現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > ハイブリッドがアップデート ホンダ・フィット・クロスターへ英国試乗 望ましい結果

ここから本文です

ハイブリッドがアップデート ホンダ・フィット・クロスターへ英国試乗 望ましい結果

掲載 17
ハイブリッドがアップデート ホンダ・フィット・クロスターへ英国試乗 望ましい結果

ハイブリッド・システムを中心にアップデート

コンパクト・ハッチバックは近年減少傾向。それでも、Bセグメントに属するホンダ・ジャズ(フィット)は、英国で堅調な人気を維持している。その訴求力を保つべく、アップデートが施された。

【画像】ハイブリッドがアップデート ホンダ・フィット・クロスター 競合ハッチバックと比較 全132枚

英国市場では、フィットはライバルより価格がお高め。そのかわり、革新的なハイブリッド・パワートレイン、e:HEVを搭載している。従来の特徴を保ちつつ、走行時のCO2排出量を抑えている点が、支持を集める理由の1つになっている。

今回のアップデートでも、ホンダが注力したのはハイブリッド・システムの改良。筆者が試乗した、クロスオーバー風のクロスターにも施されている。ただし、変化の幅は大きくない。

見た目では、フロントグリルとバンパー、ヘッドライトのデザインが新しくなった。またシャシーにも手が加えられている。よりスポーティーで魅力的な運転体験を求めるユーザーのために。

フィットのe:HEVは、2基の駆動用モーターとバッテリー、1.5L 4気筒・自然吸気ガソリンエンジン、e-CVTという構成で成り立っている。非常に複雑なシステムだが、アップデート前から優れたエネルギー効率を得られることは確かめている。

このアップデートで、システム総合での最高出力を109psから121psへ上昇させつつ、フィット・クロスターの20.9km/Lという燃費と、109g/kmのCO2排出量に変化はない。駆動用モーターと内燃エンジンの能力を高めつつ、望ましい結果を導いている。

シームレスでエネルギー効率に優れる走り

現行のフィットは、低速で走行している場面では駆動用モーターが専ら働く。エンジンは回転しないため非常に静かなだけでなく、リニアで滑らかな走りを味わえる。まるでバッテリーEVのように。

駆動用バッテリーの充電量を保つため、発進後しばらくするとエンジンが発電機として始動。駆動用モーターとバッテリーへ、必要な電気を供給する。

高速道路の速度域ではクラッチが繋がり、エンジンが直接フロントタイヤを駆動し始める。その間でも、必要に応じて駆動用モーターがアシスト。80km/h前後で走行中に、エンジンが停止し電気の力だけで走る場面をしばしば体験した。

説明するとパワートレインの複雑な動きに翻弄されそうだが、実際は心配不要。システム自体が状態を判断し、最適なエネルギー効率が実現されている。ドライバーは、普段通りアクセルとブレーキのペダルを踏んでいれば大丈夫だ。

むしろ、古くからのフィット・ユーザーがアクセルペダルを踏んだら、その加速力に驚くかもしれない。静止状態からでも、巡航走行中でも、活発さに笑みが溢れるだろう。

運転中に、エンジンや駆動用モーターの動きを知る手段は、モニター式メーターに示される小さなアイコンのみ。ホンダはシームレスに切り替わると主張しているが、まったく異論はない。

燃費も褒められる。試乗では積極的に飛ばした時間も含まれたものの、平均で19.8km/Lを記録した。もっとも、トヨタ・ヤリスのカタログ値は24.4km/Lと、さらに勝るが。

フィットらしい車内空間の広さ

乗り心地はフラット。このクラスのハッチバックへ想像するより、硬いかもしれない。クロスターの場合、通常のフィットよりサスペンションのストロークが伸ばされ、車高は37mm持ち上げられているが、快適性は変わらない。

ただし、荒れた路面への処理はもう少し洗練されてもいいだろう。強めの衝撃が伝わってくる。

カーブへ高めの速度を保って侵入すると、競合モデルより大きめにボディロールが生じる。それでも、悪くないペースで先を急げる。全体的な走行時のフィーリングは、上質といっていい。

現行型の特徴の1つといえるのが、ワンボックスカーのような運転姿勢。車高や座面が高めで、フロントガラスは前方にあり大きく寝かされている。このデザインが影響してか、風切り音は少々大きめに感じた。

フィットらしいといえるのは、車内空間の広さ。身長が高めのドライバーでも、窮屈に感じることはまったくない。リアシートも、大人が十分快適に過ごせるゆとりがある。Bセグメントのハッチバックとしては、例外的なほどだ。

広い荷室もプラス。リアシートを跳ね上げれば、大鉢の観葉植物も運べるはず。

過去にないほど好感触なインテリア

今回のアップデートでは、インテリアの配色が僅かに新しくなった。もともと、現行のフィットのインテリアは過去にないほど好感触。「用の美」という、日本のものづくりに対する美意識を反映したと、ホンダは主張している。

実際、内装のデザインはスッキリと整い、素材はこのクラスとしては質感が高い。エアコンの操作パネルには、ボタンとダイヤルが残され、考えることなく自然に扱える。

ダッシュボードに据えられたインフォテインメント用タッチモニターも、上部にあるため目線を送りやすい。ソフトウエアのメニューも簡潔。他のメーカーが見習ってほしいほど、使い勝手に優れる。

ホンダ・フィットは、快適で実用的で、運転しやすく好燃費。最新版の英国価格はお高めながら、今まで通りの強みはしっかり維持できている。

車高の持ち上げられたクロスターは、定番のジャズ(フィット)にモダンなベースラインがリミックスされたような、オシャレな仕様。車高は持ち上げられているが、本来の特長はそのまま。お好みでどうぞ。

ホンダ・ジャズ(フィット) 1.5i-MMD クロスター(英国仕様)のスペック

英国価格:2万8635ポンド(約461万円)
全長:4090mm
全幅:1725mm
全高:1566mm
最高速度:173km/h
0-100km/h加速:9.7秒
燃費:20.9km/L
CO2排出量:109g/km
車両重量:1248kg
パワートレイン:直列4気筒1498cc自然吸気+ツイン電気モーター
使用燃料:ガソリン
最高出力:121ps/6000rpm(システム総合)
最大トルク:25.8kg-m/4500rpm(システム総合)
ギアボックス:e-CVT

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

ラリージャパン2024が開幕。勝田貴元が新レイアウトのスタジアムステージで3番手発進/WRC日本
ラリージャパン2024が開幕。勝田貴元が新レイアウトのスタジアムステージで3番手発進/WRC日本
AUTOSPORT web
N-VANより安い200万円以下!? スズキ新型[エブリイ]は配達業を助ける!! 航続距離200kmのBEVに生まれ変わる
N-VANより安い200万円以下!? スズキ新型[エブリイ]は配達業を助ける!! 航続距離200kmのBEVに生まれ変わる
ベストカーWeb
実録・BYDの新型EV「シール」で1000キロ走破チャレンジ…RWDの走行距離はカタログ値の87.9%という好成績を達成しました!
実録・BYDの新型EV「シール」で1000キロ走破チャレンジ…RWDの走行距離はカタログ値の87.9%という好成績を達成しました!
Auto Messe Web
8年目の小さな「成功作」 アウディQ2へ試乗 ブランドらしい実力派 落ち着いた操縦性
8年目の小さな「成功作」 アウディQ2へ試乗 ブランドらしい実力派 落ち着いた操縦性
AUTOCAR JAPAN
RSCフルタイム引退のウインターボトム、2025年は古巣に復帰しウォーターズの耐久ペアに就任
RSCフルタイム引退のウインターボトム、2025年は古巣に復帰しウォーターズの耐久ペアに就任
AUTOSPORT web
ハコスカ!? マッスルカー!?「ちがいます」 “55歳”ミツオカ渾身の1台「M55」ついに発売 「SUVではないものを」
ハコスカ!? マッスルカー!?「ちがいます」 “55歳”ミツオカ渾身の1台「M55」ついに発売 「SUVではないものを」
乗りものニュース
スズキ、軽量アドベンチャー『Vストローム250SX』のカラーラインアップを変更。赤黄黒の3色展開に
スズキ、軽量アドベンチャー『Vストローム250SX』のカラーラインアップを変更。赤黄黒の3色展開に
AUTOSPORT web
元ハースのグロージャン、旧知の小松代表の仕事ぶりを支持「チームから最高の力を引き出した。誇りに思う」
元ハースのグロージャン、旧知の小松代表の仕事ぶりを支持「チームから最高の力を引き出した。誇りに思う」
AUTOSPORT web
本体35万円! ホンダの「“超”コンパクトスポーツカー」がスゴい! 全長3.4m×「600キロ切り」軽量ボディ! 画期的素材でめちゃ楽しそうな「現存1台」車とは
本体35万円! ホンダの「“超”コンパクトスポーツカー」がスゴい! 全長3.4m×「600キロ切り」軽量ボディ! 画期的素材でめちゃ楽しそうな「現存1台」車とは
くるまのニュース
リアウィンドウがない! ジャガー、新型EVの予告画像を初公開 12月2日正式発表予定
リアウィンドウがない! ジャガー、新型EVの予告画像を初公開 12月2日正式発表予定
AUTOCAR JAPAN
最近よく聞く「LFP」と「NMC」は全部同じ? EV用バッテリーの作り方、性能の違い
最近よく聞く「LFP」と「NMC」は全部同じ? EV用バッテリーの作り方、性能の違い
AUTOCAR JAPAN
アロンソのペナルティポイントはグリッド上で最多の8点。2025年序盤戦まで出場停止の回避が求められる
アロンソのペナルティポイントはグリッド上で最多の8点。2025年序盤戦まで出場停止の回避が求められる
AUTOSPORT web
「俺のオプカン~仙台場所~」初開催!「オープンカントリー」を愛する男性ユーザーが集まって工場見学…川畑真人選手のトークショーで大盛りあがり
「俺のオプカン~仙台場所~」初開催!「オープンカントリー」を愛する男性ユーザーが集まって工場見学…川畑真人選手のトークショーで大盛りあがり
Auto Messe Web
「ラリーのコースなのでトンネル工事を休止します」 名古屋‐飯田の大動脈 旧道がレース仕様に!
「ラリーのコースなのでトンネル工事を休止します」 名古屋‐飯田の大動脈 旧道がレース仕様に!
乗りものニュース
紫ボディはオーロラがモチーフ、中国ユーザーが求めた特別なインフィニティ…広州モーターショー2024
紫ボディはオーロラがモチーフ、中国ユーザーが求めた特別なインフィニティ…広州モーターショー2024
レスポンス
『頭文字D』愛が爆発。パンダカラーで登場のグリアジン、ラリージャパンで公道最速伝説を狙う
『頭文字D』愛が爆発。パンダカラーで登場のグリアジン、ラリージャパンで公道最速伝説を狙う
AUTOSPORT web
トヨタ勝田貴元、WRCラリージャパンDAY2は不運な後退も総合3番手に0.1秒差まで肉薄「起こったことを考えれば悪くない順位」
トヨタ勝田貴元、WRCラリージャパンDAY2は不運な後退も総合3番手に0.1秒差まで肉薄「起こったことを考えれば悪くない順位」
motorsport.com 日本版
日産「新型ラグジュアリーSUV」世界初公開! 斬新「紫」内装&オラオラ「ゴールド」アクセントで超カッコイイ! ド迫力エアロもスゴイ「QX60C」中国に登場
日産「新型ラグジュアリーSUV」世界初公開! 斬新「紫」内装&オラオラ「ゴールド」アクセントで超カッコイイ! ド迫力エアロもスゴイ「QX60C」中国に登場
くるまのニュース

みんなのコメント

17件
  • 韓国人デザイナーだろ
  • メカニズムはトヨタに負けてない。何せよデザインが保守的過ぎてもっと冒険しなさいよ。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

172.0250.7万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

0.1290.0万円

中古車を検索
フィットの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

172.0250.7万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

0.1290.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村