雪道仕様からサーキット仕様まで個性派が集結
ニッポンの働くクルマの代名詞とも言える(軽トラックを含む)軽自動車。日本独自の車両規格だが、SNSを覗いてみると海外でも活躍している姿を見ることができるから面白い。
80年代スタイルを追求! 昭和の薫りが漂うダイハツ「ハイゼット」はヤンチャな車高短がキマってました
とくに印象的だったのが、北米の農家やゴルフ場などで使用されていること。ちなみに筆者は、人気アクション映画の『ダイ・ハード4.0』に映り込んでいたときは興奮してしまった。北米に軽トラ!? と思われそうだが、車両自体は製造から25年経過している車両に関しては、軽自動車であっても北米に持ち込める(いわゆる25年ルール)ことは広く知られている。燃費もよく小回りのいい軽自動車は、北米の方達にも好評だ。体の小さな日本人が大きなアメ車に憧れるように、体の大きなアメリカ人で小さなクルマに憧れを持つ人も一定数いるのだ。
話が逸れたが、そんなカスタムベースとしても人気の軽トラックにフィーチャーしたミーティングが北陸・富山で行われた。個性的で気になった、さまざまな車両を紹介していこう。
変わったクルマでサーキット走行がしたい! 選んだベースはMRトラック
ローダウンした足まわりにバンパーやボンネット、ホイールなどはマットブラックと、スポーティな印象を与えるTさんのホンダ「アクティトラック」。
「人と違ったモノに乗りたくて。基本的にサーキットを走る予定で作ったクルマなんです(笑)」
と語ってくれたTさん。ただこのアクティトラックは、サーキットを走るにはテクニックが必要とされるミッドシップレイアウト。とはいえ、そもそもフロントのスペースがなく、軽量な軽トラ自体がサーキット向きとはいえない。だが、Tさんは存分に走りを楽しんでいる。
「このアクティは4WDなのでグリップ走行をしています。近所に安価で走れるサーキットがあるので、憂さ晴らしと気分転換にはもってこいなんです(笑)」
普段は大人しく運転して、その分サーキットでは爆走。とても羨ましく、ある意味「健全」な遊び方といえる。
ホイールは、以前から自宅に置いてあったというウェッズのディッシュデザインホイール「ファーマス」。自身でマットにペイントし、あえて高級感を払拭した。タイヤは近年、サーキット走行するオーナーに支持されているゼスティノを使用。車高調(フロント)はシュピーゲル、リアはバモス用の板バネを流用している。
マフラーはバイク用(車種は不明)のサイレンサーを流用。横組みにして露出を最小限に抑える。また、バンパーに塗った、一見してラプターライナーやLINE-Xのようなマットブラックは、DIY施工したチッピング塗装。アンダーコートを先に塗り、その上からマットブラックを吹いたとのこと。モノトーンなスタイルが好きというTさん。全体的に引き締まったアクティでサーキットライフを楽しんでいる。
普段乗りとイベント用で2台の軽トラカスタムを楽しむ
ミーティングに200系と500系の2台のダイハツ「ハイゼットトラックジャンボ」で駆けつけたYさん。200系は普段乗りのストリートスタイルで、500系はワンオフエアサスに翔プロデュースのボディキットをまとったイベント仕様だ。
艶やかなオレンジボディのジャンボのオーバーフェンダーに収まるホイールは、ワーク×翔プロデュースのコラボによるオリジナルカラーのリザルタードメッシュ2を装着する。さらに、フロントリップやサイドミラー、オバフェン、リアウイングなどはセルシオ用ブロンズカラーで引き締めている。
一方、おとなしめの200系はGTカープロデュースの車高調を入れて程よくローダウンし、ホイールはウェッズスポーツSA90を装着。テールランプはワンオフLEDにさりげなく変更している。スタイルは違えど、同じ軽トラックを2台所有するほどハマっているのだ。
DIYで他車用エアロを加工装着し唯一無二のオリジナル感を追求
Iさんの「キャリイトラック」は、想像力豊かなDIY技が詰まっている。フロントバンパーに入れた「エブリイ」用のエアロはなんとなく加工をすれば装着できるか、と想像できるが、サイドはシボレー「アストロ」用を、リアにはトヨタ「プリウス」用+ダイハツ「ムーヴカスタム」用を加工装着。どこから発想を得たのか気になるほどの組み合わせである。
アオリは自作のウッドで高さを延長。ベッドもウッドでワンオフだ。補強も入れているので、荷物を安心して積み込むことができる。
メーターはJB23型スズキ「ジムニー」の社外ELメーターを移植。気分良くドライブができるそうだ。インテリアも自身で仕上げており、長くいる空間だけに納得した雰囲気に仕上げたそうだ。
普段はサゲ仕様だが冬に備えて2インチUPのアゲ仕様でエントリー
おもに通勤に使っているというYさんの16Tキャリイトラック。「アゲもサゲも好き」と語るオーナーは、夏はローダウン、冬期は地元では雪が90cmくらい積もるというのでアゲて過ごしているという。
「ベースは4WDで2インチUPしていますが、それでも除雪してない道は走ることができませんでした(汗)」
除雪された道でしか乗れないという豪雪地帯あるあるも教えてくれた。
アオリの端やバッテリカバーなどにあてがう縞板やツールボックスなどは、RT商会のアイテム。ボックスには牽引ロープなどを積んでいる。リアウイングは翔プロデュース、サイド出しのマフラーはウイルズウィン製、ホイールはダイハツ純正ベースの加工鉄ちんを装着する。「ごちゃごちゃはさせたくない」と、全体的に清潔感のあるスッキリ仕様の1台だ。
アゲ系軽バンで来場者の視線を集めた1台
Aさんの17V型スズキ「エブリイバン」もDIYを多用して注目された1台だ。ラジエターの保護カバーやサイドミラー、ドアノブなどは下地にシルバーを、上にキャンディレッドを吹いた後にラップをあてがったラップペイント。しっかりとクリアも吹き付けたが、「安モノのクリアだとダメですね、すぐに落ちて全体的に劣化を早めています(泣)」とAさん。
足まわりは中古で買ったという4インチUPキットを装着。オーバーフェンダーはブランド不明だ。30mm出幅のある汎用品を試着し、フロントのドア部分は開閉時に干渉しないよう2ピース加工した。さらに前後の飛び出した部分をカットし調整している。ホイールには、「トヨタのラクティスかヴィッツ用の純正鉄ちんホイールを購入しました。錆びかけていたので剥離剤で落としてから、自分でバフがけしてウレタンクリアを吹いています」
遠征することも多いというAさんは、リアのスペースにソファベッドを配備。「家にある普通のソファベッドです(笑)。並べ替えるとフラットで寝られるので楽なんです」
* * *
個性的な軽トラックたちを紹介してきたが、まさに遊び方は無限大なんだと感じさせてくれた1日だった。
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車検通らない車ばかりだと思う。規格内で楽しむのがセオリーだが、メディアがコレでは、日本もマスコミも終わっている…