国内初コレクタブルカーの共同所有サービスが発足
昨今では「カーシェアリング」という考え方がすっかり定着し、街中では「あの」黄色い正方形ステッカーを張ったコンパクトカーなどを見かける機会も多くなった。
フェラーリ「テスタロッサ」が2億6500万円! 世界に1台のはずが、なぜ複数台存在する?
そのかたわら、今や日本を含む全世界で、クラシックカーないしはコレクタブルカー(コレクターズカー)のマーケット価格が継続的な高騰状態にあることは、もはや周知の事実である。このふたつの事実は、同じ自動車の世界にまつわるものではありながらも、これまでの常識では決して交わることはないだろうと考えられていた。
ところがこのほど、近年ではなかなか手の届かなくなってしまった感のある名車たちを、複数の顧客で共同所有するためのバックアップを行うという、じつに意欲的なアイデアが事業化されることになった。
発信源は、若き自動車愛好家たちが結集したスタートアップ企業「RENDEZ-VOUS(ランデヴー)」である。
コレクタブルカーの共同所有サービスとは?
RENDEZ-VOUS代表の浅岡亮太CEOいわく、同社はクルマを愛し、クルマを信じ、クルマと向き合い、クルマの魅力を追求し続け、世界中の人々に伝えていくチームでありたいと思っているとのこと。そして同じくクルマを愛するエンスージアストたちのために、1/8の金額でコレクタブルカーを共同所有できるサービスを考案したという。
彼らの共同所有サービスでは、4つの特徴を打ち出している。
まずひとつ目は「憧れを1/8の金額で叶える」と銘打った「所有プラン」。1台の車両を最大8人で共同所有するものである。登録名義は「RENDEZ-VOUS」とされ、同社のガレージにて管理されることになっている。
したがって、この種のクルマを持つには大きな課題となる保管場所の問題は、当初からクリアされているとも言えるうえに、一定のスキルが要求される維持管理をオーナー自らが行う必要はない。また、車両の走行は最小12日単位(年間)での利用が可能で、ライフスタイルに合わせて乗りたい場所で、乗りたいときだけ走行できるという。くわえて車両を売却する際には、保有している権利分の売却額が分配されるとのことである。
ふたつ目は、まずは一度乗ってみたい方への「体験プラン」。こちらは毎年少なくとも1回開催される走行イベントに限り運転可能となる。所有まではまだ踏み切れない、より多くのクルマを楽しんでから所有に踏み切りたい、という方のために用意したとのことである。
3つ目は、コミュニティ形成と名車再生による文化の継承。共同オーナーを軸としたコミュニティを育み、ともにこれからのクルマの楽しみ方を提案してゆくという。その最初の提案として、仕上がっているクルマだけではなく、朽ちかけているクラシックカーを後世に残していくため「名車再生プロジェクト」にもチャレンジしてゆくとのことである。
そして4つ目は壮大な計画。「世界中にマイカーのある暮らしを」と銘打ち、これから日本だけでなく、世界中に販売したクルマのためのガレージを作ってゆくとのこと。つまり、RENDEZ-VOUSでコレクタブルカーの共同オーナーとなった顧客は、ガレージのあるほかの国を旅しながら、乗りたいクルマに乗ることができるというものである。
第一弾として、2台のクラシック・フェラーリを販売
RENDEZ-VOUSが共同所有サービス・プロジェクトの第1弾として選んだのは、2台のクラシック・フェラーリである。
1台目は1989年型「テスタロッサ」。「ロッソ・コルサ(赤)」のボディカラーに「ネロ(黒)」のレザーインテリアという、この時代のフェラーリではもっともポピュラーな組み合わせで、新車時はスイスに向けてデリバリーされた個体という。走行距離はまだ1万5000km台に留まり、内外装だけでなく機関系に至るまでコンディションは良好である。
そしてもう1台は、1974年型「365GT4/BB」。58台のみ製造されたという右ハンドル仕様の365BBのひとつで、その年の7月にイギリスの超名門ディーラー「マラネッロ・コンセッショネアーズ(Maranello Concessionaires)」を介してデリバリーされた。
ボディカラーはデリバリー時と同じ「ブル・ディーノ(Blu Dino Metallico:ディーノ・ブルー)」でリペイント。レザーインテリアは当時のオリジナルを残し、スペアタイヤ、タイヤカバー、ツールケース、納税証ディスクなどの付属品も完備。さらに新車デリバリー時の最初のライセンスプレートも当時のまま残しているという。
8人で共同所有するというスタイル
RENDEZ-VOUSではこの2台のうち、テスタロッサを2022年11月22日から12月7日まで、代官山T-SITE1階の「クルマ・バイクコーナー」において展示。これはテスタロッサの販売プロモーションにくわえて、新たなプロジェクトの存在を知らしめることを目的としているとのことである。
筆者は、12月1日の正午近くにフラリと訪れてみたのだが、テスタロッサという存在感バツグンのクルマを屋内の書店スペースに置くというインパクトは絶大だったようで、「クルマ・バイクコーナー」を訪れたクルマ好きたちの視線は、真っ赤なテスタロッサにくぎ付け。さらに、8分の1の顧客ひとりあたりの車両代金である「342.5万円」が掲げられたプライスボードを目ざとく見つけ、展示会場に詰めている浅岡CEOや大原壯太CTOたちRENDEZ-VOUSスタッフに、熱心に質問する様子が印象的であった。
聞けば、展示スタートからわずか10日ほどしか経過していないにもかかわらず、テスタロッサにはすでに8名の枠のうち5名が成約に至り、365BBも2名の顧客が決まっているとのことである。
もちろん、まったく新しいスタイルのビジネスゆえに、例えば車両保管やメンテナンスなどについて不安を覚える購入希望者もあるだろうが、こちらも浅岡代表に聞いてみたところ、提携ガレージは国内でも有数の実績を持ち、規模・内容とも申し分のないスペシャリスト。くわえて、この企画の趣旨に賛同した著名投資家たちから第三者割当増資および融資を受けたことにより、やはり顧客にとっては不安要素となりがちな資金面についても充分なバックアップ体制が整えられているという。
これまで、ありそうでなかった新サービスが国内のクラシックカー文化にいかなる影響を及ぼしてゆくのか、興味と期待が尽きないのである。
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みんなのコメント
車に限らず区分所有で上手く行った事って少ないのに。
それにイベントなどで乗りたい日がかぶることもあるから記事のように乗りたい時に乗れるわけじゃないだろう。