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キュートなデザインでアウトドア好き以外をもノックアウト!? デリカミニはかつてのパジェロミニの再来となるのか?

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キュートなデザインでアウトドア好き以外をもノックアウト!? デリカミニはかつてのパジェロミニの再来となるのか?

 2022年11月にスペシャルサイトで初披露された新型軽スーパーハイトSUVの三菱 デリカミニ。デリカD:5の弟分のような、ワイルドさの中にかわいらしさを感じさせるデザインだ。

 ズバリ、デリカミニは売れるのか!? ご存知清水草一氏に予想していただいた!!

キュートなデザインでアウトドア好き以外をもノックアウト!? デリカミニはかつてのパジェロミニの再来となるのか?

文/清水草一、写真/MITSUBISHI

■デリカミニは果たしてヒットする?

2022年11月に公開された新型軽SUVの三菱 デリカミニ

 三菱が発表した新型軽SUVのデリカミニ。基本設計こそeKクロススペースを踏襲しているが、デリカD:5の縮小版をイメージさせつつ、ヘッドライトをランドローバーディフェンダーのような半円にしたスタイリングは、軍用車っぽい武装感とキュートさを併せ持ち、写真を見ただけで売れそうな予感がする。

 三菱は1990年代、パジェロが爆発的な大ヒットとなり、その流れに乗って軽自動車のパジェロミニを発売(1994年)。こちらも大ヒットさせた実績がある。

 パジェロミニは、2代目パジェロをそのまま小さくしたようなスタイルで、ジムニーの対抗馬だったが、当時パジェロのブランドイメージは強烈に高く、その縮小版であるパジェロミニは、クルマ好きから地方の主婦層まで、ありとあらゆるユーザーに広く受け入れられた。

 パジェロミニ同様、デリカミニも大ヒットになるのだろうか?

 これは単なる予想だが、大ヒットまでは行かずとも、中ヒットにはなるのではないだろうか。

■パジェロとパジェロミニの関係とは違うデリカD:5とデリカミニ

 大ヒットまでは行かないと考える根拠は、1990年代のパジェロ(1991年登場の2代目モデル)と、現在のデリカD:5のポジションの差にある。

 1990年代のパジェロは、飛ぶ鳥を落とす勢いで売れまくっていた。1992年には国内で年間8万3685台を売り、販売台数1位になった単月もあった。1993年にはそれを記念して「No.1スペシャル」という特別限定車が発売された。

 パジェロミニ発売後となる1995年の段階でも、本家パジェロは年間4万4933台が売れていた。

 当時はちょうどスポーツカーブームが去り、パジェロなどのオフロード4WDでオートキャンプに出かけるのが、最もオシャレでモテるカーライフの形だった。

 パジェロミニは、タフでかわいいパジェロの縮小版として、その流れに乗り、1995年にはなんと年間10万5000台も売れている! これはパジェロの2倍を軽く超える台数で、本家の単年販売最高記録をも上回っていた。パジェロブーム恐るべし。

■息を吹き返したデリカD:5もパジェロの人気には及ばず

 一方、デリカはというと、こちらも一番売れたのは1990年代中盤。1994年のデリカスペースギアは7万8468台が最高だ。このうち、6万2888台が4WDモデルだったのだから、これまたオフロードRVブーム恐るべし。

 しかし、その後デリカ4WDは販売が極端に低迷し、2001年に販売終了。その跡を継いだのが、2007年に登場したデリカD:5という流れだ。

 デリカD:5は、タフ感のあるミニバンとして手堅く売れていたが、トヨタ、日産、ホンダの超強力なミニバン勢にかなうわけはなく、販売は徐々に低迷。フルモデルチェンジを受ける開発資金もなく、放置プレイのなかでも細々と売れていた。

 ところが2019年のビッグマイチェンで、ダイナミックシールドと新型ディーゼルエンジンが投入されたことで息を吹き返し、現在は、ミニバンを超えたアウトドア車として、オートキャンプ愛好者の強い支持を受けている。

 しかし、それでも販売台数はかつてとは比べるべくもない。ビッグマイチェンを受けた2019年で年間2万85台。昨年は1万4790台、つまり月間平均1000台強となっている。一部に熱烈な支持者を持つものの、かつてのパジェロブームとは程遠いのが実情だ。

■デリカミニのとっつきやすさは魅力

クルマに詳しい層もそうでない層も興味を示しそうなとっつきやすさが魅力の三菱 デリカミニ

 ただ、デリカミニには、デリカD:5より価格帯が低く、幅広いユーザー層を持つ軽ハイトワゴンであるという強みがある。

 軽ユーザーは基本的にメカに対するこだわりは小さく、それより雰囲気を重視するが、デリカミニのデザインは、本家のデリカD:5よりとっつきやすくて魅力的。クルマに詳しい層も疎い層も、「これ、いいじゃない!」となる可能性が高いのではないだろうか。

 なかでもダイナミックシールドの処理は秀逸だ。一見、ダイバミックシールドを採用していないように見えるが、実はバンパー樹脂部がダイナミックシールドの下側を担っている。

 ダイナミックシールドは、そのエグい造形で怖いもの見たさ欲を満たしてくれるが、ダイナミックシールドを採用した三菱のeKシリーズと、姉妹車である日産のデイズ/ルークスを比較すると、販売上のアドバンテージにはなっていないと推測される。

 しかし、デリカミニはダイナミックシールドの有無と無関係に、シンプルに力強くてカッコいい。

 直接のライバルとなるスペーシアギアやタントファンクロスと比べても、どこか本物感があり、周囲にナメられたくない欲をしっかり満たしてくれる。オートキャンプ場でも、ライバルに優越感を抱けるのではないだろうか。

 デリカミニの中身は基本的にeKクロススペース。三菱の販売網からして、そのヒットには限界はあるだろう。デリカミニの発売によって、最も割を食うのはeKクロススペースになる可能性も高い。

 デリカミニのデザインは、現在の軽ハイトワゴン全ラインナップのなかで最も魅力的に見える。N-BOXよりもカッコいい(私見です)。そこから導き出される予測が「中ヒット」なのである。

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みんなのコメント

37件
  • 年明けなら、ともかく
    来年の夏とは長過ぎます。
    オートキャンプブームに完全に乗り遅れてます。
  • これは売れるよ。
    これだけカッコ良ければ、アウトドア関係なく街乗りでほしい。
    軽なのにカッコイイ。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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