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シティ系SUV対決 ハリアー vs CX-5を徹底比較

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シティ系SUV対決 ハリアー vs CX-5を徹底比較

世界的に大流行を見せるSUVですが、その中心となっているのは、洗練された上質なデザインが特徴の「シティ系SUV」です。今回は、そんなシティ系SUVのパイオニア的存在であるトヨタ・ハリアーと、日本離れした美しいデザインが特徴のマツダ・CX-5を比較してみたいと思います。

●シティ系SUVのパイオニアと、マツダ復活の立役者
1997年に発売された初代ハリアーは、それまで主流だった悪路走破性能に長けたタフなSUVとは正反対の、高級サルーンのようなイメージをまとったSUVとして登場しました。人々に新鮮な驚きを与えたハリアーでしたが、発売直後から大ヒットを飛ばし、2003年に登場した2代目も若者を中心に大きな人気を得ました。

兄弟車として海外展開されていたレクサス・RXが日本に導入されたことで、一時は消滅の危機もあったハリアーですが、それを惜しんだ販売店が署名活動を行い、3代目ハリアーとして存続したというエピソードをもつモデルでもあります。

現行モデルは2020年7月に発売された4代目です。4代目も発売当初から爆発的なヒットを記録するなど、シティ系SUVの代表格としての地位をほしいままにしています。

一方のCX-5は、2012年に初代が登場しています。新世代のマツダを象徴する最初のモデルとして、新たなデザイン言語である「魂動デザイン」や、マツダの考える「人馬一体」を実現するための技術の総称である「スカイアクティブ・テクノロジー」を採用したことで、これまでのマツダ車とはまったく異なるイメージの1台に仕上げられました。

特に、流麗なデザインや、クリーンディーゼルエンジンによるトルクフルな走りは、多くの国産SUVとは一線を画していました。それらが評価された結果、CX-5は、同年の日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞、マツダ復活の立役者となりました。

現在販売されているのは、2017年に発売された2代目です。先代と比べてスタイリングが大きく変わることはありませんが、さらにシャープになったフロントマスクと磨かれた走りが魅力の1台となっています。

●サイズや取り回しはほぼ同等
都市部に似合うシティ系SUVは、言い換えれば狭い道を走行したり、限られたスペースに駐車をしたりする必要があるということでもあります。そこで重要となるのはボディサイズです。

両車のボディサイズを比較してみると、ハリアーが全長4740mm×全幅1855mm×全高1660mm、CX-5が全長4575mm×全幅1845mm×全高1690mmとなっています。全高をのぞいて、ハリアーのほうがひと回り大きいという結果となりましたが、運転のしやすさに大きく関わる全幅では両車ともほぼ同じ水準のため、ドライバーの感覚としてはほとんど変わらないかもしれません。

また、そのクルマがどれだけ小回りが利くかを表す、最小回転半径も、ハリアーもCX-5も5.5mと同一の数値となっています。ただし、ハリアーの最上級グレードである「Z」のみ、最小回転半径が5.7mとなっているため、取り回しがやや難しくなることには注意が必要です。

ただ、大きく言えば、都市部における運転のしやすさは、どちらも同等レベルと言えるでしょう。

●燃費ではハリアーが圧勝、しかしCX-5のクリーンディーゼルは一見の価値あり
日常的に使用することが想定されているシティ系SUVだからこそ、燃費性能も重要な要素です。

ハリアーに搭載されるパワートレインは、2.0Lガソリンエンジンと2.5Lハイブリッドの2種類です。カタログ燃費(WLTCモード)は、2.0Lガソリンエンジンが15.4km/L、2.5Lハイブリッドが、22.3km/Lとなっています。特にハイブリッドの燃費性能はクラストップレベルであり、さすがのトヨタというべきパフォーマンスを発揮します。

一方のCX-5では、2.0Lのガソリンエンジンと2.5Lのガソリンエンジン、そして2.2Lのクリーンディーゼルエンジンという3種類のパワートレインが用意されています。カタログ燃費は、2.0Lのガソリンエンジンが14.6km/L、2.5Lのガソリンエンジンが13.8km/L、そして2.2Lのクリーンディーゼルエンジンが19.5km/Lとなっています。

CX-5の燃費性能は決して悪いわけではありませんが、ハリアーのハイブリッドが突出しているという結果となりました。一方、CX-5に設定されているクリーンディーゼルエンジンは、最高出力200PS、最大トルク450Nmというハリアーをしのぐスペックを持っており、力強い走りが魅力です。また、使用燃料が価格の安い軽油ということもあり、実際に支払う燃料代に関しては、ハリアーと良い勝負になりそうです。

また、CX-5にはクラス唯一となるMT車が設定されています。走りの楽しさを求める人にはCX-5は良い選択肢と言えるかもしれません。

●価格では大きな差も、流麗なデザインでそれを感じさせないCX-5
ハリアーとCX-5は、どちらも特別仕様車を含む多くのグレードで展開されています。

エントリーグレードで比べると、ハリアーの「S」 は299万円、CX-5の「20S Proactive」が290万9500円とそれほど差はありません。一方、売れ筋グレードであるハリアーの「S(ハイブリッド)」が358万円、クリーンディーゼルエンジンを搭載するCX-5の「XD Proactive」が322万8500円と、その差はやや大きくなります。また、最上級グレードでは、ハリアー(Z“レザーパッケージ”ハイブリッド)が482万円、CX-5(XDエクスクルーシブモード)が384万4500円とその差は大きく開きます。※FF車の場合

このように見ると、価格帯についてはハリアーの方が全体的に高く設定されていることがわかります。ハリアーはシティ系SUVのパイオニアであり、高級SUVというジャンルを作り出した1台でもあることから、全体的な質感や機能の充実度などはたしかにCX-5をしのぐものがあります。その一方で、CX-5は流麗なデザインと質の高い走りの性能から、ワンランク上のプレミアム感が特徴です。
 
つまり、この両車を比較する際のポイントは、質感の高さや充実した機能を求めるならハリアー、経済性とパワフルな走りを求めるならCX-5ということになると言えそうです。

文:ピーコックブルー

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