フェルディナンド・ハプスブルク、来年は日本での活動も”真剣”に検討「チャンスがあったら喜んで！」

　今季までDTM（ドイツツーリングカー選手権）に参戦していたフェルディナンド・ハプスブルクは来年以降、日本でレース活動を行なう可能性を真剣に検討していると語った。

　ハプスブルクは2019年にDTMにデビュー。当初はアストンマーチンのマシンを駆ったが、アストンマーチンのDTM撤退に伴い、今季はアウディのカスタマーチームであるWRTに移籍した。シーズン後半はコンスタントにトップ10に入り、ゾルダーでは3位表彰台を獲得。ドライバーズランキング10位でシーズンを終えた。

　DTMは2021年から、スーパーGTとの共通技術規則”Class1”規定を廃し、GT3カーをベースにしたレギュレーションに移行する。これを受けてハプスブルクは、来年の選択肢として様々な方向に目を向けているようだ。そして選択肢のひとつとして、日本のスーパーフォーミュラやスーパーGT参戦の可能性を真剣に検討しているようだ。

　2020年のDTMのグリッドには、日本に縁のあるドライバーも複数いる。ロイック・デュバルはスーパーフォーミュラとスーパーGTでそれぞれタイトルを獲得するなど、日本で長く活躍した。また、ハリソン・ニューウェイやルーカス・アウアーも昨年はスーパーフォーミュラに参戦したドライバーだ。

　ハプスブルクは、新型コロナウイルスのパンデミックにより渡航制限が影響する可能性があるため、2021年は国家間の移動の多い世界選手権ではなく、一国で完結する選手権に参戦したいと考えているという。ヨーロッパF3時代のライバルであり、友人でもあるサッシャ・フェネストラズが日本で成功していることも、影響しているかもしれない。

　フェネストラズは昨年、日本のF3とスーパーGTのGT300クラスで活躍し、F3ではタイトルを獲得した。2020年はトヨタと契約し、日本の2大カテゴリーであるスーパーフォーミュラとスーパーGTのGT500クラスへと昇格を果たした。

「忘れてはならないのは、来年のシーズンにもコロナの影響があるかもしれないということだ」

　そうハプスブルクはmotorsport.comに語った。

「あまり移動をしないチャンピオンシップの方が何かと都合が良いんだ」

「だからヨーロッパや日本、アメリカをベースにしたチャンピオンシップが良いだろうね。スーパーGTはとても素晴らしいチャンピオンシップだから、かなり興味がある」

「僕の親しい友人のひとりであるサッシャ・フェネストラズと話したけど、彼は自分の仕事が大好きだと言っていた」

「まだ具体的なことは何もない。まだみんなが、来年どうしようかと考え始めるのを待っているところなんだ。でもかなり興味があるから、機会があればその方向に進みたいと思っている」

　スーパーGTは今年、コスト節約のためにシーズンオフのテストを制限する方向に動いており、例年12月にマレーシアのセパンで行なっていたテストを実施しないことが決まっている。つまり、ドライバーが新たにシリーズに加わるには少し難しい状況だ。

　一方、スーパーフォーミュラはシーズン終了後に恒例のルーキーテストを実施する予定となっている。

「もしスーパーフォーミュラでレースをするチャンスがあったら、僕が乗ってきた他のマシンよりもGフォースがかかるから、首のトレーニングをしたいね」とハプスブルクは付け加えた。

「でも、そういうチャンスがあったら喜んでやるよ！」

　ハプスブルクは、日本でシートを獲得するためにはトヨタ・ホンダ・日産の3大メーカーに自身の存在を印象づける必要があると自覚している。

「外国人ドライバーが参戦するためには、まず自分自身の力を証明する必要がある」

「だからもし彼らが自分の実力を示すチャンスを与えてくれたら、それに挑んでみたいと思うし、うまくいけばドライブする機会を得られるだろう」

「もしテストがあれば、日本で2週間の自主隔離をしなければならないからとても難しい。でもそういう犠牲を払う価値のあることだよ」