スーパーGTでもお馴染みの2ブランドが競演
年内の正式発表が噂されているGR86。しかし、アフター界ではすでに有名メーカーによる新型のカスタマイズ競争が勃発している。日本の最高峰レースの一つであるスーパーGTでは同じGRスープラを駆る「トムス」と「サード」も同様。それぞれが考える「理想のGR86」をお披露目している。ここでそれぞれのGR86について、深く探ってみよう!
発売前からチューニング戦争勃発! カッコ良すぎる「新型GR86&BRZ」カスタム6傑
TOM’S:TE27から始まるモータースポーツの血統を表現
トムスがGR86で提案する車両コンセプトは「余裕ある大人の86」。トヨタモータースポーツのひとつの系譜はTE27から始まり、それがAE86へと移行。そしてトヨタ86に辿り着いた。トムスは、そういった流れを理解できる人たちにこそGR86に乗ってもらいたいと考えている。
ボディカラーにオレンジを選んだのもTE27のオマージュだ。かつてTE27に憧れていた人たちに響くスタイルを狙っていきたいと思っているのだ。そして今度はトムスのGR86に乗っている大人を、若者たちに憧れてほしい。そんな車両コンセプトのもと開発された。
クルマのディテールを見ていくと、基本的には初代から受け継がれている部分が多い。とくに4本出しチタンテールを備えたリヤセクションは、初代でも人気があったものである。ダックテールの上部には、トランクリッドスポイラーを装着。あえてブラックにしていることでリヤフォルムのスタイルを引き締めることに成功している。
フロントは一見シンプルに見えるものの、じつは非常に凝っている。複雑な造形のフロントディフューザはもちろん、フロントノーズやフロントバンパーガーニッシュなど、一見ノーマル風だが全体に押し出し感の強いマスクになっているのだ。フロントバンパーガーニッシュは、ノーマルに被せるタイプ。純正のデザインをボリュームアップさせるさり気ないアイテムだ。ノーマル然としているが、アピール度は高い。
今回は、ナローボディとオーバーフェンダーボディの2タイプを発表している。スッキリとしたフォルムを狙うのであればナロータイプで良いだろうし、少しワイドなイメージをアピールしたいのであればオーバーフェンダーの装着をオススメしたい。
オーバーフェンダーは、構造変更の必要がない安心サイズなので比較的気軽に装着できる。ワイドなタイヤ&ホイールを装着したい人にとってはありがたい。シンプルに決めるも良し、ワイドな雰囲気を楽しむのも良し。今の段階から2タイプのトムススタイルから、どちらを選ぶか悩んでしまう。
SARD:初代86チーフデザイナーが手掛ける造形美
サードのエアロパーツのデザインは、初代86のチーフデザイナーであった古川高保氏が手掛けている実はサードの初代86用エアロやGRスープラも同じ。そしてすべての共通コンセプトには「センシャル(S)・アバンギャルド(A)・レーシー(R)・デザイン(D)」を採用している。
サードのアイデンティティとなるマスクは、横軸を基調としつつ、バーチカルツインインテークを配置することで、低重心かつワイドに構えたスタンスとなっている。レースの世界で培った知見を商品に取り入れ、高性能で高品質、独自性のあるカスタマイズを創出すべく開発されたのがGRなのだ。
写真を見てもらうと、初代と共通性のあるデザインを採用していることが見てとれるだろう。フロントマスクのバーチカルツインインテークは、まさにサードらしい表情になっている。中央部の台形グリルもサードらしさを強調。サイドフォルムには、フェンダーガーニッシュを装着。9mmの厚さで車検対応のモデルである。これがフロントフェンダーダクトの下部からリヤに向かってつながり、フロントで生まれたワイドなイメージをクルマ全体に与えている。
特徴的なのはリヤコンビネーションランプの存在だ。丸形テールランプを採用することで、リヤの印象は大きく変わる。ダックテール上部に装着されたLSRウイングは、左右にラウンド感を持たせた大人のフォルム。大げさなリヤウイングに拒否感を持つ人にとっては、魅力的なパーツと言えるだろう。
Ti‐Zマフラーは、初代と共通のデザイン。ブルーのロゴとインナー部が、特別なエキゾーストシステムを装着している感覚を生む。全体的に大人の印象に仕上がっているサードGRだ。
ただし、大人になってもレーシーさやスポーティ感は忘れたくない。そんな人にオススメのパッケージと言えるのではないだろうか。
GR86がカスタマイズ界の主役になるのは間違いない
今回はトムスとサードの2ブランドについて新型86を深掘りしたが、6月6日に富士スピードウェイで開催された「FUJI 86 Style with BRZ」では、スーパーチャージャーを搭載したHKS、ターボを装着したトラストなど、カスタマイズ業界がGR86に注目しているのは間違いない。初代86から乗り換えようと思っている方も、GR86で初めてチューニングを楽しみたい方も、愛車を手に入れたときから自分好みに仕上げられるはずだ。今から各社の提案にアンテナを張っておくのが得策と言えるだろう。
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