貴重な3台を展示 シリーズ1/シリーズ2A/初代ディフェンダー
執筆:Yasuhiro Ohto(大音安弘)
【画像】「ディフェンダー・エクスペリエンス・東京2023」と会場の様子を見る 全29枚
ジャガー・ランドローバー・ジャパンは、ランドローバーの人気クロカン「ディフェンダー」の世界観を愉しめるファン向け体験型イベント「ディフェンダー・エクスペリエンス・東京2023」を10月28日~29日の二日間、東京・豊洲の「サイタブリア・ベイパーク・グリル・アンド・バー」で開催した。
会場は、全天候型ランニング施設「新豊洲ブリリア・ランニングスタジアム」が隣接。さらに豊洲市場の近くという都心にありながら、屋外レストランのある敷地内には、広い芝生エリアを備え、その目の前を隅田川が流れる開放感に溢れたロケーションだ。
会場の入口では、来場者を歓迎するように、ランドローバーのヘリテージカーがお出迎え。その顔触れは、錚々たるもので、発表年である貴重な「シリーズ1」を始め、長年製造された「シリーズ2A」と、初代「ディフェンダー」の3台が飾られた。
簡単に展示車を紹介すると、最も古い緑の「シリーズ1」は、発表年である1948年製というごく初期モデルで、現在も動態保存されているという。シンブルで武骨なスタイルは、まさに厳しい環境に挑むクロカンを体現したものといえる。
続いて、ブルーの「シリーズ2A」基本的なスタイルを受け継ぎつつ、改良型となる「シリーズ2」は、1958年に登場したが、3年間だけ製造され、展示車の「シリーズ2A」となり、1961年~1971年に生産された。「88インチ」と「109インチ」の2種類のホイールベースがあり、同車は前者だ。展示車は、1964年式で、コンディションの良かった元軍用車をレストアしたもの。特徴的なアイテムが、熱帯地向けの「サファリルーフ」だ。これはルーフを二重構造とすることで、風の通り抜けを良くしたものだ。
最後が「ディフェンダー」と名乗るようになった近代のモデル。新たなランドローバーとして、SUV「ディスカバリー」が登場したことで区別の為に、単にホイールベースの違いで「90/110」と呼んでいたものに「ディフェンダー」の名が与えられた。展示車は、ショートホイールベースの「90」で、高出力ディーゼルエンジン「300Tdi」を搭載したもの。この個体のみのスペシャルな点は、本来は存在しないオートマティック仕様となっていることだ。
どれもランドローバーの系譜を物語る貴重なモデルだが、それぞれの仕様も特別感があって興味深い。往年レンジローバーは、初代ディフェンダーと比べ、かなりコンパクトだったことが分かる。しかし、その迫力は、より巨大な現行ディフェンダーにも勝るものがある。まさに本物が放つ輝きというものだろう。
日本向け特別仕様の現行ディフェンダー展示も
現行型となる2代目ディフェンダーも様々なバリエーションのものが、会場の各所に展示された。
その中の目玉となるのが、同会場で初披露された限定車「ディフェンダー110カルパチアン・エディション・キュレーテッド・フォー・ジャパン」だ。待望の5.0L V8スーパーチャージドエンジンを搭載した「110カルパチアン・エディション」をベースに、人気のオプションやアクセサリーを標準化した日本向け特別仕様となっている。
ボディカラーは、重厚感のある「カルパチアン・グレイ」のボディカラーに、3つの異なる内装仕様を組み合わせたもの。価格は1749万6100円~1770万5100円となり、限定数は100台。因みにV8モデル自体も、2024年モデルが初導入となり、同年限定となる見込み。パワフルかつスポーティなディフェンダーを望むならば、今が絶好の機会といえそうだ。
ランドローバー系の体験型イベントでお約束といえるオフロード走行体験は、都心でもしっかりと用意された。今回は、参加者自らステアリングを握る「ミニテラポッド・バンク・トレイントラックス」と高さ5m最大傾斜43度の可動式専用スロープを使った同乗走行体験「ツインテラポッド」の2種類を用意。いずれも厳しいオフロード走行を想定した内容となっているだけに、非日常スリリング。もちろん、そのような状況下でも、ディフェンダーの安心感ある走りを披露し、参加者たちを驚かせた。
会場内では、様々なワークショップが開催されていたが、カッティングボードやシルクスクリーン印刷などによるオリジナルディフェンダーグッズ製作の人気が高く、参加者たちは、恋人や家族などと共に創作活動を楽しんだ。
ディフェンダーオーナー及びファン対象の体験型イベント
メインステージでは、2日間で異なるコンテンツが用意されており、スペシャルゲストによるトークショーとライブが行われた。
日中のトークショーでは、土曜日にプロボクサーの那須川天心選手が、日曜日には、ラグビー日本代表でワールドカップフランス大会を戦った稲垣啓太選手と松島幸太朗選手がスペシャルゲストとして登壇。プロスポーツの世界だけでなく、クルマを含めたライフスタイルなど様々な話題が繰り広げられ、来場者たちを楽しませた。
夕刻に行われたライブでは、土曜が関口シンゴさんによるアコースティックライブ、日曜日がSO-SOさんのヒューマンビートボクサーによるライブなどが行われ、美しい都会の夜景をバックに、生演奏を楽しんだ。
ディフェンダーを主役とした体験型イベントは、今後も企画されている。直近では、山梨県富士河口湖エリアで11月週末限定の「ディフェンダー・オフロード・エクスペリエンス・イン富士ヶ嶺」と11月25日~27日の期間で実施される宿泊イベント「ディフェンダー・ジャーニー・イン尾道」が行われる予定。
いずれも事前申し込みが必要となるため、詳細は公式サイトにてご確認を。なお宿泊イベントは、先着4組限定となる。両イベント共に、ディフェンダーオーナー及びファンを対象としており、誰でも参加が可能だ。ディフェンダーを相棒に考えている人は、その世界観に親しんでみるのも良いかもしれない。きっと自分に最適なディフェンダーと楽しみ方を知る良いきっかけとなるはずだ。
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