フランスのアルピーヌ「A110」に追加された「R」は、驚くほどレーシーだった! 神奈川県・箱根で試乗した小川フミオがリポートする。
“公道走行可能なレースカー”
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痛快なドライブを熱望している自動車ファンに、ぴったりともいえる軽快なスポーツカーが入ってきた。フランスのアルピーヌが手がけるA110 Rだ。
A110シリーズは、自動車ファンなら先刻ご承知かもしれないが、ジャン・レデレというフランス人が、1963年にルノー車をベースに作りあげたFRPボディのラリークロスマシンである。
ラリーで強かったし、サーキットでも活躍ぶりは瞠目すべきものがあった。当時ルノーは、アルピーヌに少し冷たかったとも言われているけれど、世界的に伝説のスポーツカーとなったA110の名を、2017年に復活させたのはルノーだった。
ルノーはアルピーヌを独立したブランドとして扱っていて、いまのA110シリーズも、“フランスのトヨタ”ともいえるルノーとはかけ離れた製品づくりを旨とする。トヨタとGRより、さらに独立性が強いともいえるだろう。
現在、かなり力の入ったスポーツカーを送り出してくれている。スポーツカー好きだったら、ポルシェもいいし、GRもいい。しかし、もし余裕があったら、いちど試してもらいたいのがアルピーヌ(フランスだと「アルピン」と発音)だ。
今回のA110 Rに話を戻すと、こりゃまた、すごいクルマが日本に紹介されたと感心させられる。これまでのA110は、「A110」「A110 GT」「A110S 」が展開されているが、今回のA110 Rはまったくちがうベクトル上に開発されたといえるモデル。
A110 Rをひとことで表現するなら“公道走行可能なレースカー”。ほかのA110シリーズはスポーツカーであるのもあって、実際に乗ってみると、かなり違う。
走り出しは、A110シリーズのなかでもっともスポーティな設定のA110 Sをさらにスポーティにした印象を受けた。車高をさらに下げ、より強力なブレーキをそなえ、路面に張り付くように走るところがA110 Rの特徴だ。
すべてはサーキット走行を主眼にキャビン背後にミドシップされた1798ccの直列4気筒ガソリンターボ・エンジンによる221kWの最高出力と340Nmの最大トルクは、「GT」と「S」とも共通。しかし軽量化と空力によるダウンフォースの配分などで、A110 Rならではのキャラクターを確立する
「Rはラディカル(過激さ)を意味しています」
輸入販売元のアルピーヌ・ジャポンの広報担当者が言うとおり、すべてはサーキット走行を主眼に開発されている。
そのため、ボディは多くの部品を高価だけれど軽量で高剛性の炭素繊維で強化した合成樹脂(CFRP)に置き換え、前後の空力を徹底的に見直している。
CFRPの素材が見えるようにコーティング加工されたボンネットはA110 R専用装備。エアの吸い出し孔が大きく開けられていて、一見してフツウじゃないことがわかる。
興味あるひとは知っておいたほうがいいと思うのは、ボディの空力性能だ。フロントの形状やリアスポイラーの取り付け位置などを見直すことで、従来モデルと大きく操縦特性を変えている。
たとえば、フロントにかかるダウンフォースは33kg減らすよう設計され、いっぽうリヤは29kg増加するよう調整。空気抵抗は削減されている。
車高調節式のサスペンションキットが組み込まれ、ボディ周囲は空力とブレーキなどの冷却のためのエアロパーツで武装されている。専用のCFRP製18インチ径ロードホイールも、走行性能のための空力設計だそう。
モータースポーツから得られたノウハウを最大限に採り入れている、と、謳う。
「トップスピード(285km/hだそう)でのハンドリングを最高のものにすべく」と、目的が説明されているのだから、すごい。
価格は1550万円室内に乗り込むと、驚くか、あるいは喜ぶか、ひとによって違うと思うけれど、特筆すべきは、リヤビューミラーも、リヤウインドウも軽量化のために省略されているのだ。
後方の確認はドアマウントミラーだけでおこなう。まぁ、ランボルギーニとか、ついていても役立っていない過激なモデルもあるし、慣れの問題だろう。
走り出しは、タイヤが充分に温まっているかを確認してから。1090kgと驚くほど軽い車重のA110 Rのレーシングシートに身を落ち着け、レースカーと同様のフルハーネスベルトを締め、ギヤセレクターボタンでDを押すと、なんと軽快に走り出すことか!
最初はエンジン回転を慎重に上げていく。専用チューニングの排気音は、4000rpmの手前から快音を響かせる。
まっすぐな道で、パドルシフトを操作してギヤを落として、アクセルペダルを強く踏み込むと、軽快にまわるエンジンはレッドゾーンまでいっきに回る。
操縦性は、水の上を滑るように、というか、まさに路面に張り付くように、車体はロールせず、思うように曲がってくれる。どのA110よりハンドリングは俊敏な印象だ。
サーキット走行で本当の姿を見せるという説もあり、箱根のワインディングを走っているだけでは、空力設計の本来の意味とか、そういうことはわかりにくいかもしれない。
ただ、A110が大好き! というスポーツカーファンにとって、サーキットのためにアルピーヌが本気だして開発したモデルとして、いちどは乗ってみる価値があると思う。
1550万円で発売されたA110 Rは、期間限定で受注販売されている。2023年は、4月13日に受注開始され、第1回目は18台、第2回目は14台が販売され、即完売。うーむ。2023年はこれで終了。
「このクルマを構成するパーツが集められる目途がついたら、製造して、少数かもしれないけれど、販売するので、また楽しみにしていてください」(アルピーヌジャポンの広報担当者)とのことだ。
文・小川フミオ 写真・安井宏充(Weekend.) 編集・稲垣邦康(GQ)
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