全体的な走行時のフィーリングは、上質といっていい。

現行型の特徴の1つといえるのが、ワンボックスカーのような運転姿勢。車高や座面が高めで、フロントガラスは前方にあり大きく寝かされている。このデザインが影響してか、風切り音は少々大きめに感じた。

フィットらしいといえるのは、車内空間の広さ。身長が高めのドライバーでも、窮屈に感じることはまったくない。リアシートも、大人が十分快適に過ごせるゆとりがある。Bセグメントのハッチバックとしては、例外的なほどだ。

広い荷室もプラス。リアシートを跳ね上げれば、大鉢の観葉植物も運べるはず。

過去にないほど好感触なインテリア

今回のアップデートでは、インテリアの配色が僅かに新しくなった。もともと、現行のフィットのインテリアは過去にないほど好感触。「用の美」という、日本のものづくりに対する美意識を反映したと、ホンダは主張している。

実際、内装のデザインはスッキリと整い、素材はこのクラスとしては質感が高い。エアコンの操作パネルには、ボタンとダイヤルが残され、考えることなく自然に扱える。

ダッシュボードに据えられたインフォテインメント用タッチモニターも、上部にあるため目線を送りやすい。ソフトウエアのメニューも簡潔。他のメーカーが見習ってほしいほど、使い勝手に優れる。

ホンダ・フィットは、快適で実用的で、運転しやすく好燃費。最新版の英国価格はお高めながら、今まで通りの強みはしっかり維持できている。

車高の持ち上げられたクロスターは、定番のジャズ(フィット)にモダンなベースラインがリミックスされたような、オシャレな仕様。車高は持ち上げられているが、本来の特長はそのまま。お好みでどうぞ。

ホンダ・ジャズ(フィット) 1.5i-MMD クロスター(英国仕様)のスペック

英国価格:2万8635ポンド(約461万円)
全長:4090mm
全幅:1725mm
全高:1566mm
最高速度:173km/h
0-100km/h加速:9.7秒
燃費:20.9km/L
CO2排出量:109g/km
車両重量:1248kg
パワートレイン:直列4気筒1498cc自然吸気+ツイン電気モーター
使用燃料:ガソリン
最高出力:121ps/6000rpm(システム総合)
最大トルク:25.8kg-m/4500rpm(システム総合)
ギアボックス:e-CVT

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みんなのコメント

17件
  • 韓国人デザイナーだろ
  • メカニズムはトヨタに負けてない。何せよデザインが保守的過ぎてもっと冒険しなさいよ。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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