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レクサス初EV「UX300e」通常販売スタート! ガソリン/ハイブリッドとは異なる魅力はどんな部分?

掲載 更新 13
レクサス初EV「UX300e」通常販売スタート! ガソリン/ハイブリッドとは異なる魅力はどんな部分?

■レクサス初EV「UX300e」通常販売を開始!

 2020年10月22日にレクサス初のEV市販モデルとして発売された「UX300e」。当初は135台の限定販売でしたが、2021年2月より通常販売を開始しました。
 
 従来のUXには、ガソリン車/ハイブリッド車が設定されていますが、EV仕様ではどのような違いがあるのでしょうか。

【画像】レクサス初の市販EVってどんなクルマ? ラグジュアリーEVを見る!(33枚)

 遡る事16年前となる2005年、レクサスの初代「RX」に「RX400h」と呼ばれるモデルが追加設定されました。

 モデルに冠される「h」はハイブリッドを意味しますが、これまでのモデルと違うのは「ハイブリッド=省燃費/エコ」だけでなくパフォーマンスにも活用できることをアピールしたモデルであることです。

 3.3リッターV型6気筒+フロントモーター+リアモーターを統合制御する電動AWDはシステム出力272馬力を発揮。その実力を試すべく、その年のニュルブルクリンク24時間に参戦もおこなっています。

 このRX400hを皮切りに、レクサスはハイブリッドモデルを積極的に展開。現在、クロカン四駆の「LX」や「GX(海外専用車)」以外のすべてのモデルにハイブリッドを設定しています。

 今後の目標は2025年までに全車種に電動車を設定し、電動車の販売比率がガソリン車を上回ることです。もちろんその先のPHV/EVの期待も高まっています。

 そのレクサスの電動化ビジョン「Lexus Electrified」第1弾となるクロスオーバーが、今回紹介するレクサス初のピュアEV「UX300e」です。

 実は日本では2020年にヒッソリと発売がスタート(2020年は限定135台)していましたが、2021年2月から通常販売となります。つまり、ここからが“本当”のスタートというわけです。

 エクステリアは右側に追加された給電ポート(運転席側は普通充電、助手席側は急速充電)と、専用デザインのアルミホイール、そしてリアドア下の「ELECTRIC」とリアの「UX300e」のエンブレムのみと、ガソリン車やハイブリッド車との見た目の違いは間違い探しレベルです。

 ただ、これは「EV=特別なモデル」というわけではなく、「パワートレインの選択肢がひとつ増えたに過ぎない」というコーポレートトヨタの考え方だと解釈しています。

 インテリアも同様で、走行可能距離や回生ブレーキ力インジケーターが見やすく表示される専用メーターや電子シフト化(LC用を流用?)でスッキリさせたセンターコンソール周りが異なる程度です。

 実際に座ると床下へのバッテリー搭載の影響からガソリン車/ハイブリッド車に対してフロアが若干高めですが、フロントシートはシートレールの工夫などから足元スペースへの影響はほぼなしですが、リアシートはヒールポイントが高めでフロントシート下に足を入れるスペースがないなど、若干違いも存在。

 ただ、居住性やラゲッジ性能(ローデッキ仕様)はガソリン車/ハイブリッド車とほぼ同等と考えていいと思います。

 パワートレインはハイブリッド車で培った技術を活用した「FF eAXLE」で、フロントに150kW(203馬力)/300Nmを発揮するモーター、ホイールベースの床下全面にリチウムイオンバッテリーを搭載。

 バッテリー容量は日産「リーフ」や「リーフe+」のほぼ中間の54.4kWhで、航続距離は367km(WLTCモード)です。

 充電は急速/普通が可能となっていますが、充電ステーションの検索には「1・レクサスオーナーズデスク」、「2・エージェント機能」、「3・レクサスアプリの『充電ステーションリスト』」、「4・レクサスSmartG-Linkの『充電ステーション検索』」と複数の方法が用意されています。

 実際に走らせるとEVの「高応答」、「高精度」、「力強さ」は走り始めから即座に体感できます。

 0km/L→100km/h加速は7秒台とこのクラスでは俊足な部類ですが、ドーピング的ではなくアクセル操作に合わせて力強さが増していく自然な特性はすでにホンダ「ホンダe」やマツダ「MX-30 EV MODEL」と似ています。

 ただ、UX300eはそれに加えて、加速から減速に至るまでの「滑らかさ」の純度が高い所が特徴です。

 この辺りは緻密なモーター制御だけでなく、車両ピッチ挙動を制御するAPS(アクセレーションピッチコントロール)や減速時協調制御による加速から減速の繋がりの良さなど、トータルでの動的質感の高さが効いているのでしょう。

 また、レクサスの特徴のひとつでもある静粛性の高さはより際立っています。音/振動の一番の発生源(=エンジン)が無くなったことに加えて、床下バッテリーに遮音壁の機能を持たせたことやアコースティックガラスの採用。

 ほかのEVでは耳にするインバーター音もほとんど聞こません。ちなみに加速に応じたEVサウンドを補う「ASC(アクティブサウンドコントロール)も用意。

 加速度を耳で直感的に感じる意味では効果的ですが、肝心な音色は「耳障りでない掃除機」なので、もう少しワクワクさせて欲しいです。

 気になる航続距離については、今回180km(都心の道路2割、高速道路5割、地方の幹線道路3割)走行して残りの航続距離は110kmでした。高速道路が多めでWLTPモードの8割と考えれば電費性能も中々でしょう。

 ブレーキはパドルシフトで回生力を4段階に調整可能ですが、どちらかといえばガソリン車に近い自然なフィーリングで1ペダルドライブよりも2ペダルドライブのほうがリズムは取りやすいと感じました。

 ただ、仕様なのか個体差なのは解りませんが、停止寸前のような微速域でのブレーキコントロールはかなり慎重に操作してもカックン気味だったのは数少ない気になるところです。

■ガソリン車/ハイブリッド車とはどう違う?

 プラットフォームはガソリン車/ハイブリッド車と同じTNGA「GA-C」をベースにEV用に最適化。

 具体的にはバッテリーパック搭載のために鋼鉄製アンダーフレームをプラス。バッテリーとフロアを面で固定することで、結果としてキャビン全体の剛性も引き上げられています。

 さらにフロント周りはモーター搭載用クロスメンバーの採用やステアリングギアボックスのブレース追加とリジット化、リア周りはリアクロスメンバー/バンパー強化と専用パフォーマンスダンパー採用などで、車両全体の剛性バランスも整えられています。

 この体幹を鍛えた車体に摩擦特性を最適化したショックアブソーバー採用の専用サスペンションと、タイヤはガソリン車/ハイブリッド車とは異なる225/50R18サイズのミシュランプライマシー3(非ランフラット)を採用(バージョンLに標準、バージョンCはオプション)。

 フットワークはガソリン車(UX200)がヒラリした軽快さや身のこなし、ハイブリッド車(UX250h)が穏やかだが重厚でシットリしたクルマの動きが特徴ですが、UX300eはこの2台のいい所取りなのに加えて、ハンドリングの一連の動きが「より精緻」、「より滑らかな」になっています。

 具体的には軽い操作力ながらも直結感の高いステアフィール、アタリの柔らかさとストローク感が増したようなしなやかな足さばきと、ドシッと構える安定感を持ちながらも、鼻先の軽さを感じるノーズの入りの良さなどを感じました。

 レクサスの走りは「すっきりと奥深い」がテーマになっていますが、UXのなかで最も実現されているのだけでなく、スムーズに動く足の動きに関しては、フラッグシップである「LS」を超えるレベルかもしれません。

 この辺りは前後重量配分の適正化や低重心化、さらに慣性諸元の高さ(重量物が車両中心に集まる)などからロール感が減ったうえに4つのタイヤの効果的な活用、さらには振動の原因となるエンジンが無いことなどが統合的に効いていると思われます。

 ただ、一度だけ気になるシーンがあり、高速道路での定常走行時にある路面の凹凸とショックの吸収の周期が真逆になり、スーッと滑らかだった走りが一転してヒョコヒョコした動きが収まらない状況ありました。

 ほかの路面で再現しようとしても出てこなかった現象なのでちょっと気になっています。

 価格はバージョンCが580万円、バージョンLが635万円と、ハイブリッド車の同グレードと比べると約100万高というイメージです。

 ただ、個人的には航続距離(=バッテリー容量)とのバランスを考えると、意外とコスパは高いように感じました。

 UX300eは、ボディサイズ、動力性能、乗り味、そして航続距離とトータルで見たときに、内燃機関モデルから違和感なく乗り換えができそうなEVだと思います。

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みんなのコメント

13件
  • 個人的にでも意外でもなく、コスパはかなり悪いです。トヨタはHVやPHEV作ってるからいつでもEV作れると言っている人、ごく一部にいますが、レクサスブランドでこれなので、EV作るのと競争力のあるEV作るのは次元が違うということが、よくわかると思います。
  • C-HRのEVに乗り出し600〜700万。
    こんなの買うやついんの?
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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